4人を久々に指示を出してプレイするのはまるでゲームを遊んでいた頃を思いだす。
ガイウスはその後2人に謝りつつ自分が今までの行動と言動について無責任な事あまりにも身勝手な物言いをした事を謝りながら頭を下げる。
「本当にすまなかった!俺はお前達の事を仲間の事をあまりにも信用をしなさすぎた。アイツが言ってる事は正しい。ルミナの言葉を信じずして何が仲間だ。俺は大馬鹿だ。ルミナが何もされていない。それは本当にそうなんだと何故俺は信じられなかったんだと改めて自分を殴ってやりたいとそう思ってしまうほど俺は馬鹿だった。だから俺の事を思う存分に殴ってくれ!」
「そら!」
「えい!えい!」
ルミナとロイゼは本当に遠慮なく思いっきりガイウスの頭を叩いたり殴ったりしながらまるで憂さ晴らしするかのようにして叩く。
「あ、いた!あ、おい、ちょっと、もうちょと、か、加減というものをだな。あたた!!!ちょいちょい込めてる力が強い気がするんだが!」
「当たり前だよもう!あまりにも人の話しを聞かなさすぎて本当にパーティ剥脱という事にもなりかねたんだよ。そこは反省する事!いや猛省してほしいね!」
「本当だよ。僕に関しては子ども扱い…それに関しても許しても許されないんだ。正直水の底へと沈めたいぐらいな気持ちだよ。」
「いやそれはもうただの犯罪では…」
「何か言った?」
「何かいいましたか?」
「いえ!何も!」
その後も永遠と説教を食うガイウス。
まぁ仲間の関係が壊れずに済んだと思えばそれで良かったよな。
「ただ1人を除いてはだけど…」
納得がいかないのかアリシア1人だけが俺の方へと近づき物凄い形相をしながら睨んでくる。
「そこのあなた。いったいどんな独占術でガイウスを操ったかは分からないけれど、私はそうはいかないから。」
「何の話かさっぱりだな。そもそもアンタはまだ俺の事を疑っているのか?」
「当たり前でしょう。あなたは私を強く突き飛ばしてルミナと一緒になりたいが為の行動を起こした。コレだけでも十分な証拠になるわよ。」
「強情だな。さっきから言っているがそれは誤解だ。俺はあの場でアンタを強く突き飛ばした理由は3人纏めて落ちてしまえば助からない可能性があったからだ。だから俺はプレデシアさんならまだ助けられる可能性があると思ってあの場での咄嗟の判断を起こした。ただそれだけの理由にまだ何か付け足す必要があるのか?」
ガシ!
アリシアは更に苛立ったのか俺の胸ぐらを掴んで急接近する。
「ふざけないで頂戴よ。あなたみたいな二重人格みたいな奴に今みたいなセリフを信じろと?馬鹿にしないでもらえる。寧ろ余計に信じる事ができなくっているというのが理解できないという方が私には全く分からないわね。」
情深いにも程があるな。
クソどうやったらアリシアを納得させられるんだ。
今の発言で余計にアリシアは俺の事が許せずに寧ろ執着心を覚えてしまったみたいだ。
コレじゃあ俺のさっきの示した態度はいったいなんの意味があったのか…
「もう!アリシアいい加減にして。そろそろ本気で怒るよ。」
「ルミナ……くっ!」
だからそんな睨みつける様な目でみるな。
俺がルミナを施したというわけじゃないんだから…
「あのさ俺がいうのもアレだけどいい加減に…」
ゴゴゴゴゴゴ!
ズドン!
ドシャン!
アリシアにルミナの事で注意をしようと言葉をかけようとした時予想外な展開が起こる。
岩の壁からまさかのタイタンホイールが現れ俺達は更なるピンチを迎えてしまう。
「な!?」
「嘘でしょう。なんでアイツがここに…」
「いや絶対に騒いでしまったのが原因でしょう。ここでうるさく騒いでいたからきっと向こうが怒って現れたとしかいいようがありませんよ。」
ロイゼの言ってる事に間違いはないのかもしれない。けれどそれならそれで一体だけというのはあまりにもおかしい。
コイツは複数体いるんだ。
もし五月蝿くて出現するならここはもう地獄と化しているはず……
ドカン!
ドカン!
ドカン!
ガシャン!
ガラガラガラガラ!
「おいなんかまた増えたぞ!どうなってんだ!」
「え!え!え!こ、このままじゃ皆んなやられちゃう!」
「くっ!」
「ヤバいですね。ヤバいですね。」
「は、はは、やっぱりそうなるよね。」
まさかのマトを射抜いてしまった俺は…なんでそんな事を考えてしまったのかと後悔しながら目の前の状況を現実を受け入れる。
「…………」
抜けられる場所はたった1箇所。
ここからまた下に落ちるという考えはまずありえない。
落ちたらアイツらの餌食になるのは確実だ。
となれば走ってこのまま突っ切る。
なんて安直な考えをしたらいいだけなのかもしれないけれど…それは誰しもが考えている。
「………仕方がない。そくせきだけれどやってみるかしかないか……ふぅ〜4人とも俺の話を聞いてくれ、ここから脱出するには4人の力が必要だ。連携が取れなければここで全員死ぬのは確実。俺の指示通りにやってほしい。」
「はぁ!何で私達があなたの言う事を聞かないといけないのよ!初対面のあなたに指図される筋合いはないわよ!」
「悪いが俺もだな。さっきは悪かったがお前の指示に動くというのはあまりにも信頼がなさすぎる。言ってしまえば自分の首をしめてるのと一緒だな。」
「ふ、2人ともラクト君はそんな事考えてないよ!それに彼の考えて動けたら本当にみんな無事に脱出の可能性だってあるかもしれないんだよ。」
「ルミナの言う通り彼の錬金術は僕達とはまた違った物を作っていた。となれば彼の判断で動いて見てもいいかと思います。」
「いやだけどな…」
「ガイウスさん。ガイウスさんの頭で皆んなを誘導する事ができますか?」
「うっ…そう言われると俺にそんな判断力なんてないな。」
「だったら僕の言う通りに動いてください。今この時だけで構いません。それでみんなが不快になるのなら2度と僕と関わらなければいい事それだけじゃありませんか?」
「ま、まぁそうだけどな。」
「えええー!いやだよ!そんなの!私もっとラクト君と関わりたい!」
うんルミナは余計な事を言わなくていいよ。
話がややこしくなるし面倒だし…
俺は関わりたくないから。
「けどそんなのって…なんだか…」
「最早言い合いをしてる場合じゃないですよ!ラクト氏指示をお願いします。」
ああ任せとけ俺がどれだけお前らを操作してダンジョンや迷宮をクリアしたと思ってるんだ。
レベルが足りなくて死んでしまった時もあったけれど今回は違う。
ブン!
ゴロゴロ!
「おい転がってきたぞ!どうすんだ!」
「ガイウスは自慢のハンマーの力で思いっきり殴り飛ばして!」
「いやでもこんなの俺1人じゃ…」
「何の為にロイゼがいるんだ!ロイゼはガイウスに錬金魔法で胆力をアップさせて!」
「は、はい!パワーセルフ!」
デュイーーーン!
「よっしゃあ!ドーンときやがれってんだ!」
向かってくるタイタンホイール。
それをパワーアップしたガイウスが…
パコン!
ゴロゴロゴロゴロ!
地味ではあるが打ち返して逆の方へと転がっていく。
「ギュルルル!」
「い、いやだ!あのくねくねした毛気持ち悪いんだけど!」
「え?そうかな。何だかラリュルフみたいなモフモフみたいな毛先みたいで可愛くない?」
「あ、あなたどう言った感覚を持ってるのよ。」
※ラリュルフとはキツネみたいなモンスターでよく草原で現れる。
人に懐っこくペットとして飼う人もいたりするが…大きくなると世話が大変になる為飼う人はごく少数だったりもする。
「ギュルルル!」
「い、いやだいやだ近づかないで!」
「ルミナ!」
「は、はい!」
突然の名前呼びでビクッとするルミナ。
思わず振り返ってしまいラクトの方へ見る。
「ルミナは錬金魔法でタイタンホイールの足元に水をはらせるんだ。それも目一杯に!」
「うん!分かった!」
ルミナは錬金魔法で杖を振りながらタイタンホイールに向かって水の錬金術を発動させる。
「食らえスプラッシュアワー!」
「あ!違っそれじゃない!」
「え?」
ピカン!
ザバァン!
予想と違っていたのかルミナはまさかの上からの水の錬金術でタイタンホイールに水を浴びさせる。
「ち、違った!えっと!えっと!あ、あれれ?」
水を思いっきり浴びたタイタンホイール。
しかしそんなの気にせずドンドンと這い寄ってくるのだが…
「まぁどっちでも良かったんだけど…アリシア!錬金魔法で氷を使って…」
カチンコチンカチンコチン!
タイタンホイールはみるみると体が氷始めていきその場から身動きがとれずとどまる。
「こういう事でしょう。ふん!そんなの指図されなくても行動だけで分析できるわよ。」
「お、おお。さすがは氷技に関してはちゃんと長けているな。」
「………」
しかし何故かコチラを睨んで何やら不満顔をするアリシア。
俺何か変な事を言っただろうか…
「ギギーーー!」
「ぎぎーーー!」
残りのタイタンホイール2体…体を丸くしてゴロゴロと転がってガイウスの方へと転がっていく。
「へ!こんなの両方かっ飛ばせば問題ないんだろう!舐めんなよ!」
両方転がって?……!?
ラクトは2匹が転がっていってるという違和感に気付きタイタンホイールが転がる地面をよくみる。
まずい!アレは毒沼だ!触れたら瞬間潰されるだけじゃなくてのまれて溺れて体が溶けていってしまう。
「くっ!一か八かにかけるしかない!ルミナタイタンホイールが転がっていってく場所…主にガイウスの中心でバッテンを描く様に水で地面を濡らしてくれ!」
「了解!」
ガイウスを中心の外側で水を滴りつくし水が激しく床を濡らす状態にしてバッテンを描く。
「よし!後は上手くタイミングよくすればいける!」




