プレデシア・ルミナの恥ずかしい一面でのムッツリな女の子
デュイーーーーン!
カシャン!
「うん。やっぱりここはそこまで深くない所みたいだ。上に上がるまでには5分満たないかな。プレデシアさん今からある物をつけるから暫く動かないでくれる。」
「え?うん。」
なんだろう?あるものっていったい…
カチャカチャカチャ…
え、え、ええ!!
「ちょ!あんまし動かないでくれ、上手く取り付けられない。」
「ちょっ!ちょっと待って!いったい何してるの!というより何この拘束具みたいなの!いったい何処からそんなの取り出したの!」
「いや僕も普通に鉱石を回収する為のウエストポーチを持ってるんだよ。それにリュックだって背負ってるでしょう。そこから一部の道具が取り出せたんだよ。正直中身の一部はあの時落ちた衝撃によって中身が複数どっかいちゃったけどね。」
まぁリュックの中には俺の世界で作ったものは入ってなかったし。
唯一の安全具が残っていたのは幸いだったな。
コレがなかったらルミナをここに置いて助けを呼びにいくって形になっていただろうし…本当不幸中の幸いだった。
「そ、そうなんだ。でも待って待って!それで何で私達こんな密着する必要があるの。あまりにもおかしすぎるよ。」
「ああそうだよな。説明をしてなかったね。今放った鉄の糸なんだけど…実は僕達を引っ張りあげる事ができる仕組みも入ってるんだ。けれどそれをするにはちょっと危険が生じるからこういった操作に慣れてないプレデシアさんには怪我をさせてしまう可能性とかもあるから、こうやって密着するぐらいにしとかないと後で大変な事になるんだ。」
「うう…そういう事は最初に言って欲しかったよ。私てっきりその…」
「その何?」
「ううん!やっぱり何でもない!もうバカ!」
「ええ…何故罵倒されたんだ。」
私だけがなんか意識してるみたいで嫌になっちゃうよ。こんな近くまで男の子と密着するなんてあの時以来だからどうにも慣れないな。
そんな事を思っている最中ルミナはラクトの首元にぶら下がっているものに気付きだしこの状態を少しでも意識しない為に話題をふる。
「ね、ねぇラクト君。その首飾りみたいなのペンダントか何かなの?何か光ってるから大事なものとかだったりするのかな?」
「ああコレ?そうだね。大事なものといえば大事なものかな。」
そういいながらラクトは首元にぶら下げていた紫色の玉を取り出し見せる。
「そ、それ何処で見つけたの!」
「え?コレは昔ある女の子から渡された物でどういった使い道が分からないから肌身離さず持っていたんだけど…結局何も分からないままつけてたな。コレがどうかしたの?」
「!?うんうんちょっと珍しい玉宝だなってそう思ってね。」
「ああ確かに…言われてみれば鉱石ってわけでもないんだよね。本当コレなんなんだろうか…今度鑑定にでも出してみようかな。」
「そ、それは駄目だよ!」
安全装置を取り付けながら紫色の玉を鑑定に出すかどうかを冗談めかしに言った途端…何故かルミナは凄い顔をして否定しだす。
「いやそんな否定しなくても…今の冗談で言っただけだから…というかこの紫色の玉に何かあったりするの?」
「え、えーと…そう!そうなの!その玉には物凄ーい呪いがかかってるの!下手に鑑定に出したりしたらラクト君が呪い兼ねないから絶対に出さない方がいいよ!」
今なんか思い浮かんだみたいな感じで言い訳みたいな事を言わなかったか?てかいったい何があるって言うんだこの玉には…
カシャン!
「よし!しっかりと固定できたね。暫く密着状態になるけれど我慢しててね。ちょっとしたズレとかあったりして外れたりでしもたら大変な事になるから。」
「う、うん。分かった。恥ずかしいけど頑張るよ!」
何が恥ずかしいのかと質問するのは簡単だが…俺は敢えてそれをしなかった。
何故ならお互い意識してしまうという方向になるのは間違いないからだからだ。
グィーーン!!
俺は鉄の糸で出したワイヤーガンをそのままゆっくりと引っ張ってもらう形に設定して装置を作動させる。
あまりにもゆっくりというもどかしさはあるが、この状態でいつ何か起こるか分からないというのがありどうしても落ち着かないという感情にはなってしまう。けれどそれを悟らせるわけにはいかない為俺は無言のままワイヤーガンの上の部分にある糸に集中する。
「………」
「………」
どうしよう。
彼の真面目な顔を見てたらどうしてか気持ちが昂るというか…こんなにも親切にしてもらって嬉しいというか……私もしかしたら彼の事を…
いやいやいくら今日会ったばかりなのにそんなのはおかしいよ。
………おかしい筈なのに……私どうしたらいいのかな。やっぱりあの玉が本当の本当に本物だったらこの気持ち素直になってもいいのかな。
グィーーン……カシャン!
「くっ!噛んでしまったか……まずいな。けどどうにかしてワイヤーガンの軌道ずらせば…」
俺は少し体を揺さぶりながらルミナとの固定していた装置が外れないようにどうにかしてワイヤーガンが噛んでしまった糸の形状をほぐそうとする。
「………あ、あれ?何か当たって……!?」
こ、この感触って、も、ももも、もしかして、お、男の子のあ、アレじゃ……
「ね、ねえラクト君!ちょっとあまり動かさな……ん!」
「悪いもう少し我慢してくれもうちょいでいけそうなんだ。」
「そ、そんな事言われても…」
ルミナは足をモジモジとしながら太ももを擦り合わせて何とかラクトの言われた通り糸の形状をほぐり終わるまで我慢していたのだが…
「ふぎゅ!もうもう!む、むむ、む…」
ガシャン!
ギュイーーーン!
「よしいけた!プレデシアさん何とか糸の噛み合わせ何とかなったよ。ごめんね揺れまくっていたせいで気持ち悪かったでしょう。後で上で休憩したらお水あげるからっ…」
「うう〜……後もう少しでいけそうだったのに…」
「え?何が?」
「!この変態!!!」
何故か変態呼ばわりされてしまい上に上がる瞬間までお互い妙な気まずさな空気のまま黙りとなってしまった。
…………
「よし!とりあえず上に登る事ができたわけだけど……なーしてそんなに息を切らしてるの?」
「そ!それは君が硬いのをお腹に押し付けていたからじゃないの!変態変態変態!」
「硬いのを押し付けて?……あもしかしてコレの事?」
ルミナに言われて俺はある物をお腹の中に入っていたものを出そうとしたのだが…
「いい!いい!見せなくていい!君の硬いのを見せられても処理なんて私できないんだから!」
ジャランジャラン…
「へ?」
「お腹に巻きついていた酸素ベルトだよ。コレで周りの空気を一部分ではあるんだけど吸収してベルトの前の部分がちょっと膨らむ仕組みになってるんだ。洞窟と言っても酸素が上手く吸えないというのがあったりしたら大変だなら応急処置用でもってたんだけど…ごめんその事も伝えてなかったね。」
「………」
ルミナは顔を真っ赤にして頬がタコの様な形になって恥ずかそうになりながら下を俯く。
そして僅かに涙目になりながら何やら悶えだす。
「だ、大丈夫か?もしかして気でも触れたのか?」
「言い方!というかほっといてよ!コレじゃあまるで私がいやらしい女みたいじゃないの。」
「まぁ話から察するに変な事を考えていたのは間違いないんだろうな。例えばそう僕がある物を大きくしてそれをプレデシアさんに…」
「うわー!うわー!いい!いいから!言わなくてもいいから!私が間違っていました。勘違いしていました!だからごめんなさい!」
「ぷふ!ちょっとからかっただけだよ。いいんじゃないの?女の子でもそういったいやらしさを持つのは別に悪い事じゃないと思うよ。寧ろ思春期なんだしね。」
「だから別に言わなくてもいいって言ってるでしょう!というか何その慰めの仕方!もうちょい女の子に対して遠慮とかないの!寧ろセクハラだよセクハラ!」
「あははそれぐらい元気があるならまだ行けそうかな。ちょっとどんよりしていたっぽかったから心配はあったけれど問題はなしっと。」
「な!?それでセクハラめいた言葉で試すのってどうかと思うけどな私!」
「そう言わない言わない。寧ろ僕達の関係性は今日1日限りなんだからそこまでの親しみがあっても仕方がないでしょう。」
と理由をつけながら俺はルミナにつけていた安全装置を外しリュックに入れる。
「ムムム!」
もうなんだって言うのよ。
これじゃあ変に私だけが意識してるみたいじゃない。こうなったら途中で私がいい女だっていう事をアピールしてやるんだから。
ゴゴゴゴゴゴ…
「うわっ地響きか…まさかさっきのタイタンホイールじゃないよな。」
「タイタンホイールってさっきのダンゴムシみたいなののこと?何であんな怪物みたいなのがこの洞窟にすくっているんだろ?」
「さぁそれに関しては僕にも分からないな。」
確かに魔物がどうやってこの場所を縄張りにしているのかまず疑問にも思ったりしなかったな。
てかそもそもゲームの世界だし…そんな事で一々気にしていたらキリがないしな。
開発者に聞いたほうが1番早いっつうの。
「とりあえずここもいつ崩れるか分からないからさっさっとここを出て…」
「あ!でもその前に聞きたい事があるんだ。」
「聞きたい事?」
「うん。ラクト君ってやっぱり昔あの大樹の遺跡の所にいたんだよね?」
「え?いやまぁそうだけど…あれ?僕言わなかったけ?体験したって…」
「言っていたけれどそうじゃなくて!もっとこう根本的にあそこにいた詳細を知りたいの!例えばそう!誰かと会っていたりとか…」
「なんでその事をプレデシアさんが?まさかプレデシアさん…」
そう!そうだよ。
今ラクト君が思っているその通りなんだよ。
そう私があの時…
「おいいたぞ!」




