11年前の起こった事似たような事故でのデジャブ
クリューダル・ラクト。
もしかしてこの人…
「どうかしたの?お腹でも空いた?」
「な!?私を腹ペコ娘だと思ってるの!心外にも程があるよ。」
「じゃあどうしたの?何にか気になる所でもあった?」
「………その、こんな事聞くのもおかしな話しかもしれないんだけど、ラクト君はさ11年前とかの出来事って覚えてたりする?」
何故赤面しながら何かいけない事を聞くみたいな感じで尋ねてくるんだ?
というより11年前のことなんて最早色々ありすぎて思い出しそうにも思いだしたくないんだが…
「うーんと何でそんな事を?というより11年前って何かあったりしたっけ?特にコレといった記憶はないんだけど。」
「そ、そうだよね。ごめん変な事聞いて、寧ろ何言ってんだろうね私。」
そもそも分かるはずがないんだ。
コレは私の勝手な思い込み。
コッチが本当にそれが正しいのかも分からない。
「でも11年前の話か……そういえば初めて遺跡探検したのを思いだすな。と言ってもかなりいたこざがあってあまり体験というか冒険感覚を味わった感がないんだよね。」
「!?」
遺跡探検。もしかして!
「ね、ねえ!その遺跡ってまさか古代樹の森だったりする?」
「よく知っているね。てか当たり前か昔の観光地みたいな形で来た人を案内していたから…ああもしかしてプレデシアさんもその1人だった?」
「え?ま、まぁそうだったかな。」
そうか。
となれば俺が行く前に既にルミナはあそこの古代樹の森の遺跡を探検していたという事か……って事はあの時俺がそうじゃないかって思っていたプレデシア・ルミナではなかったという事だったんだな。
そもそもあの子は違った名前だったしそりゃあ違うわな。
く!何という回避の仕方。
確かにあの時はまだそう言った形で観光スポットとしてなっていたけれども…具体的にはその遺跡の中について確かめたかったのにコレじゃまだ未確定で判断ができないじゃない。
「お?もう時期で上に出られるか。大丈夫疲れてない?」
「うん!私冒険事態は大好きだから。全然疲れてないよ。」
「そりゃあそうだよね。なんか見た目的にそんな感じはしたしね。」
「それどういう意味!私が馬鹿だっていいたいの!」
「誰もそんな事言ってないでしょう。変に勘繰りしすぎだよ。」
何かこんな変な話しと変に突っかかってくる感じ11年前のあの子と妙に示し合わせた感じがするんだけど……完全に勘違いなんだよな。
単に性格が似ているだけだと思うから……いや性格だけが根本的に似ている主人公補正が2人もいたらビックリするからまずそんな事はありえないと願っておこう。
「え…」
「ん?どうかしたの?」
「コレはまずいなって思ってな。ここから先僕の明かりは必要なくなったみたいだ。」
「え?どういう事………って!うわ何これ!」
本当にそうだよ。
どうなってんだここは…
抜けられそうな道。
ルミナが持つ小型羅針盤で示した矢印の方向へ進んでみたら…なんて事だ。
まさかの青く光るダンジョンが現れた。
こういった要素はたまにあったけれどもこうもこんなに早く現れるなんて思いもしなかったぞ。
いやそもそも関わらない立ち位置なんだから必然的にありえないと思っていたのに…
もしかして俺運がついてないのか。
「す、凄い凄いすごいーー!コレこそ錬金術師としての冒険者の醍醐味だよね!うーーんいったいどうやったらここから出られるんだろうね。」
「逆に迷って出られないパターンもあるのにどうしてそんなに浮かれているんだ?」
「え?だってダンジョンと迷宮は冒険者にとってはなくては欠かせないものでしょう。レアアイテムやレア素材なんかが手に入るかもしれないかっこうな場所じゃない。それに隠し扉とかもあったりするかもだしね。」
「は、はは、な、なるほどね。」
確かにルミナはそういう事を言っていたっけか。
冒険者は何事にも楽しまなきゃ損だよって…どんなに絶望が目の前にあっても決して挫けたりはしちゃいけない。
それがプレデシア家の家訓だったけか?
「うーん。けど私そこまで難しい場所に手を出す事ができないからすんなり解けないかもしれない。その時は許してね。」
許すも何もお前はこのダンジョンでは唯一攻略対象として必然なキャラなんだよ。
あっさりと諦めかけてんじゃねぇよ。
さっきの言ってる事と支離滅裂じゃねぇか。
「うん?コレは?」
俺は祭壇っぽい場所を発見してその所に近づき周りを見渡す。
「………」
「う〜ん。やっぱり何かヒントらしきものはないよね。コレはもしかして私達を騙すダミーがいっぱいあるのかも。ラクト君!ここから先は冒険者の私に頼って…」
ガコン!
ギギ!ギーーー!
ゴゴゴゴ!
「へ?」
ガッコン!
「よしどうやら当たりみたいだね。行こうかプレデシアさん。」
「あ、う、うん。そ、そうだね。」
そう言って若干恥ずかしそうにして俯きながら閉じていたと思われる扉が開かれた先へと進んでいく。
はは、てかそうだよな。
主にこう言った動作の仕組みってやり込み要素とか経験がなかったら攻略なんてまず無理だもんな。
というかルミナ達はどこまでダンジョンとか迷宮をクリアしていったんだろうか…
それによって難易度せいとかもハッキリできるんだけど……まぁモブの俺じゃなくて主人公であるルミナがこういったのを解いてほしかったんだが……正直巻き添えを喰らってる俺からしたらそんな場合じゃなさすぎて待ってられないな。
ダルダニア鉱山・スプラウンダンジョン
「うわ!!ねぇねぇアレ見てアレ!何かなあのデッカイ鉱石。私が探していた琥珀よりも大きいよ。」
「………」
まさかまさかとは思っていたけれどやっぱりここもそうだったのか。
ここのダンジョンは恐らくスプラウンダンジョン。
最も鉱石が多く採れる所。
けどこの地下深くには存在しないはずだったのになんでスプラウンダンジョンがあるんだ。
何かの軸がズレて元々ある場所になければらならいのがここに移ったという事なのか?
いやそんな異次元的な事ありえるか訳がない。
じゃあどういう事なんだと説明してくれと言いたくはなるが……コレもまた説明ができなくて困る。
「この鉱石多分まだ未発達なダイヤモンドだと思う。」
「え!?コレダイヤモンドなの!でもキラキラしていてもとてもダイヤモンドには……あ!本当だ!鑑定してみたらコレダイヤモンドになってる。でもどういう事なんだろう。ダイヤモンドはダイヤモンドだけれどそれほどの価値はないみたいだね。」
「そう。ここでのダイヤモンドはある源力によって成長するんだ。例えば生命のエネルギーとかね。」
「でもそれって人の命を奪う事になるんじゃ…」
「限りしもそういった事になるわけじゃないよ。人の生命といってもある動力源をもらっている場合もある。例えば今僕達がしているもの…それは何だかわかる?」
「え?え〜と……は!歩く動作!とかかな。」
「まぁそれも動力源といえばそうなんだけど…残念ながら外れ。答えは呼吸だよ。」
「呼吸?でもそれがどうしてここのダイヤモンドの成長過程になるの?」
「単なる呼吸だけでは確かにこのダイヤモンドに対して生命力としての人間の呼吸程度じゃ成長はしない。でもそのダイヤモンドには地上に生えてる根っこがある。それには人の息や体温その他の生き物からエネルギーを吸収して成長している。そしてこのダイヤモンドはまだその成長途中。」
「へ、へーー!!す、凄いね!つまり鉱石もまた生き物と同じく食べ物を食べて成長しているって事なんだね。コレは私もまだまだ研究が足りないみたいだね。」
というのもこれは俺自身も驚いた事でゲームをしながら関心を持ってしまった程何度もその細かい話を頭に刻みこんだっけか……というか謎解きでこのダイヤモンドが関係していたからよく覚えていたわ。
別に覚えたくもなかったんだけどな。
「じゃあ持って帰るのは難しそうだね。研究材料としてアトリエで構成とかもしたかったんだけど残念。」
「それなら一欠片ぐらいとっていっても問題はないはずだよ。プレデシアさん鉱石をとるための道具持ってる?」
「え?うんはい。」
俺はルミナから鉱石を取る為の携帯用ピッケルを受け取る。
カン!カン!カン!
「うんコレなら多分大丈夫だろう。」
取ったダイヤモンドの一欠片をルミナに渡し受け取ったピッケルも返す。
「ほ、本当に大丈夫なのかな?」
「心配はないよ。成長速度は多分ここの地下洞窟よりかは少し遅れての成長だとは思うけど、地上でも僅かに生き物から生命のエネルギーの吸収は可能だならそんなにいいダイヤモンドにはならないかもしれないけれど研究するには十分だと思うよ。」
「………あ、ありがとう。」
「そんな大した事してないよ。それよりもココから早く出よう。恐らくココに長くいるとモンスターが寄ってくる可能性がある。ちょっと急ぎだけど出口まで走っていこうか。」
「うん分かった。」
あまりこういった関係で話すのはあまりよくないしさっさと出るのが吉だな。
「待って脱出するにしても方角的にはこの上になってるよ。どうやって上まで行く気なの?」
「ああそれなら問題ない。さっきは暗くて確実に上に上がれるという保証がなかったから使わなかったけれど…今回は大丈夫。目印を示してくれる羅針盤もあるしそれにまだ壁側に明るさで分からせてくれるダイヤモンドがチラホラあるしね。」
「どういう意味?」
「コレを使うんだよ。コレを…」
俺は手に持ってるワイヤーガンをルミナに見せつけながらいったい何を意味するのか本人には分からずにいたけれど…説明をするよりかは実行した方が早いと思い実践する事にしそのままワイヤーガンを使ってここから脱出をする。




