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主人公との災難な地下洞窟の脱出

ヒューーーーン!


く、クソ!まさかこうなるとは…

ガシ!


俺はルミナを衝撃から守ろうとルミナを抱えて落下し体を張って庇おうとする。

だけどそんなのさらさらする必要がないと感じた俺は密かに持っていたアトリエで作ったアイテムを取り出す。


カシャン!

シュポ!

ヒュルルルルルル!

カシャン!

デュイーーーーーーン!


小型銃から鉄の糸を出しそれを岩の突起の部分へと刺して落下の柔軟性をやわらげさせながら勢いはあるつつもどうにかして落下事故を防ぎながら降りる。

そう所謂ワイヤーガンだ。


「よっと!」

ドスン!


「いったあーーい!」


どうにかして着地した俺とルミナ(庇いたてたのをそのまま突き落とす)は何とか助かる。


カシャン!

シュルルルル

スパン!


「ふぅどうにかして助かったけれども……さてここからどうしたものか…」


落下した場所の周りはやけに薄暗く見にくい。

けれどもそこまで暗くて見えないというのはなかった為鉱石の洞窟というのはまかり通っているんだなと改めて実感がわく。


「仕方がないか……勿体ないけれど灯りを灯すアイテムを使うしかないな。」


「ちょっとちょっと!女の子を投げ捨ておいてそのまま一人語りするのやめようよ!というよりお尻が痛い。」


自分のお尻がデカいせいなのかやたらとさすりながらお尻につく砂埃を払ってコッチに視線を向ける。


「いや〜良かったですね。お互い無事で何よりですよ。」


「そうかもしれないけど!もうちょっと優しくしてくれても良かったのに…」


「そこまでの情けはかけられませんよ。何せ自分の命すらかかってたんですから。そちらだけを優先する事は正直難しいって話です。」


「ムムム!」


膨れっ面をしながら納得がいかないのか…納得せざるを得ないというのは自分自身がよく分かっているはずなので俺はそれ以上の事は言わずにいた。

……しかしこっからが問題だよな。

ルミナを助けたまではいい…ここからこの子と関わらずにどうにかして出口までいかなければならない…けれど上から落下してどうやって上にまで上がればいいのやら…


「そうだ!君さ確か洞窟の周りを探知する錬金道具があったよね。」


「え?ああうん。持ってはいるけれど…」


よしそれなら脱出の方は問題なさそうだ。

さっさとここから出て主人公達と別れないとだな。


「ねぇなんで私が羅針盤を持ってるって知ってたの?なんか怪しい…」


「そ、そんな事ないさ。ほら冒険者って道が分からなくなった時とか冒険するには必須アイテムではあるだろう?だからもしかしてと思ってね。」


「………」


うっ疑いのある眼差し…確かに俺の軽薄な判断で勝手に羅針盤があるなんて事を言ったらそりゃあ怪しまれるよな。

やはりこのまま別行動になってしまうのか…


「君って凄いんだね。なんだか探偵みたいだ。正直どうして私が羅針盤を持ってるなんて分かったのかは分からなかったけれど、そう言った判断だとなんだか納得するかも。」


納得してはいけない。

と言った方がいいかもしれないが…

ここは安直な主人公補正があって助かった。

とりあえずは安心できそうか…


「待っててね。今羅針盤を取り出すから。」


ルミナは女性短パンにつけていたポジェットから小型羅針盤を取り出し何もない場所から道標みたいな矢印が出てくる。


「今私達がいるのはどうやらここみたいだね。」


「そこまで深い階層に落ちたわけじゃないみたいだ。どうにかして上まで上がれれば冒険者達と合流できるかな。」


「うんそうだね。それにさっきのモンスター結構やばそうだったし。早めに戻らないとだしね。」


「いやそれは多分大丈夫だろう。」


「え?なんで大丈夫だなんて思うの?」


「直感かな?」


「何それ…それでもし万が一な事があったらどうするの?」


「万が一がないようにするために予めあの場所にセットしておいたのがあるんだよ。それに引っかかれば恐らく…」


ズビュン!


「そらどうやら当たりみたいだな。」


ラクト達が落下した後のガイウス達と冒険者。


「ギュルルル!」


タイタンホイールは地面にセットされた噴出装置に触れてしまいそのまま地面に潜って逃げていく。


「な、なんなんだアイツは急に現れたと思ったら何かに触れて逃げて行きやがった。わけがわからねぇぜ。」


「ルミナ!ルミナ!返事してルミナ!」


アリシアはルミナが落ちた場所から必死になって大声を出して生きているかどうか声を荒げながら心配して更に大きく叫ぶ。


しかし当然のごとくアリシアの声等最早真っ下に落ちていったルミナには届くはずもなくそれでもアリシアは声を荒げながらルミナの名前を叫ぶ。


「アリシア!ルミナはどうなった!」


「駄目落ちていった。というよりもアイツ私を突き飛ばして一緒にルミナと落ちていったみたい。結局助けられなかったうえに私の邪魔をしてくるなんてありえない。」


「しかし僕からみた限りでは必死になってルミナさんを助けたようにもみえなくはなかったですよ。アリシアさんを突き飛ばしたのにも何か理由があるのでは?」


「何を言ってるの!あの男もう無理って分かった瞬間に私を突き飛ばしたのよ。コレって完全に助からないっていうのが分かっていて落ちたに決まってるわ。」


「いえだとしても…彼まで一緒に落ちる道理はないはずです。それならばルミナさんだけを突き放してしまえばそれだけで良かったはずです。」


「ロイゼさっきからあの男の事を庇ってる。何でそこまで庇う道理があるの?明らかにあの子の信用を裏切ったのよ。それに落ちた後の心配なによりも気にかかり…生きているのかはたまたあの男にレイプされたりとかあるんじゃないかって思っているんだから…」


「おいおい子どもの前で卑猥な表現はやめろ。確かにあり得ない話かもしれんが、ひとまずは街に戻ろう。別の救助隊が必要だ。俺達冒険者でどうにかできる話しじゃなくなっている。それにあんな化け物旧がいたんじゃもっと強い冒険者に頼った方が…」


「あの〜すみませんが1つよろしいでしょうか。恐らくコレ以上の冒険者はギルドに来ないかと思われます。何せクルクル街は平穏な街に称されていますので、ここ10年近くはそういった危ないといったような報告は一切していません。なので報告したしとしてもいつコチラにかけつけてくるのやら分からないんです。」


「おい受付のねぇちゃんそれなら俺達冒険者は落ちていた小僧達を助ける他なくなるって話か?ワシらにとってはだいぶ痛手な話だぞ。」


冒険者の老人が言う通り半分以上はさっきのダンゴムシモンスターにやられて戦闘不能となってしまった為助けにいくというにはあまりにも無謀すぎてしまう。


「となればやっぱり俺達がいくしかねぇのか。いや仲間が落ちていったんだ。弱気になって助けを待つというのは性に合わねぇよな。」


「それならばある程度の準備はした方がいいでしょう。ひとまず手製のあるものだけでもかき集めてこの下へ行った方が得策かと思います。ルミナさん達が直ぐに帰って来られるという保証がないわけではありませんが少なくとも1日で帰って来る事はないと思います。」


「だな。向こうも馬鹿じゃない。アイツがいなければ俺達はここまでやってこれなかったんだ。俺達でちゃんとルミナを助けよう。」


ガイウスの言う通りに頷くアリシアとロイゼ。

不安はありつつも動揺などはみせず仲間を助けるという意思を持ちながら一旦街へと戻る。


待っててねアリシア必ず助けるから。


………いっぽう落ちていったラクト達


「………ほえ〜」


「………な、何?」


小型羅針盤で道を示しながら歩いてる最中にルミナは俺が灯す錬金術で作ったライターに夢中になっているのか物凄い好奇心の眼差しを向けてくる。


「あ、その何というか面白い火の灯し方をしているなって思って……それって錬金術で作ったやつなんだよね?仕組みとかどうなっているの?」


「それは企業秘密かな。コッチのお手製で作ったオリジナル要素だから。」


「えーー!!ケチ!」


「ケチじゃない。単なる話しても分からないとそう思っただけだ。」


理屈的にはこの世界で灯すランタンと一緒だ。

オイルをベースにして油と原料を兼ねてでの錬金。

それを俺は作る際にトレースをしてオリジナルの錬金道具を作る。但し使えるアイテムは俺のレベルにも生じてしまう為回数的にもこライターが使えるのは予備を入れても2個だけ……正直早くここから出なければと内心焦りも感じてしまうわけだが…


「ねぇねぇそう言えばさっきのお礼まだ言ってなかったよね。さっきは助けてくれてありがとうね。あんなに必死になって私を助けてくれるなんて、見ず知らずの君になんて言えばいいか……あ!でもあそこにある琥珀(アンバー)の事を教えてもらったから見ず知らずでもないのかな。もしかして私の事が気にかけてくれてたりする?よく言われるんだよね可愛いって…」


う、五月蝿い。

単純に五月蝿いんだよな。

てかこんな危機に陥っているのにどうしてそう気楽にしてられるんだ。

主人公ってこうもお気楽体質だったけか?

最早こっちから絡むのはやめた方がいいと思いつつも向こうから関わってくるから拒否をしようとしても意味ないんだよな。


「そうだそうだ!まだ自己紹介してなかったよね。わたしプレデシア・ルミナっていうの。君の名前は何ていうの?」


そして図々しいにも程がある勝手な自己紹介。

まぁ正直知っていたから敢えて自己紹介はしなかったからいいって思ってたしな。

向こうからしたらそりゃあコッチの名前が気になるわな。


「僕の名前はラクト。クリュダール・ラクト。」


「ラクト?クリューダル・ラクト……え?もしかして君って…」

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