新しい友達と別れ
アレから俺はあの暗殺者だった女の子…カルミラと一緒にアトリエで錬金の事について色々と教えながらカルミラはあんなに毛嫌いしていた錬金を楽しみつつ興味が沸いたのか最近はよくアトリエに顔を出す様になった。
「よし…後はココを上手く調整したら…」
俺は今日もモルティー先生と一緒にアトリエで錬金についての練習をしながらお互いケースバイケースといった形でそれぞれの怠っている部分の場所を補いがら学んでいく。
「へ〜それじゃあこの装飾品を作るにはちょっした飴細工が必要になるんですね。」
「そう、今ある材料でもいい材質にはなるんだけど、それよりももっといい形にする為の物が出来上がる事ができるんだよ。ほらこんな風にね。」
そういいながらお手本として先に作り上げていた装飾品を俺に見せるモルティー先生。
「確かに何処か部分的に違うような気はしますね。……あこことかそうなんじゃないんですか?僕が作った端っこの部分そこがテカッてるかテカッてないというようにも捉えられってあれモルティー先生?」
「ぐへ、ぐへへ〜そんなテカッてるだなんて卑猥だよラク君。女の子に向かってそんな猥談なんてよくないよ。」
「え…僕そんな事一言も言ってませんよ。てか何悶えてるんですか。小さな子どもの前で発言していいセリフじゃありませんね。」
この人何かどんどんと自分の事を赤裸々に曝け出しているというか……最早自分がど変態体質だというのを隠すことすらなくなったというか…この数日間でよもやこんな事になるなんてな。てか俺の試験が終わった後に出ていくんじゃなかったのか?
普通にこのアトリエに居座ってるんだが…
俺は横で勝手に悶えながらやたらとテカッているという言葉に反応しているモルティーを無視して、そのまま錬金の修行を励み続ける。
ガチャ!
「ラクト君!今日もきたよ!一緒に遊ぼ!」
「カルミラだから言ってるだろ!錬金を遊びというのをやめろって!その言い方をされると本当に周りからただ遊んでるだけの人間に思われるからちゃんと勉強しに来たとかそう言ってほしいんだけど!」
「もう硬い事は言わない言わない。それよりも今日はどんな事をするの。」
「何て前向きで奔放性なやつなんだ。正直その性格が羨ましくも思ってしまうよ。」
最早遠慮等せずにアトリエに入ってくるカルミラ。
以前の塩らしさは何処へいったのやら……まるっきり性格が変わってしまったと言わんばかりの彼女になってしまった為正直たまに戸惑いがうまれてしまう。
「ああまたあの人悶えているのね。相変わらず情緒がないというか……ちょっとは恥を知ってほしいな。」
元暗殺者だった子がそれを言うのか?
「デュヘヘ。ごめんね。私とした事がちょっと枷が外しちゃったみたいだね。」
ちょっとどころか思いっきり素が出てたような…
「あのもう授業の方は終わりですか?彼を借りてもいいんでしょうか?」
「ああそうだったね。今日はもう大丈夫だよ。2人で遊んできても問題ないよ。」
「え!いや今の話の中で、どうしてそうなるんですか?カルミラは遊びに関して錬金しにきたよって言ってたんですよ。なのに2人で遊びに行くのは違くないですか。」
「子どもなら外で思いっきり遊んできなさい!大人のレディの言ってる事は言う事を聞くのが1番だよ。」
どの口がいうんだ。
ついこの間までアトリエに引きこもっていた人が何を言っているんだ。
後歳に関しても俺らと大差変わんないだろう。
「ほらほらラクト君いくよ!」
「ええ!いや僕まだ錬金したりないんだけど!」
「キュキュ!」
そういった所でコチラの話しを聞かないカルミラはまるで俺を連行するかの様にして連れていく。
後何故かボルスもついてくる。
※ボルスというのはこの間俺の試験の途中で懐いてきたボルテリアライムの名前でありついこの間妹がそう名付けた。
普通に女の子ならもっと可愛い名前にするかと思いきや単純だけどにカッコいい名前になったので俺と兄のセリダスは何ともいかんし難い顔をしながらどう反応すればいいか分からずにいた。
外へ連れ出された俺はカルミラに色々な場所へと連れ回され挙げ句の果てには買い物までせがまれながら村を色々と周される。
「いやいや錬金とかするんじゃないの!何か普通に買い物して遊んでるだけなんだけど!」
「違うよラクト君。コレは錬金する為の素材を買ってるんだよ。今日は是が非でもラクト君と一緒にある物を作りたくてね。それで一緒に買い物付き合ってもらってたんだ。」
「はぁ…でも何か色々な物を買ってる様に見えるんだけど、何を作る気なの?」
「それは一緒に作ってからのお楽しみって事で…」
そういいながら本当に嬉しそうにしてお店を見て回るカルミラに俺は少しだけ微笑ましく思いながらまぁいいかと思ってしまう。
「キュキュ!」
「あ、ボルちゃんも何か欲しいものあったりする?いいよ何がほしいの?」
何故かボルスがお願いしているかどうか分からない物まで買おうとしている。
本当にあの暗殺者だった頃とは思えないんだが…
そのまま買い物を終えた俺達は再びアトリエと戻りカルミラが一緒に作りたがっていた物を一緒に錬金をする。
「よーし!じゃあまずは……どうすればいいのかな?」
「いやそこからか!てっきり率先して何か色々と準備をしているのかとばかり思っていたんだけど。」
「えへへ〜作りたい物はあるんだけど、そこからどうやって構造すればいいかわからなくて…」
「作りたい物があるならそれを教えてくれればどうにかしてカルミラが考えてるような物を作れると思うんだけど。」
「ダメ!それはまだ教えられない!」
「だったらどうすればいいんだ。教えてくれなきゃ僕も手助けとかできないぞ。何かヒントみたいな物でもいいから僕にアシスタント的な事をさせてくれないかな。」
「う〜〜〜ん………」
すんごい唸ってる。
え?そんなに俺と何かを作るのが嫌なのか?
てか何で教えてくれないのかが分からない。
一緒に作ると言ってるんだから何かしらコッチにもする事があると思ったんだけど…どうやらまだ指一本触れてはいけないみたいな感じだし…本当にどうしたものか…
「キュキュ、キューキュ!」
「え?どうしたのボルちゃん。……この素材を入れればいいの?」
ポチャン!
カルミラはボルスの指示にしたがって色々な素材を混ぜ合わせながら工房の中へと入っていく。
「………うん?工房なんてあったけか?」
何かいつの間にか見知らぬ部屋ができていてその場所にはアクセサリーやら武器などが作れるアトリエができていた。
てかウチの工房って確かアイテムや小物武器みたいなのを作れるアトリエしかないはず。
ないはずなのに……
「あ!まさかモルティー先生か!」
ふと思いつく顔がモルティーしか思いつかず、あの人しか何かしでかさないような気がした為俺は溜息を漏らしながらそのまま工房の中へ入っていったカルミラとボルスの後をついていく。
「うわー!!すごーい!ボルちゃんって、錬金もできるんだ。モンスターなのに凄いね。」
「いやいやモンスターで錬金できるのはおかしくないか!それされると人間達の立場的に危うい気がするんだけど!」
ボルスは何故か満足そうな顔?をしながら胸がないのに無理矢理お腹を突き出してえっへんと威張りながらいつの間にかお腹の中に入れていたのか2つの装飾品をテーブルに吐き捨てる。
「おいおい、普通にスライムの中に入れていた物をそのまま触れるわけがないだろう。てかどうやってその2つのアイテムを食べたんだ。錬金もそんな直ぐにできるってのもおかしい話しだし……なんなんだお前は…」
「でもでも見てみてラクト君!私が作ろうとしていたアクセサリーそのものだよこれ。凄いよボルちゃん!」
「え?そうなの?」
カルミラが作ろうとしていたものそれがこのアクセサリーだったのか……何か腕輪バンドの様にも見えなくはないんだが…
「うんうん見た目に反して相当テカテカしてる部分はきっと磨かれた証拠なんだよねコレは…」
「確かにそのまま出してくるのなら、ベタベタしてるというのがセオリーだけど……ほとんど光沢みたいに輝いていてる。ある意味レア物感が凄いな。」
いやいや待て待てよくよく観察してみればコレって錬金すればするほど滅多に出てこないレアアイテムなんじゃないのか?
もしコレを売ったらとんでもない額になりそうな気が…
「はいこれラクト君に一個あげる。」
「え?コレを僕に?」
「うん。そもそも私とラクト君様に作った物だから気にしないでもらってほしいな。本音を言えば自分達で作れたら良かったんだけどね。まぁボルちゃんが助けてくれたから万事OKだよね。」
そうなのか?いやそうなのかもしれない。
もしあれだけの素材を買って失敗作なんて物が沢山出来上がったりでもしたら凹み具合が半端なさそうだしな。
「でも何でまたブレスレット?そんなに取り付ける物が欲しかったって事なの?」
「え〜とね。そうじゃなくて、ラクト君とは初めてのお友達になってくれたし、それに色々とお世話にもなったからそのお礼がしたくて…」
「そんなのいいのにたった数日間一緒にアトリエ工作をして楽しく遊んでただけなんだから…それにアトリエの楽しさをしってくれただけでもコッチとしては十分だよ。」
「えへへ、やっぱり優しいなラクト君は……私はあまりラクト君にお手伝いみたいな事はできなかったけれど、アトリエの教わり方や面白さを教えてくれて私はとても嬉しかった。コレなら心置きなくここを出ていけるってもんだよ。」
「そうか……え?ここを出ていく?どういう意味だ?」
「それは私から説明させてもらおうかな。」
「モルティー先生。」




