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村に戻ってきたというのに一息つく暇なく慌ただしい日常が来る。

そして、俺たちはこのまま無事に俺の故郷の村へと戻る。

試験という名目で向かったクリスタル洞窟だったのだが、まさかモルティーの暗殺を企む暗殺者の女の子が現れるとは予想だにしなかった。

しかし何とか無事に終わって、村へと戻る事ができた俺達は家族へその報告をする事ができたのだが…


「な、なな!?」


「え〜と、実はこの子も一緒に住まわせたらと思ってですね。その許可を…」


「ふ、ふざけないでください!なんなんですか!試験がどうのこうのと話していたのはアレはただの都合で女の子を引っ掻き回して連れてきたと言うのですか!」


「ち、違うよセピリアちゃん。ほらここにボルテリアライムもいるんだよ。」


「それも大問題じゃないですか!何でここにモンスターを連れてきてるんですか。頭でも湧いたんじゃないんですか!」


「ひ、酷い言われようだわ。コレは…」


「キュ〜キュキュ!」


ボルテリアライムはセピリアへ愛想よく振る舞おうとしているのか近づき動物の様に頭を擦り付ける。


「ち、近寄らないでください!モンスターの癖に人間に媚を売ろうなんて、何を考えているんですか!というか何で人間みたいに愛想振る舞おうなんて考えをもっているのですか!」


「キューー!!(がーん)」


あ、コレはショックを受けた鳴き声だな。

と言うより我が妹ながら、やたらとどきつい言い方といい相当疑いがでてるみたいだな。


「お父様も何か言ってくださいよ。モンスターと女の子を連れて帰ってくるなんて、試験云々の話しもしかしてでまかせをしてラクトお兄ちゃんにナンパでもさせてたんじゃないんですか。」


じゃあこのボルテリアライムはどうなるんだ?

俺はモンスターに懇願する程の女の子構わずにナンパしたとでもいいたいのかこの妹は…発想があまりにも酷い。


「ち、違うんだセピリア。僕はちゃんと錬金術としての試験を受けてきたんだ。ほらここにクリスタルだって…」


「く、クリスタル!?」


そう言ってポーチから一つのクリスタルを取り出しのだが、セピリアはそれをかさらうかの様な早さでぶんどる。


「こ、コレがあの貴重で珍しいクリスタルですか!もしかしてラクトお兄ちゃんがセピリアにプレゼントしてくれる為に取ってきてくれたのですか。」


「え、いやそうじゃな…」


ゲシ!


「いた!!!」


俺が否定しようとした途端。

何故かセリダスに足を踏まれ言葉を遮られる。


「そ、そうなんだよ。ほらセピリアもうすぐ誕生日だろう。それをラクトがセピリアは何をあげたら喜ぶかなと俺に相談してきたんだよ。で、俺がクリスタルをプレゼントしたら喜ぶんじゃないかって話をしたんだ。」


「え!?僕そんな事…」


ゲシゲシ!


「いった!!!!」


今度は二回踏まれながらその後に何故かモルティーまでもが杖で俺の腹をつつく。

な、何故そこまでして俺に打撃を与えてくるんだ。


「ふ〜ん。まぁ何でセリダスお兄様がラクトお兄ちゃんの代わりに言うのかはわかりませんが……やっぱりそうだったんですね。セピリア嬉しゅうございます。」


そう言ってセピリアは自分の部屋へと戻っていく。


「あ、ああ〜ぼ、僕のクリスタルが。」


「まぁまぁいいじゃないか。この場でのセピリアをおさめるのにはコレしかなかったんだから。許してくれって…それにあのサイズだとまだ持っていたりするんだろ?流石に1つだけって事は…」


「あのクリスタル1つだけしか入手できなかったんだけど…」


「………」

「………」


「まぁ次があるさ!次が!」


「さっきも話したけれどもうあの洞窟には暫く入れないと思うよ。」


「………」

「………」


「と、所でそのモンスターと女の子はどういった経緯でここに連れてきたんですか?」


スルーした。

こっちのクリスタル関連をスルーするつもりだこの兄。


「え〜と、何といいますか。ポッター様。ミシェリー様。不躾なお願いなのは重々承知しているのですがお願いしたい事があります。」


ポッターとミシェリーはモルティーの何やら訳ありがありそうな表情を浮かべているのを察しているのか上手く暗殺者だった女の子の素性を隠し話をする。


「という事でして、暫くこの村で滞在をお願いしたいのですが…」


「ううん〜なるほどな。行方不明になった弟を探しにわざわざあの荒野の場所にいて、そのまま倒れていたという事か……いいだろう。特別にその子を我が家の近くにある古屋ですごすといい、弟が見つかるまでの間そこで体を休めるといいだろう。」


「………」


暗殺者だった女の子は何処か罰の悪そうな顔をして本当にここに移住していいのような顔もしながらあまりいい気持ちではないという事だけは何となく分かる。


「ありがとうございますポッター様。それとこの子に関してなんですけど…」


モルティーはもう一つの別件。

ボルテリアライムの事も話す。


「うむ。ラクトに懐いてついてきたか……ならばアトリエにておいてやるといい。めんどうはラクトお前に任せるぞ。」


「ええ!本当にいいんですか。モンスターを飼うんですよ。それっていい事なんですか!」


「いいも何も敵意がなければただの動物にすぎん。お前が面倒をみてやればいいだけの話しだろう。もしくはあれか?何か不都合でもあったりするのか?」


「い、いえ。不都合というわけではないのですが…」


「キュ!キュキュ!キュ!」


物凄く嬉しそうにしながらスライムの癖にジャブを入れるかの様な行動をして喜んでいる。

コイツどんだけ俺と一緒にいたいんだ。

モンスターと暮らす事なんて考えた事もなかったぞ。

そんな事例はあのゲームでの⚪︎⚪︎クエストをしたぐらいでしかやった事ないから、この世界での育て方なんてわかったもんじゃない。


「キュ!キュキュ!」


よろしくとでもいいたいのだろうか、俺の足に手をつきながらうんうんと頷く。


「………キッ!」


そんなボルテリアライムに俺はメンチをきりながら睨みつけるとボルテリアライムはそのまま勝手にアトリエの方へと進む。


「いや待て待て普通に何でアトリエの場所がわかるんだ。ちょっと待てってば!」


自分の住む居場所を何故か把握するボルテリアライムに俺はその場を後にしてアトリエの方へ向かう。


「………」


「君もついていったらどうだい?」


「え?でも。」


「同年代近くの友達も作っておくべきだよ。ここに住むなら尚更ね。」


「………あ、はい。」


何を意図したのか暗殺者だった女の子もその場から離れラクトのいるアトリエの方へと足を運ぶ。


「……今の内にたくさん遊んでおくのよ。」


「さて、モルティー殿。コチラも話を聞かせていただきましょうかな。そなた、何か他にも隠している事があるのではないのですか?」


「さすがは元戦士様ですね。……はい実はおりいって頼みたい事があります。」


………アトリエ


「こらボルテリアライムどこに行った!勝手に動き回らないでくれ。部屋の中で勝手な事をされるとこっちが困るんだよ。」


「キュイ!キュキュ!キューー!!」


「何がキュイ!キュキュ!キューー!だ。楽しんでじゃないよ。」


声がする方にボルテリアライムがいるかもしれないと俺はその場所へいき床下に潜んでいるのかと覗こうとした瞬間。


ヒューン!

バコン!


「あだっ!」


思いっきり木の板が顔面にあたり後ろへ倒れる。


「キュキュ!キュ〜〜」


そしてボルテリアライムはまたもやアトリエを楽しそうに鳴きながら探索する。


ガチャ…


「失礼しま〜すってうわ…」


暗殺者だった女の子がアトリエの扉を開け中へ入ろうとするのそこは悲惨な状態となっており唖然としてしまう。


「あ、あの〜」


暗殺者だった女の子は物音がする方に向かって歩みを進める。

するとそこでの状況は…


「コイツ!コラ離れろ!」


ラクトはボルテリアライムが錬金術として活躍する石にへばりついてるの見て必死に引きはなそうとする。

しかしスライムだけのことあって、柔らかく弾力がありつつ中々に強情である為向こうの抵抗を緩めてくれない。


「はぁはぁ、何てやつなんだ。たかがスライム如きにこんな苦労させられるなんて……マジで可愛くない。」


「………」


「あっ……」


こっちをいつから見ていたのか、素の自分を見られてしまいやばいと感じた俺は冷静を取り戻しつつ暗殺者だった女の子へ声をかける。


「ど、どうしたの?こんな所にきて。何か僕に用事?」


「え?ああその、用事というよりかは何してるのかなって尋ねてきたんだけど…邪魔だった帰るよ。」


わざわざそんな事でここまできた…というよりそんな気を遣い方をして用事もなく尋ねるという事はモルティーからの何かしらの差し金できたんだろうな。


「大丈夫だよ。邪魔じゃないから。」


そういうと暗殺者だった女の子は足を止めコチラへと振り返る。


「アトリエに興味とかある?ってそもそも錬金術を嫌っているんだから好きじゃないよね。ごめん変な事きいた。」


「……興味はあるよ。ただ自分が錬金術を嫌いになってるだけだから、その辺気にしているなら気にしなくてもいい。案内とか説明とかもしお邪魔じゃなければお願いしたいかな。」


「はは、それなら案内しようかな。君には是非錬金というもののあり方を否定しないでほしいからね。」


「どういう事?」


「無理矢理覚えさせられた錬金。それが本人にとって本望じゃなかったとしても嫌いにはならないでほしい。錬金は別に戦いの為のものじゃなくてアトリエとしての錬金もあるんだ。だからきっと好きになると思うよ。」


ボルテリアライムを錬金道具で掃除機の様に吸引しながら話すラクトの言葉に暗殺者だった女の子は少し心がドキっとしつつ何か和らいだものを感じたのか…彼女はコクっと首を縦にふりラクトと一緒に錬金の楽しさを学んで錬金によるアトリエ見学がはじまった。

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