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トリュフ・クレッティー?

四つのレバーを上げるのにそんな要素なんかあったか?

俺の知らない要素が密かに追加されているなんて……こりゃあ早々に早いとここの場所をクリアしないと…


「私がどうにかして時間を稼ぐから君はそのままここにいといて、後でdelightが物凄い力でコイツをまかしちゃうんだから。」


そう言って、funはすぐさまに次元を超えた速度でヴォイアーク・デストロイに体を痛めつけながら動きを抑える。

次元を超えたスピードを出したとしも威力は差ほどそこまではない。

なので本当にパワーが足りない分全てがfunのスピードに全てを増す。

しかし……


グォォォーーン!


「唸り声をあげるほどダメージを与えているという事は…それほど痛いって痛感しているはずなんだが……本当どういった錬金術の構造なのかさっぱりだな。……受けてみたら分かるのだろうか……いや俺の場合脳震盪どころか即死だな。」


それにダメージを負わせる度に揺れる為俺自身もこの場に留まるのはキツい。


ラクトはそう思いながら何処かしらに避難するべきかを考えていると丁度sorrowがレバーを上げる位置の近くまでヴォイアーク・デストロイが寄っていく。


「!?」


チャンスだ。

コレならもう一つのレバーを上げる事ができる。

sorrowには悪いがこの場合俺が上げた方が1番手っ取り早い。

幸いfuryの方はもう少しでレバーを上げる位置にまで近づいている。


「よし!それならそれで…」


ズン!ズン!ズン!


全く何でこんな巨体で動きが活発なんだ。

大きいならもっとのっそりと動けよな。


そう心の中で愚痴を言いつつラクトはsorrowに上げてもらうレバーの方へとワイヤーガンを使う。


パシュン!

シューーーーーン!


そのままワイヤーガンの引き金を押して引っ張ってもらう様にして体ごと持っていかれる。

ヴォイアーク・デストロイはこのままfunとdelightに任す他ない。

後はラウラがどうしてくれるかだが……


「また勝手に動いてくれない事を祈るだけだな。」


ピコン!

デュン!


ブチ!


「な!?」


ワイヤーガンの噴出したロープを誰かが見えない何かによって切られる。

それによりラクトは地面へ落下していく。


「マジかよ。クソ!」


こう言ったための緊急用で持ってきたわけじゃないんだが……役に立てるとはな…


ラクトはポーチちから1つの折り畳まれた物を取り出して地面に向かって投げ捨てる。

畳まれた袋式についてるジッパーを開けそのまま下に落とすとそれは大きく広がりマットの様な形となりラクトの体を無事着地に成功する。


「あ、あぶね〜死ぬ所だったぞ。…というか何でワイヤーガンの糸が切られたんだ。まさか不具合があったのか……ってそう思えば1番いいんだけどな。」


ワイヤーガンの糸に向かって放たれて切られた謎の攻撃。

そいつが何処から攻撃したのかはさっき微かに見えた場所……


「攻撃してきたのは分かってんだよな。隠れてないで出てこいよ。」


正体は分からないが、明らかに俺がレバーを上げるのを拒否しやがった。

ここで全員心中させる為としか言いようがないわけだが…いったい誰が…


「あ〜らら。まぁ別に隠れるつもりじゃなかったのだけれど…死んでもくれてなかったのは残念かしらね。」


隠れていた所からゆっくりと前へ出てくる人影…その人影の姿は…


「と、トリュフさん?何で?」


「ん?ああコイツこう言った名前なんだ。まぁ別に気にはしてないからいいんだけどね。目障りな奴を始末すればいいだけだからどうでもいいんだけどね。」


口調が違う。

操られているのか?

でも何で…


「トリュフさんじゃないのか。いったい誰だお前。」


「んん?別にどうでもいいんじゃないかしら?どうせ直ぐに殺されるんだし、知る必要はなくない?」


「お前の体じゃないんだ。そのまま放っておけるわけがないだろう。」


「驚いた。この土壇場で自分の心配じゃなくて、相手の心配するんだ。変わってる奴だねお前…」


「それは良く言われてる事だな。……何でレバーを上げるのを邪魔した。トリュフの体を憑依した理由はなんだ。」


「う〜んそうだな〜直ぐに死んでしまうのも可哀想だし〜いい土産話でも聞いて死んでもらおうかな。」


「………」


時間稼ぎとまではいかないが……また違うアクションが起こってしまった。

コレも対処法を見つけないといけない。


「私がお前の行動に邪魔をしたのはただ1つ。ここにいる全員死んでもらう為だから。」


「そうすればお前自身も一緒じゃないのか?」


「あはは!笑える話しだね。私はコイツ自体をコントロールしてるだけにすぎない。私は別に関係ないしね。」


「……ゲス野郎だな。」


「あはは褒め言葉として受け取ってあげる。高みの見物で勝手に死ぬ人間達を見るのって最高じゃない?」


「……ゲス野郎ついでに聞いといてやるよ。お前はいったい何様で発言してやがんだ。」


「ああ?私は私だよ。見てわかんねぇのか?人間?……いや人間だからか…寧ろ馬鹿だからわかんねぇだろうな。」


コイツマジでなんなんだ。

さっきから発言が目障りを通り越してぶっ飛ばしたい領域だ。

こう言った状況じゃなきゃ…あの錬金術を使えばそれでいいんだが……トリュフの身体だから迂闊な事はできない。


「………人間人間って言ってるがさては源精霊か何かの類いか?」


「へ〜中々聡いじゃないの。ならサービスとして一つお前に教えてやろうじゃないのよ。私はその源精霊の更に超えた存在。…大精霊•アマテラスよ。」


「あ、アマテラスだと。」


確かに名前だけなら聞いた事のある存在だが…でもアマテラスは大精霊になる前に失敗したって、エスカが言っていたはず……成功したというのか?大精霊に…


「まさか、大精霊に上り詰めたというのか…」


「ふふ、まだ大精霊にはなっていわよ。その段階に持ち寄ったというだけの話し……本格的な大精霊になるには後少しの後押しが必要なのよ。」


「それがあの4人を騙してでもか?」


「騙す?何を言ってるのかしら?私はあの人達に導きを示しただけ……利用する分に当たってはお互い様よ。アイツらが私を利用して自分の夢を叶える。逆に私はアイツらを利用して、大精霊となる歩みを進める。……コレの何が騙しというのかしら?」


「お互い利用する分に当たっては対価がデカすぎるんじゃないのか?お前にリスクがあるとは到底思えないがな。」


「………やっぱりそうなのね。エスカがあなたの事を相当過大評価していたというわけだわ。」


「!エスカの事を知っているのか!」


「知ってるも何も私達精霊界の中でも数少ない知り合いよ。」


精霊界の中で数少ないか……エスカはあまり交友関係がないと言っていたが…アマテラスとは面識があったて言うのか……ヤバいぞヤバいぞ。

ゲーム情報とは全然違う形で傾向が進んでいる。

何がいったいどうなってこんな展開へと行くんだ。


「………へ〜そうなのか。まぁ色々とあるもんな精霊にしろ人間にしろ…」


「その悟った言い方腹が立つわね。やっぱりあなたを始末しなければ私の大精霊となる夢が潰えてしまう場合がありそうね。」


トリュフの体を操るアマテラスは片腕をゆっくりと上げながら俺の方向へ平手を向けてくる。

トリュフの錬金術は爆弾系の錬金術。

俺のワイヤーガンの糸を切ったのもその爆弾での錬金術。

しかしその錬金術を使うには少し模索が必要だ。

それをコイツはちゃんと理解して使えるかどうか……その前に俺がアイツの体を捻らせる。


ラクトは地面にたまたま転がっていた弾丸を拾いそのまま自分自身も錬金術を使う。


デュィーーーン!


「錬金術を使ったのかしら?だとしたら無駄よ。既にあなたはこの子の錬金術で体が吹っ飛ぶ様になっている。残念だけど…あなたは死ぬの確定よ。」


そういいながらトリュフの体を操るアマテラスが俺の側まで寄ってきて、俺の体に触れる。


「ふふ、私があなたの肩に触れることであなたは爆発する。残念だったわね。」


ガシ!


「え?」


ブン!

ドスン!


「かは!」


しかしトリュフの体を操るアマテラスはラクトの肩に手を触れた瞬間そのまま手を握りながら床へと叩きつける。


「な、な!?今何をしたの?」


そう意味の分からない事が起こった状況で自分の体が拘束されたかの様にしてラクトは片腕を使わせない様にして捻らせた。


「一瞬すぎて分からなかったか?だとしたら、大精霊という名はただの肩書きに過ぎなかったというわけだな。」


「ば、馬鹿にするな!」


トリュフの体を操るアマテラスはそのまま立ち上がりラクトに向かって手を伸ばそうとする。

しかし…


ブン!

ドスン!

ビュン!

バン!


「カハ!な、何で…さっきからどうしたと言うのよ!何でそう簡単に薙ぎ払えるわけ。単純に私の攻撃を回避してるってわけじゃないわよね!」


「ご明察。今俺がお前にやってるのは攻撃とかではなく薙ぎ払う力を使っている。けど今の俺にそう言った力は使えるわけじゃない。」


「まさか!錬金術を使ってるわけなの!でもお前にそういった芸当のある錬金術が使えるわけが…」


「使えないとでも思ったか?」


俺は手に持っている弾丸をアマテラスに見せる。


「な、何それ?銃弾を撃つ弾?何でそんなのがあるわけ?というかそれが何?」


「コレは俺の身体能力を上げてくれる弾丸だ。でもただの弾に過ぎない為コレだけでは意味はない。」


「じゃあどうやって……いや錬金術だとしても身体を向上させる力は稀に見る特殊な人間でしか使えないはず…だとすればお前は…」


「いいや俺は普通のそこら辺にいる錬金術師に過ぎない。しかもたかがアトリエ工房をやってる人間だ。そんな人間が他の優れた奴と比べられても意味がない。」


「……それなら何故。」


「俺にはアイテムを具現化してそれを脳内に書き換える事で錬金術を使う事ができる。言ってしまえば外法なやり方をしてるって事だな。」

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