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funとdelightの錬金術

ラクトは握りしめた包丁をそのまま錬金術を使って形を具現化させる。

その具現化した姿はまるで妖刀の鋭く鋼の様に尖った刃。

禍々しく解き放つその光は怨念を纏ってもおかしくない程紅い。


ズン!

ドシャン!


「な、何あれ…なんて嫌な気を放ってるの…まるで全ての物を無くさせる為の為に生まれた短刀。あんなの何処に隠し持ってたのかしら。」


ラウラは落ちてくる岩を薙ぎ払っていきながら粉々にしラクトを誘導させる。

そして…


パシュン!

シューーーン

クルクル!

スパン!


ワイヤーガンを解き放ちヴォイアーク・デストロイの角に向かって射出させる。

それによりぐるぐると巻きつかれラクトはワイヤーガンについてる吸引ボタンを押して引っ張られる。


「おお!何それ!いい物持ってるねクリューダルさん!今度私にもそれくださいよ!」


「い、今は黙っててくれるか!コッチとら真剣に集中しているんだ。そんな御託はいいからアシスト頼む!」


俺はお前達と違って、そんな優れた体を持ってるわけじゃない。

普通の並以下な体なんだ。

身体能力も半端なく凄いわけでもない。

だからもし何かしらインパクトのある物でも食らったら気を失うかもしくは死があるのみ…


「うわ!おいラウラ!ちゃんと岩の粉砕する時俺の方も気遣ってくれ!」


「いやいや君どんだけアクロバティックな体してないのよ。私でもそれぐらいちょいちょいと避けられるよ。」


岩を砕きながら平然と余裕をかまいだすラウラ。

だから根本的に資質が違うってのが何でわかんないだよ。

後何故自分が当たり前にみたいに言ってるのか理解に苦しむ。


「はぁ〜マジで怪力お化けなんだな。ゲームでやっていたよりも想像を遥かに絶する脅威…絶対に敵側に回したくはないな。」


「え?何か言った?」


ヒューーン!

スパーン!

ガラガラ!


何というか切れ味…まさに惚れ惚れするぐらいの切れ味。

いやこんな事を思って感想思っても仕方がないな。

切ったとか殴るとかぶっ壊すとかコイツにそう言った概念はなかった。


ヒューーン!

ストン!


ヴォイアーク・デストロイの上まで辿りついた俺はヴォイアーク・デストロイの角に向かって、先程生み出した妖刀を近づけ切る。


スパーン!


ゴゴゴゴゴゴ!


「…………ど、どうだ。」


ピシ!


「くっ!」


角を妖刀で斬ったのには成功した。

しかしヒビが入っただけにすぎない。

コレじゃあ致命傷とは言えない。


「仕方がない…もう一つの切り札を使って……!?」


しかしそんな事をさせる暇がないと言わんばかりにヴォイアーク・デストロイの顔が俺に向けて口を開く。


しまった!コイツには首を長く伸ばす事ができるんだった。


ギュイーーーン!!


「ま、まず…」


ピューーーン!


「くたばれ!化け物!」


スパーン!


ラウラは高く飛んで勢いよく鎌を横に向けて力をためながら振りかざす。

切れた鋭い音が全体に響きはする。

しかしヴォイアーク・デストロイはただ何かにぶつかった衝撃でしか起こらず口から放とうとしていたビームをとりやめラウラの方へ顔を向ける。


「あちゃ〜全然効かないわね。どんだけ硬い首をしてるのよ。グィーーンって伸びてたからもしかしたらと思って切れると思ったのに…コレじゃあ無駄骨ね。」


ブワーーーン!


「……た、助かった。けれど、今のおかげでさっきの切り札を落としてしまったぞ。しかも……」


ラクトはさっきの衝撃でポーチから取り出そうとした切り札のアイテムである弾丸の玉を落としてしまう。


「……くっアレがなきゃ体で起こせる時間軸バランスを起こせない。最初から使えばよかった。」


グワーーーン!


「くっいつまでもここにいられるわけがないな。」


良くても後3分ぐらいが限度だが……


「こうなったら、ラウラにお願いしてコイツの角を切ってもらう他ないか…」


「やれやれコレじゃあこのままだと全員地獄へ行ってしまうのが吉ね。」


「それでしたら私と…」


「funの力を頼って!」


ここでfunとdelightが自分達の力を頼ってと言わんばかりに前へ出る。


「funの力はね皆んなを楽しませる力でもあるんだよ。」


「え?どう言う意味?それって、何の役にも立たない力じゃない?」


「ああ〜funの言ってる事はあくまでもそう言った例えです。…彼女の名前通りに楽しませると言った形での力になります。敢えて言うのでしたら予想外な事を起こせるのが彼女の力…錬金術となります。」


「はい?どういう意味ですか?」


「見ててね。funの錬金術。スパーク•イリュージョンを!」


シューーーーー!!!

デュイン!

ドクン!ドクン!ドクン!


funから込み上げてくる湯気と猛々しく噴出するエネルギーの光。

それはまるで噴出した全ての光とエネルギーをまた再吸収するかの様にして自分に取り込んでいるかの様だが……それはどう言った意味なのか、ラウラには理解できていなかった。


「ふぅ…すぅ……よし!行ける!」


「どれぐらい持てますか?」


「ざっと、5分ってところだね!」


「……分かった。それじゃあ2.5分の間に私も力を使う。」


「分かった!じゃあ行ってくるねdelight。」


キュイーーーーン!

ドスン!


「!?え?」


な、何今のスピード。


それはスピードと言える程の速さだったのだろうか。

ラウラは彼女のあまりの速さに驚き…最早スピードという凌駕を超えていた。


「もしかして私よりも凄い力を持ってる?」


「いいえ。funは確かにスピードに関しては世界をも超える瞬足を持っている。……でもただそれだけ…スピードが速い=強いってわけじゃない。彼女の体は更なる速さで動けている。それは次元をも超える速さ…」


グラグラグラグラ…


「や、ヤバいって…く、あの弾丸さえ拾えれば…」


ラクトは未だに落ちていった弾丸をどうにかして探そうとするが、ヴォイアーク・デストロイの上に乗っている以上下から見える物は全て豆粒。

よってそれを探すのは困難なはずのに彼は諦めずにいた。


「……仕方がない。ここでボルテをdelightから呼び戻すというのも支離滅裂な気はするが…アレがなければどうこうすることもできない。」


しかしその瞬間ボルテを呼び戻そうと木工の試験瓶をポーチに取り付けていた所から取り出そうとした瞬間…


デュイン!

バシン!

ズバン!

デュシン!

ドン!


「あ!」


ヒューーン!

カン!コロコロコロコロ!


木工の試験瓶を落としてしまう。


「あ、アレがないとボルテを呼び戻せないぞ。というか今の衝撃はいったい…何か一回だけじゃなく数回ぐらい揺れたのとコイツに殴った様な感覚の揺れだったような…」


デュイン!

バシャン!


「その通り!funの錬金術なのだ!」


「………」


「funの錬金術、スパーク•イリュージョンだよ!」


グィーーン!


「いひゃい!いひゃい!にゃ、にゃにするの!」


「お前のせいか!!!!」


誰が予想していた事なのだろうか…funの錬金術スパーク•イリュージョンをこんな場所で使う要素なんて普通誰も思わないだろう。

なのにコイツは…本当に…いや待てfunがこの錬金術を使うとなれば…


「ま、まさかdelightもか!」


そのまさかでありdelightも自分の錬金術を発動させる。


デュワーーーン!


「私のはfunと違って時間がかかる錬金術だからさっき言っていた時間指定での発動はできない。でもその分私の錬金術は抜群に強いんだから!」


delightが錬金術を発動させているのを視認するラクト。

ラクトは顔を青ざめながらコレはヤバいと危機感を感じる。


「な、delightの錬金術はマジでまずい。今すぐdelightに錬金術を止める様に言わないと…」


「ええ!delightの力がないとコイツを倒す事ができないよ!」


「倒すのが目的じゃないんだよ。足止めするのが目的なんだ。俺のさっき言った事を理解していないのか?」


「???」


くっ!やっぱり四天王の中で頭の緩いやつだけの事がある。

俺の意図する事がコイツには理解できていない。

言葉で説明すれば分かると思うが今はそんな場合じゃない。


「というかお前…体の状態がおかしくなってるぞ。」


「ええ?どう言う…ジジ…所が?」


「自覚なしのなのかよ。……その錬金術体に負荷がかるんだろう。主に軸のズレ発生…次元の中で体を速く動かすには時空の流れの行動を早く動かす。それによって今自分が早く動けているのはその反動にすぎない……最悪ここから消滅する事になるんだぞ。」


「ええ!どうしてそんな事まで知ってるの!もしかして預言者か何か!」


なんかさっきもそんなやり取りもした覚えが……頭が痛くなってきたぞ。


「……はぁ〜funコイツを惑わす程度での戦い方でいいから、あまり自分の錬金術に酷使されないように動け……自分を消滅させたくなければな。」


「……うんわかった。だからたったの5分だけ動ける様にはなってる。それ以上は動けないから安心して……えへへやっぱり普通の男の子と話せると何だか嬉しくなっちゃうな。」


「言ってる場合かよ。時間的に全員猶予はないんだ。早いとこfuryとsorrowをレバーの所まで行かせないと……いや待てよコレならラウラとfunで残りの2つをあげてもらえばいいんじゃないか。」


「ぶぶーー!それはできません!」


っとここで何故かfunからのダメ出しを食らう。


「な、何故だ?もしかしてめんどくさくなったからとかか?」


「違うよ!あのレバーどうやら指紋みたいなので反応してるみたいなの…だから四つのレバーをあげるとなると…」


「……それぞれがやはり上げる他ないって事か。」


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