ラクトのルミナ達に対する今の気持ち
あのままアリシア達と別れてそれぞれの扉の方へと進む事になり俺1人だけで奥へと進む。
「ん?こんな道に螺旋階段なんかあったけか?……まぁひとまず進むとするか……おっとやべ、道中で話していたボルテの利用でこの神殿を潜らないといけない話しすっかりし忘れてしまったな。……でもアイツらの行く道は恐らくそう言った危害はないから大丈夫だとは思うんだけどな。」
「あら?何が大丈夫なのかしら?」
「うお!エスカ、か……え?ついてきたのか俺にわざわざ…」
「あまりにもお前達の仲間がお前に対して色々と揉めていたからコッチにきてやったのよ。まぁ私がいてもいなくてもお前にとっては意味のない事かもしれないけれどね。」
どう言った感情でどう言った気持ちでそんな偉そうな事が言えるのか…逆に教えてほしいんだけどな。
「はぁ〜まぁ別にいいけど…そのままついてくるならガイドぐらいしてほしいんだけどな。」
「ガイド?私が?」
「そうお前が…」
「どうして?」
「いやお前神殿に詳しいだろう?」
「だから?」
「いや……さてはお前俺の話し全く聞く耳持ってないな。」
「ふふふ、さ〜何の事かしら〜」
「言い方に浮き足立ってる喜びかたなんだよなそれ…」
「それよりもさっきの話しの言い方アレはどういう意味なのか聞かせてくれるかしら?」
「さっきのあれ?……ああボルテの事か…一応道中でアリシア達には話していたんだが…まぁエスカに話してもいいだろう。」
コイツ本当に人によって態度が変わるわね。
正直その話し方めんどくさくないのかしら。
「ロイゼとマーシャには話していなかったんだが、この神殿の奥の階層には毒が充満しているところがある。それには毒耐性を持つアイテムかスキルが必要。」
「だとしたらあの子達と一緒に行った方が良かったんじゃなかったの?」
「それもあるな。けど俺がここを通った道では恐らく毒が発生している場所になっている。逆にアイツらが行く扉の方では毒が充満していないはずだ。」
「はずって事はあくまでも消去法でコッチを選んだって事なのかしら?それだとただの運じゃないの?」
「前にも言ったと思うが、俺はこの世界を熟知している。勿論この第3神殿の事も頭の片隅に入ってる。」
あんだけ周回したゲームなんだ。
忘れたくても忘れられないからな。
とはいえここではスマホもなければ攻略サイトも見る事ができない。
何かしらの情報の誤りがある可能性だってある。
ちゃんと下調べしてからくるべきだというのは普通な事であり当たり前なのだが……この神殿で2回のイベントが起こる可能性がある為そんな悠長な事を考えてる場合じゃない。
「ふ〜ん。そうなるとやっぱり私はお前が1番の面倒な奴だという認識なのは間違ってはなさそうね。」
「なんだ?俺を殺すつもりなのか?」
「はは、まさかそんな事するわけないでしょう。何やらお前の目的は他にあるみたいだし…私の目的とはまた違った意味があるみたいですしね。……あんだけルミナ達の手伝いを拒んでいたにも関わらずわざわざ助力に応じた理由…それを私は知りたいわね。まぁ前みたいに仕方な〜くというのなら前と一緒なんだなって理解はできるけどね。」
察しが良すぎる精霊というのもコッチとしても面倒だな。全てを攻略した俺と違う輪廻の道先に関して観察できる精霊……ちょっとした形で意味は似ているかもしれないが…やはり面倒なものは面倒な展開だよなコレ…
「そうか。理解してくれているなら別に話さなくても良さそうだな。」
「いいえ話なさい。ここから先私があなたをサポートできなくなる可能性がある。それはルミナを見放したという話しの場合…私はお前を切り捨てでもあの子との接触を試みるわね。」
「言ってる事が矛盾してないか?俺を切り捨てでもルミナに会うのなら…自分自身で勝手にやってくれって話になるんだけどな。」
「何言ってるのよ。私のパスはあの子と繋がりがあるのよ。そして、それに準じるあの子はあなたに命の生命線をはらされている。そんな状況でお前に勝手な真似をされちゃ困るのよ。」
「成る程な俺に命の生命線を……ん?待て何の話だそれ…命の生命線?ルミナが俺にそんな契約をしたと言うのか?悪いがそんな記憶は俺にはないぞ。」
「……はぁ〜でしょうね。私自身も驚いてるのよ。あなたの中に流れる魔法錬金術…それとあの子と一緒にパスが繋がってる様になってるのよ。何処でどうやってそんな芸当な真似をしたのか…会ったら問いたださないといけないわ。」
ルミナにそう言った芸当というが…ルミナ自身も別にそこまで馬鹿じゃない。
自分の命だ。自分と同じ境界線に入るのと同じぐらいに相手の事を信じなければ命の生命線のパスなんて俺に繋げないはず。
しかもそれを感じ取れるのはルミナ自身だけ……俺の命を心配して繋げた?
いやでも結局のところ危ない目に遭ってるあっちが問題だと思うんだが……アイツが何を考えてるのかさっぱり分からない。
「ルミナに関してはひとまず保留だな。心配というよりかはそう言った疑問を抱くのも分からなくはない。でも俺が1番心配しているのはそこじゃない…毒エリアでアイツらがいるかいないか…そこだけが問題なんだ。」
「いたらどうだっていうのかしら?」
「勿論じわじわと命を削られてしまって屍になってしまうだけだ。……でもそれはそこにずっといればの話し…万が一毒を喰らって移動していたりしたらまだ命さながら生きている場合がある。……いやそもそもアイツらはしつこい部類のタイプだからな。死にはしないと思うから大丈夫だろう。」
まぁそこに行く気はさらさらないんだけどな。
俺がコッチの扉を選んだのは確かに毒エリアがある道という意味合いではあっている。
しかしこの神殿では既に2つ…いや具体的には3つになるのか……その中の1つだけが俺にとってはアイツらの前に会わしたくないのが本音だ。
あのブービートラップを仕掛けた奴等まだいればだけどな。
「ふ〜ん……信頼しているのね。」
「信頼?悪いけど、俺はそこまでのお人好しじゃないぞ。」
どの口がいうのかしら。
どの口が…
「………でもそう思われても仕方がないよな。あんだけ振り回されて、結局の所アイツらに助けてもらってる部分もある。信頼と言えば信頼なのかもしれないが……今の俺にはアイツらの事を信頼として見ているんじゃなく…概念として見ていると言った方がいいのかもしれないな。」
「概念?……意味がわからないわね。」
「まぁそりゃあそうだろう。何せ俺とアイツらでは資質と度量がまず違いすぎる。だから客観的に見る違いがそこなんだ。」
「レベルの話しって事かしら?」
「そりゃあ戦い方とか技量に関してはアイツらの方がスペックが高い。でも今はそんな話しじゃなく…単純に相容れない領域と言う話しだな。」
「???あなたの言ってる事がよく理解できないわね。」
「理解しなくてもいいよ。何せ俺はただのモブだからな。」
そうアイツらはゲームの中での主人公でありヒロインそしてヒーローなんだ。
それを俺はゲームとしてプレイヤーとしてやって見てきた。
言わば傍観者と言っても差し違いがない。
だからたった1回だけ…あの時だけは4人を指揮して少し誉れた。
でももうそんな機会なんて物はない。
ここからはアイツらがこの捻じ曲がった状態でこのゲームをクリアして行ってもらわないといけないんだ。
「……それにはまずイレギュラーの対処を進まなければな。」
「イレギュラーがなんですって?」
「!?だ、誰だ!」
しまった。
エスカと話していて気づかなかった。
後ろには気をつけていたつもりが完全にエスカという精霊に気を許して話してしまった結果……敵を背後に取られてしまった。
「クソ!灯りを消したまま歩いていたはずが…何で…」
「灯りも何も精霊様が目立ちすぎて、灯りなんて関係ありませんでしたよクリューダルさん。」
「は?精霊?……あ!」
コイツ俺にだけ気づかない明かりを灯してやがる。
そうかコイツはなっからそういう形で誰かについてきているのに気付いてどうでもいい話をしてやがったんだな。
……いや一部どうでもよくない部分があったりもしたりはするんだが…
「……というよりもまさかあなたがコッチにくるとは予想外でしたよ。……クローデルさん。」
僅かに暗闇で見えない姿がそのままゆっくりと持っていたランタンに光を灯して自分の姿を曝け出すアリシア。
その瞳には今にも憎悪というような感じでの睨み返されてる様に俺は見える。
「後ろからあなたの事をついて行って、少し罪悪感みたいなのを感じていたのですが……気が変わりました。」
ああ〜もしかして、今までの話し聞かれてた系かな?……全く色々と警戒が薄いよな俺って…
「え〜と気が変わったというのは?」
「あなたは私達の事を相容れないとか不釣り合いみたいな言い方をしていますが…それはたんなる壁を作っているだけなんじゃないんですか?」
「いやいやそんな事はありませんよ。僕が言うさっきの意味合いはそうじゃなくてですね。僕がプレデシアさん達と単に分不相応なって話なだけですよ。壁とかそういう話しじゃありません。」
「分不相応ですか。それならば先ずは正さないといけませんね。あなたと私達の関係を……」
「いや何でそうなるんですか。僕は別に…」
「御託は結構です。そもそも今のあなたには魅力を感じませんし男として嫌いではありました。しかし幽霊船の時は少しばかりあなたの事を認めてしまったという事があった為…私的に許せない部分があります。」
いやしるかよ。
単にそっちが妙な気持ちになっただけだろう。
俺には関係ない話だ。
けど、だからと言ってどうしたいってんだアリシアは…
「え〜と…だからどうしたいというのでしょうか?」
「勝負しなさい今この場所で…」




