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受付ギルド嬢・ラクトのアトリエに来る

マーシャの件についてまだ話したい事がありつつもお客様が来店してくる。

しかもそのお客様ときたら…


「ふふふ、ようやく見つけましたよ。」


何ともまぁ憤慨している姿をなされている受付嬢。

今後ルミナの仲間になるラウラ・メーリヒとその他の受付嬢さん2人が来店してくる。


「ど、どうもお久しぶりです。ど、どうかされましたか?」


「どうかされましたかですって?それはコッチの台詞ですよ!あなたギルドでの登録はしていて、住所が不定ってどう言う事なんですか!」


「住所不定?………あ!」


あまりに怒涛の忙しさすぎてすっかりその事を忘れていた。

ていうより以前ルミナ達にコチラの個人情報漏洩されたからひとまず偽の住所を作ってこの場所を誰にも特定されない為にしたのをそのまま元に戻さずにしていたな。


「え!ラクト君駄目だよ。ちゃんと住所を記入しなくちゃ……あれ?でも私が聞いた時はここの住所はちゃんと合ってたような?」


「は、はは…」


「笑い事ですか!ギルドに入ったのなら普通は住所を登録するのが普通なんです。ま・さ・か!それすらも記憶にないとか変な事で誤魔化すつもりはありませんよね?」


「いえ!決してその様な事は御座いません!」


「お、お兄ちゃんが礼儀正しく謝ってる。」


「やっぱり猫を被るといつもみたいな圧がなくてなんだか拍子抜けだよね。」


2人揃って同意見で頷きながらねぇ〜と相槌を打つ様に仲良くする様を見て、コイツら後で覚えてろという怒りしか湧いてこなかった。


「……まぁいいです。それを言いにここへ文句しにきたわけじゃないですからね。……この前の件についてお話があります。少々お時間よろしいですか?」


「この前の件?」


「はい。その件につきましては少々御内密にお話ししたい事がありますので何処か聞かれない場所に移動してもよろしいでしょうか?」


内密にするような話し?

俺そんな話し以前にしたっけか?


「は、はぁ…まぁ構いませんが………あ。」


そう言えばセピリアのやつ今日は店番できなとか言ってたな。

正直アイツの用事がなんなのかも少し気になりはするが……ここにアイツがいないと店番だれもできないしな。


「あ!それなら私に任せて!以前もラクト君いなくても店番できたし!」


「…………」


ヤバい信用できない。

あの時って、セピリアとアリシアがいたから問題なかったからお願いしたような気もする。

いや半ばズルズルと追い出された気がしなくてもないんだが…


「大丈夫。私もいるから…お兄ちゃんはお話しをしてきた。」


「……そ、そうか?それならお願いしても大丈夫か?」


「うん…任せて。」


内心心配でしかないんだが…まぁ2人いるんだし問題はないか。


「あ、それならば私達が一緒についていますよ。ご心配なくラウラ先輩とお話ししてきてください。」


そう言って俺の両手をギュッと掴んで握ってくるもう1人の受付嬢。

な、なんだ…やたらと積極的な子だな。

こんな子あのギルドにいたっけか?


「………成る程成る程。ラウラ先輩が気にかけるというものですね。」


「はい?」


「い、いえ!何でもありません。」


何だ今のどもりかたは……妙に気になる。


ゴゴゴゴゴゴ!


うっこの妙な圧みたいなのは…


ルミナとマーシャがコチラを睨みつけながら妙なオーラを発してる。

何か怖いからひとまず触れずにいよう。


そのままラクトとラウラはラクトが行うアトリエ工房へと移動する。


「へ〜ここがあなたのアトリエですか。……何だか埃臭いですね。」


「す、すみません。最近忙しかったものでロクな掃除ができなかったんですよ。」


「まぁ別にどうでもいいんですけどね。」


なら何故埃臭いとか文句を言ったんだ。

どうでもいいなら黙ってくれればいいのに……


「それよりもここで話すにしては狭すぎやしませんか?……もしや私をこんな音もしない場所に連れ込んであんなことやこんな事をする気なんじゃありませんよね。」


「はは、ないですよ〜〜」


俺は全くその気がないアピールをしつつラウラのセクハラ発言の言葉を流す。


「……その反応それはそれで何かムカつくわね。」


情緒不安定かこの受付嬢は……


「ひとまずそこのテーブルに腰掛けませんか?内密な話があるんですよね?」


「………え?ああ、話?…そ、そう言えばそうでしたね。」


「え?話があったからここへ来たのじゃなかったんですか?」


「も、勿論だすよ!」


だすよ?

何故動揺した?

何か緊張でもしているのか?

いやそんな風にも見えないんだけどな。


「………お茶でも飲みますか?」


「だ、大丈夫です。ほ、本題に入りましょう!」


「は、はぁ…」


よくは分からないが自分で落ち着きを取り戻したのか?それならまぁ大丈夫か……まぁ何が大丈夫なのかはわからないが…ちゃんと話せるなら問題はないな。


「まずはコレをあなたに返します。」


コトン!


返すという言葉にそのまま机の上に乗っける磁鉄鉱石。しかしコレは鑑定の為に受け取ったはずでは?


「え?どうしてコレを僕に?」


「コチラを調べた結果分かった事があるのです。あなたに言われた通りにして調べさせていただきました。……なんら無価値のないただの石です。」


「そ、そうですか……」


無価値の石ねー……まぁそう言う事になるか……この価値が上がるのって、何かしらの利益になる物を作ったら高値で買い取ってくれるんだよな。

しかもこの地区じゃそれは到底不可能。

ガランダル地区に行けば話は別になるが……今の所行く予定もここを離れる余裕すらない。

磁電鉄鉱石を見つけて喜んだのは色々と俺なりに何かしらの物を改良して作れるからなんだが……未だに3つしか作れていない。


「ですが、とある地区ではこの磁電鉄鉱石が高値で買い取っている情報を耳にしました。」


「え!それは本当ですか!」


「はい。」


「うわあ……ん?じゃあさっきは何で無価値なんて発言を?」


「この場所に関してはこの石に関して無価値なんです。何も生み出さないし何も利益にならない…そんなのただの石ころにすぎないですからね。」


成る程な。ここでの場所は無価値か…となれば俺が発展していって世に素晴らしい石なんだなって事を広げればいいって話しだよな。

それをするにはまず磁電鉄鉱石を扱う物を作らなければならない……


「………時にラクト・クリューダルさんお1つお聞きしたい事がございます。あなた今何かしらこの石で作った物はございますか?…いえ正確にはもう売りつけてるのがあったりするんでしょうか?」


「いえまだ物に関して販売はしていません。幾つかの磁電鉄鉱石はあるのですが、それを大量生産するにはこのアトリエには色々と足りない物がありますので…」


「成る程それなら良かったです。」


「良かった?いったいどう言う事ですか?」


「ふぅ…ここからが内密に話す事展開になります。今から言う事に他言無用でお願いします。」


「は、はい。」


ええ…何か嫌な予感しかしないんだが…今からでもやっぱり聞きたくありませんって断るべきなんだろうか…


サ…


テーブルに出される紙。

今度はコレを読めって事なんだろうか?


「…………!」


内容を読むとそこには磁電鉄鉱石で何かしらつくられた場合の予想で書かれたのが記入しており、更には高値で売れるという予想が綴られていた。

しかし単なるそれだけの話しだけではなく、もう一つ悪いお知らせについても書かれていた。


「認められない石による物や販売をされた場合地区や国に関係なく窃盗及び無断転売と見なされ罰金または懲役に課せられるだって……な、なんなんですかコレ?」


「その内容通りの話になります。私が磁電鉄鉱石に関して無価値と言ったのは本当にこの地区ではなんら役にもたたない石だからそう答えただけにすぎないんです。しかしとある地区ではその石はかなりの貴重品…尚且つ無断での販売や組み合わせた商品の販売は禁止されています。」


「それならこの地区だけで作ればそれでいい話では?」


「そうこの地区だけならではの話になりますが……それは本当にできる事でしょうか?」


「どう言う意味……は!そうか買った人は何かしらの最寄りで立ち寄って買った商品のいい所をオススメする。それがもしバレたりでもしたらその人も…」


「はい。叛逆罪とまではいかないかもしれませんが…その場で取り押さえられて独房に行かされる場合もあったりします。」


そんな制度のある街や村があったか?

どうにも腑に落ちないぞ。


「しかし言ってる事に関しては理に適っていますね。いくらクエストで入手できる石があったとしてもそれを乱用に扱ってはいけない。それをするには許可が必要。……つまりそれを僕にわざわざ忠告しにきてくれたと言う事なんですか?」


ラウラに関しては色々と世話を焼いてくれるという部分もあるし…それに今回に関しては俺に思うところがあったから内密的な話しをせずにはいられなかった。

やっぱりルミナの仲間になるやつなんだ…


「え?違いますけど。」


「え?違うのですか?」


あれれ?まさかの違った。

じゃあ内密な話しというのはいったい…


「この件に関しては確かに周りにバレては元も子もないという話にはなります。何せ私がわ・ざ・わ・ざ業務以外の事に手を出してまであなたの所にまできたんですから。」


そんなわざわざの言い方を露骨にアピールしなくてもいいんじゃないのか?

別に俺はそっちに何かを求めていたわけじゃないんだが…


「仕事の範疇じゃない要務をしてきてくれたから僕に御礼を言わせてほしいとかそう言う事なのでしょうか?」


「いいえ。本題はここからになります。」


そうか〜本題はここからか〜……帰ってくんないかな〜やっぱり。

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