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マーシャとエルゼそしてコルデリアの過去

人には人の生があり、生まれ持った才能を秀でて大人の人たちに自分自身の在り方を示してきた。

そんな私だから…うんうん嫌な自分だった。

何が悲しくて認められる必要があるんだ。

何が嬉しくて魔法が使えるんだ。

そんなのはただの紛い物だ。

だから私はあの村を捨てて自分の歩む道を選んだ。


……魔法があるとある村•2年前


「この村に私が求める物はなに一つない。それならば…本で得た知識通り私は私としての道を歩むまでだ。」


パタン!


マーシャは1つの本を読み終えて今の自分を憤りを感じだす。


「この村にいたら私自身が崩壊しちゃう。もうこの村にいるわけにはいかない。既に何人かの魔法使いがここから出ていったんだ。本来なら12歳から出るのがしきたりみたいにはなっているけれど、ここいても真新しい事なんてない。だから出ていこう。うん!」


「ま〜しゃ〜〜」


そう意気込みを決めた瞬間遠くから誰かの声が聞こえてくる。


「ま〜しゃ〜〜」


「あっコルデリア。」


「ま〜〜うわ!」


「あ…」


コルデリアは運悪く走ってる途中に道端にある小石に躓き肌にこけてコチラへと転がってくる。


「………うっうう。」


「だ、大丈夫?」


「だ、だいじょばない。」


「あ〜あ。」


コルデリアはあちこち怪我をして顔も泥まみれになりつつ半泣きな顔をする。


「ああ〜もう何やってるんだか…」


マーシャは、泣き崩れたコルデリアに軽く杖前に振る。


キランキラン!


「うわ〜痛くなくなった!凄い!」


「凄くなんかないよ。こんなの初歩の初歩でしょう。」


「ううだって私まだ上手く魔法なんて使えないもん。」


「……努力すれば誰だって、できるようになるよ。私なんかよりもコルデリアの方がよっぽど凄いんだから。」


「え?私にそんな魔法なんてないよ。」


「自分が知らないだけでコルデリアには私よりも良い魔法があるんだから。」


「???そんな魔法私知らないよ。」


「その内分かるから大丈夫だよ。」


私にはなくてコルデリアにはある魔法。

それが自分自身じゃ気付かない魔法。

でもそれは本当にある魔法じゃなくて、自分がいつのまにか周りに影響されるような魔法。

私にとってはあなたの魔法が1番羨ましいと思った。

でもそれは絶対に叶わない。

私とコルデリア…1番仲がよくてまるで姉妹の様に接している私達には絶対に相容れない魔法がある。

それが……遊楽(まほう)絶望(まほう)なんだ。


……魔法学園


「……あっ!」


ズサーー!


クスクスクスクス


「くっ!」


ある休み時間。マーシャが本を返そうと図書室へ向かおうとしていた時誰かから足を引っ掛けられる。

それを見ていた連中はクスクスと笑いながらマーシャの事を蔑むかの様にして嘲笑う。


「あららごめんなさいね。つい足が滑ってしまって…」


「滑る?明らかにかけられたんだけど。」


「はあ?証拠でもあるわけ?それを見ていたという奴等がここにいるの?」


明らかに見ていた奴等は複数人いる。

しかしそれをまるで無視するかの様にして見て見ぬふりをする。


「………」


「ほ〜ら。だ〜れも見てないでしょう。はい証拠はない。ふふコレで私があなたをこかした確定的な場面はないって事ね。」


「……へらず口を。」


コイツの名前はシルベリア•バッファム。

魔法学園でお嬢様として特例で入った女。

正直努力してない奴がこの学園に入ろうが入らまないが私にとってはどうでもいいけど、コイツに関しては別…周りからはただお金持ちで逆らえば自分の地位が危うくなるという状況を作りたくないだけ。

だからこの学園の奴等は嫌いなんだ。

ロクな魔法なんて使えやしない。

いや違う…魔法すら使えない。

この学園で使える魔法は私を含めてたった数人しかいない。

魔法の知名度は明らかに減った。

だから表側に出ない人が多い。

私は一足早くここを出たい。

この学園が嫌いだから。

そう心の中に呟きながら制服を正して立ち上がる。

すると…


「いやいや何で立ち上がるわけ?お前はそのまま地面に這いつくばるのがお似合いなのよ。」


「くっ!コイツ。」


完全に私の事を馬鹿にしてやがる。

でも学園での魔法攻撃は御法度。

何人たりとも発動してはならない。

それを分かってコイツは私の事を貶してくるは嫌がらせをしてくる。

本当にいけすかない奴だ。


「ほらほら〜どうしたのよ。」


シルベリアはマーシャの頭をぐいぐいっと押し込みながら自分が地位の上と言わんばかりに上下関係を示してくる。


「………」


あ〜もういいかな。

殺意がどんどん増してくる。

何で私がこんな目にあわなきゃいけないの。

心が感じ取れる魔法があるせいでこんな目にあってるんだとしたら…私はこの魔法を嫌う。

そして、今私のもう一つの魔法それを使えばコイツなんてふっとば…


「こらあ!!何してるの!」


「ああ?」


「!コルデリア。」


虐められているマーシャに駆けつけるコルデリア。

そんなコルデリアに周りやシルベリアは貶む目で睨みつける。


「はは、底辺な奴がコッチにきたわよ。ほらアンタ達そいつをとっ捕まえな。」


ガシ!

ガシ!


取り巻きとされる女子2人がコルデリアの片腕ずつ抑えながら動かせないように引っ捕まえる。


「くっ!話して話しなさい!自分達が今何をしているのか分かってるの!コレはただの虐めなんだよ。いったいマーシャが何をしたっていうの!」


「凡人以下は黙ってなさい。底辺風情が…大人しく隅っこの方にでも行ってなさい。」


コルデリアはマーシャの名前を叫びつつ呼んでも届かせない場所へと連れていかれ…取り巻きにぼかすかと殴られる。


「こ、コルデリア。」


「大丈夫。あなたもアイツと一緒にしてあげるから。」


マーシャは受け身を取りつつ足で蹴ってくるシルベリアの攻撃をカバーして防御しながらすこしでもダメージ軽減をする。


ゲシゲシゲシゲシ!


「くっ…うっ!」


「こ、コイツ魔法でダメージを軽くいなしてるな。それならとびっきりの蹴りで…」


「あなた達何をしているのかな?」


「は!サディスティン・エルゼファアール先輩!」


「……」


「あ〜あ〜こんなになっちゃってまぁ…大丈夫?怪我はない?……ってこんな風にされて怪我がない事はないかあははは。って笑ってる場合かっての!」


突然で1人語りをしながらツッコミだすエルゼ。

それに対して周りの空気がさっきとはうってかわって和らげる。


「そ、その〜サディスティン先輩どうしてここに…」


「ん?いや〜たまたま何か騒ぎが起こってるのを聞いてね。それで何やってるのかなって覗きにきたのよ。そしたらあ〜ら不思議なにやらどんちゃん騒ぎしているじゃないのよ。いったい何のイベントかなって気にして覗きにきちゃった。」


「は、はは、そ、そうだったんですね。そ、それならサディスティング先輩もやってみますか?」


「え〜本当!ありがとう。いいの?私何かが参加しちゃって。」


「も、勿論ですよ。楽しいイベントは皆んなで楽しまなきゃ損じゃないですか。」


そうだ。

私は何を怯えている。

この人は確かに魔法に関しては先輩だけど…そこまで地位のある人間じゃない。

寧ろこういった物遊びができる奴が仲間になれば私としても利用価値がある。

ここはコイツも私の取り巻きの中に取り入れて…


「そうだよね〜みんなで楽しまなきゃだよね。あ!因みにあなたの名前聞かせてもらってもいいかしら?」


「!そ、そうでしたね。まだ名乗っていませんでした。私の名前はシルベリア•バッファムです。以後お見知りおきを…」


「あははは。そんな頑なにしなくても大丈夫大丈夫。私一度覚えた名前は忘れないから。」


「そ、そうなんですね。そ、それは何とも光栄といいますか。」


「うんだからね。コレからあなたを見かけたり誰かがあなたの名前を呼ばれたりする事があれば…その時はあなた自身が不幸になるというのを忘れないでちょうだいね。」


エルゼはそうシルベリア•バッファムの耳元に囁きながら笑顔のまま声のトーンを重くする。


「は、はは、そんなお化けが出るような脅しは勘弁してほしいですね。」


「そう言う風に聞こえる?」


「き、聞こえますよ。だってそれって、もはや脅しなんですもん。それにここに関わってる人達はみ〜んな私の友達なんですよ。今やってる行いだって友達として仲良くなる為の行為なんだから、先輩はまだ気にしてるだけなので何も知らないだけですよ。」


「あははは、そうかそうかごめんごめん。それなら私のせいだね。……まぁそんな友達がいる時点で私からしたらクソつまらない奴等なんだなって思うな。」


「く、クソですって…」


「あら?違ったかな?だってそうでしょう?この子を足蹴りにして一緒になって嘲笑う。そんなのくだらない友達以外の他になにかあるっていうの?」


「……は、はは、そ、そうですよね。私もそれは思ってたんですよ。正直…こんな事をする提案をしたのも…その友達が提案したというか…やっぱりやばいですよね。こんなの…」


「…………」


エルゼはつまらない顔をしながらそのまま彼女の前をスルーしマーシャの方へ近づき立ち上がらせる。


「じゃああっちに行って一緒お昼行こうか。」


「え?でもまだ後1限残ってるし…それにコルデリアが…」


「コルデリア?……ああ!もしかして個室に連れていかれそうになってたあの子かな?それだったら大丈夫大丈夫。先に待ってる様に促したから今待っててもらってるよ。よかった。あの子もあなたの友達だったのね。」


「え?…ああ、うんそう。」


「君は真面目だね〜何をそんなに忙しくしているのか…とりあえず一回休んだ所で支障はないでしょう?それにこんな感じ授業を受けるのもね〜」


そう言葉を濁しながら辺りを見渡し最終的にシルベリアの方へ視線を向ける。


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