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キーストーン

コルデリアの体が保存できたとしても…エスカが救えるかもしれないという例えを言い出した時…その期待だけでも僅かに持つ事ができる。

その可能性だけでもマーシャに伝えられれば今後どうするかの揶揄の方向性が変わるかもしれない。

それがルミナ達と仲間になる未来として…


「私が話せるとしても可能性というだけの話よ。コレがどうとらえるかはお前次第。それでもいいなら聞かせてあげるけど。どうする?」


「……聞かせて。私を殺そうとしたというのに殺意がないと言えば嘘になる。でもそれでも私の幼馴染だからコルデリアはこの手でちゃんと復活させたい。」


「いや死んではいないからな。今はただ凍結させているだけだから。」


何故かコルデリアを殺してしまったという認識になって復活させるという意気込みをするマーシャ。

絶対ここにコルデリアがいたら勝手に殺さないでよとか言いそうだな。


「ふむ。まぁそこまでいうなら言わないであげなくもないわね。……あの子を助けるにはまずキーストーンを集める必要があるわ。」


「………キーストーン。」


「そう。キーストーンには有りとあらゆる力が宿っている。それすなわち…どんな万病でも治せる。自分の力の向上も可能。勿論世界の繋ぎ目である輪廻を掻き回す事だって可能。そして……自分の願いを叶えられる事だってまた然り……キーストーンはそういった万能の力が備わっている。」


「知ってる。古文書で見た。キーストーンにはそんな信憑性もない物について色々と書かれている。そんなの眉唾にすぎないと思っていた。でもお兄ちゃんと一緒にあの神殿にあったキーストーンを見て確信した。……あれは危険な聖遺物だって事が…」


「あら?どうしてそう思うのかしら?私は別にそれが危険とは言ってないわよ。キーストーンには有りとあらゆる万能の力が備わっていると言った。それをどうして危険な聖遺物と認識したのかしら?」


「精霊様だからそう思うだけかもしれない。でも人間にとってそれは触れてはならない物。その石に触れれば恐らく我を見失う可能性がある。」


「いやでもマーシャ。キーストーンはアイツらが集めている物でもあるんだ。アイツらがそんな物を求めて旅をしているとは到底思えないぞ。」


そう。ルミナ達にそう言った願望はない。

ただ単に遺跡の中に入る為にキーストーンを集めているだけにすぎない。

でもルミナ達は最後にこのエスカに騙される。

まだその段階にまでは至ってないのが吉だが…俺の知らない情報もある場合がある。

エスカがルミナを利用するなら俺もコイツを利用する分には悪くないはずだ。


「……それはそうかもしれない。でもそれってさ…ただ単に何も知らずに集めてるだけなんだよね?普通どんな石なのか気にしたりするんじゃないの?こんな事いうのも失礼かもしれないけど、精霊様が言っていたからはい言う通りに動きますなんてザラな行動なんてしてたら自分達の足元を見られちゃうよ。」


まぁマーシャの言い分も分からない事はない。

普通は疑り深くなるものなんだが……このゲームの世界でしかもルミナという主人公はただ単に無垢なんだよ。

そして言い換えればこうとも言う。


「ふふ、確かにそうね。私の言葉を信じるなんて、ただの馬鹿に過ぎないわ。」


言っちまったよコイツ。

諸悪の根源たるコイツが堂々と正論ぶちかましてんじゃねぇよ。


「まぁそういった純粋差があの子のいい部分ではあるんだけどね。私にとってはいい素材(・・)だと思ってるわよ。」


「素材?ルミナは素材ってどう言う事?」


「ああ妙な言い方をして悪かったわね。単純にあの子の錬金術レベルが高いって話をしたのよ。それもお前なんかよりも数倍凄い逸材なんだから。」


「!?どう言うこと…私とルミナはそもそも使う力が違う。それを比べられても困る。」


「はあ?何を言ってるのかしら。そんなのいったい誰がいったの?この世界における魔法と錬金術の力が違うから比較されるなんておかしいと思ってるのかしら?……は!片腹痛いわね。お前がそんな卑屈な心持ちを持ってるから上手い形での魔法が使えないんじゃないのかしら?」


「な、何で私が蔑む様な形で言われなきゃならないの。ただ私はキーストーンの話しをしていただけ…それでどうして、そんな風に言われなきゃならないの!」


マーシャはエスカに言われて腹が立ったのかいつもとは違った雰囲気でエスカに込める物言いの力が強くなる。


「いやいや私にとってお前は精霊様の類いなのよね?なら話をそのまま受け取るというのが正解なんじゃないのかしら?話の腰が逸れてしまったと思うならそれは大きな勘違いよ。」


「な…この意味の分からない話の流れでどう共通点があるわけ?絶対関係ない話だと思う。」


「なら私が前の話と今の話しを共通させる点を結ばせてあげる。…と言っても全然長くないはなしだから…よーく聞いておきなさい。…私が今お前とルミナの力がルミナの方が上と私は言った。しかしお前はキーストーンと関係のない話しだとそう言った。だけどそうじゃない…キーストーン=魔法と錬金術…コレらには点と点を結ぶ共通点がある。それが…」


……この話し俺には意図できる。

そもそもずっと先の話しで聞かされる話しだ。

それをここでマーシャが痺れを切らしてしまって話の腰が折れているわけじゃなくその利点となる部分がある事に気付いていない。

それは当然の事だ。

なにしろまだこの段階では明かされていないんだ。

キーストーンと錬金術と魔術コレらが一体化とする部分それは…


「コスモダウナー。」

コスモダウナー


「コスモダウナー?」


「ええ。私自身この世界についてそこまで関与する程あまり詳しくはなかったのだけれど…キーストーンは主に私が関与している物…その中でこの世界と関係しているのが錬金術と魔術。そして魔法は昔の魔法使いが錬金術を生ませた。それなら錬金術と魔法がこの世界に具現した事でいったいどうなると思うかしら?」


「……!?キーストーンが発生する。」


「そう。この世界にキーストーンが神殿に納められているというのはそう言う事…」


「けどじゃあ何で四つのキーストーンが神殿に納められているの?1つのキーストーンだけでも十分にヤバい感じがするんだけど…」


「1つのキーストーンって言うけれど…そのキーストーン自体があなた達人間にとってどれだけのリスクがある物と思っているのかしら。私はそれを手に入れる為にこの世界に具現はしているけれど…お前達人間はキーストーンをあまりにも乱用しすぎた。その為にキーストーンの力は分割されたのよ。」


「!?それじゃあ神殿の中にある1つのキーストーンがあらゆる力を秘めているんじゃなくて、四つ合わせて本来のキーストーンの力が発揮するっていうわけなの?」


「ふふそうなるわね。ただ万能とされる力が四つに隔てた事によって、その分けられた力は低下する。でもその低下した力でもある程度の考慮ができるわ。」


「考慮?それって一応力が使えるって事?」


「そうなるわね。」


「……ん?待ってそれがいったいどうしたって言うの?」


まぁそうなるよな。

今までの話の中で急にそんな隔てたとかどうとかの話しされたら誰だって意味が分からないって話になるよな。


「ふふ、察しが悪いわね。私は何も全てのキーストーンが必要なんて発言はしていない。キーストーンを集めればとそう言ったのよ。」


「じゃあ今あるキーストーンでコルデリアは治せるわけなの?」


「ふむそうしてあげたいのは山々なんだけどね。少なくとも後1つあればあの子の状態を軽減させてあげられなくもないわね。」


「後1つ…」


「でもお前はキーストーンがヤバい物だというのを認識している。コレがお前にとって今後どう認識していくか……色々と考えておくべきね。」


コイツ俺にはそんな事一言も言ってなかった癖に平然とそんな情報を出すとは……でもまぁキーストーン1つの力が分散されたその中での話は確かにその通りだ。でも3つあればコルデリアのあの呪いを軽減させる事ができる。……言い方によれば治せるとまでは言わない。キーストーンを集める口実ないい方にしか俺は捉えられないが……俺はそんな事はともかくコルデリアをそのまま死なせずにどうにかする方法を探さないといけない。……いや違うなそれを探しただな。俺の前にいた日本の知識を糧にして…


「……分かった。色々と面倒な話をしていたけれど…最悪そういった事になるのなら致し方ない。……正直私の中で覚悟をしたからね。」


「覚悟?」


「うん。でもそれはまずはコルデリアの体が今後どこまで保つ事ができるかそれをしってから話そうと思う。覚悟は決めていたけど、正直コルデリアの体がどこまで保つのかこの後の状況次第にはなるけどね。」


「ああ、それなら多分問題ないはずだ。多分ガイウスが今日中には完成させられるんじゃないかな?」


「え?嘘でしょう。アイツにそんな鍛治スキルがあったって言うの?」


「マーシャはアイツを過小評価しているかもしれないが俺にとってアイツはかなりの強者だと思っているぞ。なんなら様子を見てみるか?」


「お兄ちゃんが言うなら…そうしようかな。」


「ふむ。話は終わりでいいのかしらね?」


「ああ。コルデリアの事に関してはひとまず保留だな。残りの2つ内1つのキーストーンが手に入れる段階になったらまたルミナ達が知らせるだろう。」


「あら?あなたはそれに対して他人事なのかしら?」


「少なくとも俺は他人事で話させているな。何せただ無理矢理関わらせられただけだからな。」


「やだやだそんなに力んでまで自分が被害者みたいな発言いやだわ〜女々しいったらありゃあしない。」


「はいはい何とでも言えっての。」


俺は軽く手でさっさと消えろと言わんばかりの仰ぎをしながらエスカを追い払う。

エスカはそのまま亜空間の中に消える。


「全く。どいつもコイツも俺の事をなんだと思ってるんだ。」


「……」


そうか。お兄ちゃんはルミナ達の仲間じゃないんだった。

……え?だとしたら私がもしコルデリアが元気になったその時がきたら今の関係性ってどうなるんだろう。

そう考えたら少し先の道が怖くなってきた。

……人の心が感じ取れる力がこう嫌になるなんて思いもしなかったかも。

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