ガイウスの鍛治の錬金術とルミナの錬金術
それから数日が経ち。
俺はひとまず、磁電鉄鉱石で作る為の長い横長の箱を作る。
まあコレがなにを意味するかはこれからここにくる2人が来てから説明する事となる。
「ラクト君!久しぶりね!元気にしてたかしら。」
「まぁ一応はですね。」
「ああ、因みにアリシアなら大丈夫よ。あの子はちょっと別件で用があるから、ここには来られないって。」
「……そう。それなら大丈夫か。」
「……ラクト。これはいったい何の箱なんだ?見た目からして人が入りそうな箱みたいだが。」
「察しがよくて、助かるよ。そのとおり。ここに人が入れる大きさとして俺はこの箱を作ったんだ。」
「もしかして、コルデリアをここに入れるためか?」
「そう。だけどただ単にいれるだけじゃ意味がない。その為に色々とこの箱にはある細工をしなければならない。」
「細工?いったい何の細工なんだ?」
「箱の中に磁電鉄鉱石を組み合わせている。それによって自動的に永遠に電気共有をさせたいんだ。」
「は?電気共有だって?何を馬鹿な事を言っているんだ。そんな芸当な真似できるわけがないだろう。」
「ああ。大変な奴ならそういうだろう。でもそれがガイウスとルミナにはできるんだよ。」
「俺達がか?」
ガイウスとルミナは顔を見合わせながらそんな事ができたの?と言わんばかりの顔をする。
「信じられないかもしれないが、コレから俺が言うやり方通りに錬金術をやってほしいんだ。」
「いや鍛治の錬金でお前に何か分かるのか?」
「細かい工程差は分からない。けれど、一部分の指摘はできる。例えば鍛治は鍛治でも鍛治でやる部分に起こるハプンニングを防がせる事ができるとかがガイウスの事をサポートしやすいんじゃないかと俺は思う。」
「いいや。そんな事はできないはずだ。こんな事を言うのはお前にとって気が悪くなるかもしれないが、鍛冶師を舐めるなよ。いくら錬金術師の素人がたかが何かの本やちょっとやったぐらいのかじったていどでなんとかなるもんじゃない。それがお前みたいな凄い裏技を使ったとしてもな。」
「……そうだな。お前からしたら確かに俺に言われるなんて、いったい何様なんだよって思っても仕方がない。……だけど今回だけでいい。今回だけ俺の指摘した部分をやってほしい。その書いた物があるから読んでくれないか?」
ガイウスに俺が鍛治スキルでやる事ができる一部の工程差が書かれた紙を渡す。
それをガイウスは読みながら驚いた顔をもした。
「……お前こんな仕組みどうやって…」
「鍛治スキルに関して確かに俺は詳しくない。けど要点として伝える事はできる。仕組みもただの俺の想像に過ぎない。それを実行できる事がいけるとしたら、ガイウスお前なんじゃないかとそう思っただけだ。」
「………やれるだけのことはやってやる。」
「いや絶対に成功させてほしい。」
「……ふっそうだな。確かにここで中途半端な形で無理と言ってしまったらコルデリアが死んでしまうんだもんな。うし!じゃあ早速作業にとりかかるか。」
「ありがとう。セピリア。」
「はいお兄様。」
セピリアはガイウスが使う鍛治用の物を一式用意していたのか、近くの棚を開いてその動画をガイウスに見せる。
「おいおい…こんなものいつのまに…」
「あらゆる鍛治で使う物を用意してある。何か足りなければ俺が急いでつくる。」
「!?まさか例の錬金術を使ったのか?」
「いいや。普通に物を作り出せるやり方での方法でやっている。イレギュラーなやり方は今はやっていない。」
「…そ、それならいいんだけどな。一応忠告はするぞ。無理はするなよ。」
「コレから無理をするかもしれない奴に言われてもな。……ガイウス。お前の鍛治スキルでやれる範囲でさっきの書いた奴を見せた。でも可能性としての話をつぎ込んだだけだから、万が一やばくなったら中止しろよ。」
「は!俺を誰だと思ってるんだ。将来有望な鍛治職人だぞ。俺を甘くみるなよ。」
ガイウスは意気揚々にしながら棚に入ってる鍛治の使う動画を品定めしながら作業にうつる。
「ガイウスはひとまず大丈夫そうかな。」
「いいな。ガイウスあんなに頼られて…」
「そうでもないぞ。次はルミナの番だ。お前にはお前にしかできない事がある。それをやってもらう。正直言ってガイウスよりキツイ可能性がある。それをどうやるかはルミナ次第だ。」
「わ、私次第……え、ええ!勿論やってやるわよ!」
「根気十分だな。それじゃあルミナはコッチにきてくれ…俺の部屋で見て欲しい物があるんだ。」
「ええ、分かったわ。……え?ラクト君の部屋?」
え?え?な、なんで。
何でラクト君の部屋にお呼ばれされちゃってるの私…もしかして、もしかしてだけど、ラクト君…わ、私とそう言う関係になりたいって事なのかしら!
………ラクト達が出た後のガイウスとセピリア
「おいおい何でルミナを連れて、アイツの部屋行かされてんだ。もしかして、ルミナの力を借りたいと言う口実になにかいけすかない事でもしようとしてんじゃ…」
「そんなわけないじゃないですか。……はぁ〜そんなくだらない妄想なんてしなくていいので、早いとこ準備に入ってください。」
「いいや!やっぱり気になる。気にはなるが…ぐぐ、アイツに頼まれてしまった以上ここを離れるわけにはいかねぇ。……妹さん。アイツらの様子を見に行ってくれねぇか!この通り!」
この人なんて邪な気持ちを持ってるんでしょうか。
こんな人にお兄様が作った物を触れる事を考えると頭が痛いです。
「分かりました。様子を見に行きますので、ガイウスさんはお兄様が言われた通りに仕事をこなしてください。」
「気には掛かるが……いや妹さんの言う通りだ。取り掛かって気を紛らす他ないか。」
と自分に言い聞かせながら作業に入るガイウス。
ガイウスは色々な鍛治道具を見ていたが、何やら今は使う感じでは無さそうでありそのままラクトが作った長方形の箱へ向かい端っこから端っこまで鮮明に様子を伺う。
ひょこ!
な〜んだ。
怠けてやっぱりや〜めたとかいいそうな雰囲気だったのに、普通に作業始めちゃうんだ。
あのままお兄ちゃん達の様子をみるのも大事だけれど…やっぱりコッチが心配だな。
お兄ちゃんの方は何もないとは思うんだけど、一応お兄ちゃんからは見ておいてくれるかなって言われてるしな。
うん。ここは我慢我慢。
セピリア。ラクトお兄ちゃんの命令は絶対。そう誓ったでしょう!
カン!カン!
あ、作業が始まった。……え?
デュィーーーン!
カン!カン!カン!
セピリアの目の前に映る光景はまるで煌びやかに光る魂の炎といわんばかりの絵面。
コレに惹かれてしまいそうになってしまうセピリアは手を伸ばそうとする。
しかし…
「!?」
今私は何を…あんな光景私には届かないと分かっているのに……どうしてこんな気持ちに…
「そうか。私はやっぱり綺麗な気持ちでいたいんだ。……もし私が村でしでかした事をお兄ちゃんに知られたらきっと軽蔑されそうだな。……でもだからこそ私はここにきたんだ。今更後悔なんてしない。目の前を背くな。後ろを見ちゃいけない。後悔してはいけないんだ。」
セピリアは自分のスカートの裾を握りしめながら自分自身が何かしでかした事を胸に刻みながらガイウスが鍛治をする光景を見続け唇を噛み締める。
……ラクトの部屋
「さぁ入ってくれ。」
「お、お邪魔します。」
ラクトがルミナをそのまま部屋へ入れと促しそれをルミナは恥ずかしながらとソワソワしながら部屋を見渡す。
「あ、意外と綺麗にしてるのね。てっきり男の子の部屋だから汚いかと思ってたわ。」
「まぁ一応妹がいるわけだしな。アイツやたらと綺麗好きだから意外と助かってる部分はあるな。」
「………成る程成る程。つまりラクト君は綺麗好きなお嫁さんが必要と…」
「???」
「どうかしたかしら?」
「いや何でも…それより俺がお前をここに連れてきたのにはコレを見てほしいからなんだ。」
「え?ここで告白をするんじゃなかったの?」
「あ?いったい何の告白なんだ?」
「……いいえ何でもないわ。気にしないで頂戴。」
くっこんな所で私の早とちりをしてしまうなんて……ふ、ふん!でもまだチャンスがあるって事よね。
ラクト君が私を部屋に招きいれたんだもの…絶対に脈ありだとそう思っていいのよね。
「何か意気込んでる所悪いが、話を続けてもいいか?」
「え、ええ。勿論よ。それで私に見せてほしいものって何かしら?指輪かしら?それとも指輪?やっぱり指輪かしら。」
「何でそんな高らかに指輪指輪って連呼しているんだ。いやまぁ装飾専門で作ってるからそう思われても仕方がないかもしれないが…ていうか目の前に指を指してる奴があるのに、何でコレが指輪だと思うんだよ。」
ラクトに言われて、ルミナは指していた方向に目をやる。
確かにと言わんばかりの物がそこに置かれておりルミナはポカンとしながらガッカリとする。
「はぁ〜な〜んだ。ただの箱なのね。」
「勝手に期待して勝手にガッカリするのやめてくれないか。というより何をそんな息巻いて期待していたんだよ。」
「ふん!そんなのラクト君が私を部屋に入れたのが原因じゃないのよ。こんなの誰だって期待してしまうのが女の子というものよ。」
「そ、そうか。それはすまなかった。……てかなんで俺が謝らなければならないんだ。」
そもそも女の子を部屋に入れただけでいったい何の勘違いが起こるんだ。
………あっそう言う事か…完全にコルデリアの事を死なせないように必死であんましそう言う事考えてなかった。
ルミナは俺がここで…そう言う事をするんじゃないかと期待していたわけか。
……ん?何で期待する必要があるんだ?
女の子というのはそう言う生き物なのか?




