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ラクトの作った小型ファンと磁電鉄鉱石

ルミナに磁電鉄鉱石につけたマグネット式扇風機に錬金術の力を流し込ませる。

そうする事でマグネット式扇風機にあるもう一つの機能が稼働する。


ギュイーーーーーン!

ピカン!


「うん。コレなら後は大丈夫だろう。もういいぞルミナ放してもらって…」


「ふぅ〜〜…そこまでふり絞って力を使ったわけじゃないんだけど…何がいいのかしら?」


「2人ともコレを見てくれるか?」


マーシャとルミナに俺がさっき取り付けたマグネット式扇風機の方へと視線を促すように言う。


「ん?この点滅みたいなのって何かしら?」


「……何かの印かな?」


「まぁ似たようなもんだな。その印はエネルギーメーターみたいなもんなんだよ。一定のエネルギーを注ぐ事で自動的にその機械が動き出す仕組みになっている。」


「!?つまりコレって全自動形の機械って事なの!」


「おお…さすがはルミナだな。察しがよすぎる。」


「全自動形の仕組み…このメーターがエネルギーの温存量だとしたら…この中には私の溜まった錬金術のエネルギーの塊がある。……でも必要量からしたらオーバーヒートを起こす可能性があるんじゃないのかしら?」


「いい洞察力だな。そうだな。いくらエネルギーを注ぎ込んだとしてもオーバーヒートを起こして仕舞えば意味がない。だから制限(げんかい)をつけたんだよ。」


「!?それがこの光ってる点滅なのね。」


「そう。まぁメーターといえば分かりやすいかな。」


「メーター…メーター…メーター…うん。なんかしっくりくる言葉ね。」


「自動的に送り出してくれる冷たい風だから、ほんの一時的に長く凍らせる時間が保てるはずだ。だからマーシャに関しても無理して氷魔法を使う必要性はない。まぁ正直たまたま磁電鉄鉱石が頭の中に浮かんだんだけどな。それにさっきの氷魔法を使う理由を言ってくれたからな。」


「お兄ちゃん……頭凄くいいんだね。」


「そりゃあそうだよ!何せ私の仲間だからね!」


「いや仲間になった覚えはない。後誇らしげに自慢しないでくれ。何だか不愉快だ。」


「ガーン!どう言う意味!」


しかし問題なのがここからだな。

1週間の内に仕上げれられれば御の字なんだが…俺の錬金術では睡眠その他諸々を削らないとどうしようもない。


「………」


「おいおい何だか凄い事をやってるな。それに色々と面白そうじゃねえのか?」


「私的にはとんでもなく異例な事でやってそうな気がしますが…」


おっと色々と素に戻ってしまったが…ここからはいつも通りの外面で話そう。


「……そんな大した事はしてませんよ。ただ単にここから僕が苦渋の道に足を運ぶというだけの話です。」


「そうなのか?その割にはあまり深刻そうな顔はしてないみたいだがな。」


「まぁね。この後プレデシアさんにやっていただく事があるので、それで何とか間に合いそうかなって思っていただけですよ。」


けど、それでも運要素が絡むからな。


「あ、それでさっき私に2度頼む事があるって言ってたのね。」


「はい。プレデシアさんには僕が作る為の物を錬金術で補って欲しいんです。」


「それって、どうすればいいのかしら?」


「僕が錬金術でコルデリアさんが凍った氷体をとある箱の中に冷体保存させます。しかしそれを作るには色々と工程差を死守しなければならない。それをするには一つ一つ細かな単純作業が必要となるのですが…」


「あ!だから私なのね!でも私そんな芸当な事できないわよ。」


「分かってます。プレデシアさんが使う錬金術は事細かにできるものじゃありません。寧ろ大雑把です。」


ん?今私ディスられたのかな?


「大雑把ではあるけれど、その分錬金術で僕の使うエネルギー分の錬金術を補佐する事ができます。」


「所謂私はラクト君のアシスタント役みたいなものなのね。」


「そう捉えてもらって問題ありません。」


ただその間にルミナが離れてしまえばコルデリアの氷体が一向に溶ける早さが増す。

エネルギーメーターがついている電気系統の小型ファンでも限界はある。

誰かのアシストが必要ではある。

でもそれに該当する人物なんて他に…


「………いや待てよ。もしかしたらガイウスさんならいけるんじゃ…」


「は?俺?」


「………うん。いけます。ガイウスさんがいたらあの箱が作れます!」


ガッツポーズを決めるラクトは心底嬉しそうにしながら近くにあるテーブルに座って、早速作業を始める。


工程差云々に関してはひとまず紙に書くのは後にして俺が今やれる方法はある物を生み出してそれを再現通りに作りそのまま錬金術を重ね合わせる。

そうする事で俺の錬金術が段々とレベル上がって、もしかしたら簡単な物を生み出せる力が使えるかもしれない。

バハムートαに関しては色々とまだレベルとか経験が浅かったから無理矢理作っただけだけど……今回は別だ。……多分きっと。


「ラクト君。急に一心不乱に作業を始めちゃったわ。私達の力が必要と言っていたけれど……具体的にどうすればいいのかしら。」


「さぁな。少なくともお前はここにいたほうがいいだろう。何せマーシャの事もあるしな。」


「………そうよね。」


マーシャはコチラに耳を傾けながら懸命に氷の魔法を集中して使う。


「私なら大丈夫。みんなはお兄ちゃんのお手伝いをお願い。」


「そう言ってくれるのはありがたい話しなんだがな。」


「うん。ひとまずは私はここに待機みたいかな。……何かあれば私がいないと多分駄目だと思うし…」


「いいえ。あなた達はここから出て行ってください。お兄様の邪魔になります。」


帰ってきたのか、セピリアが色々と買い物袋を左右にぶら下げながら所持している。


「あ、セピリアちゃん。それってどう言う意味なの?私達が邪魔って…でもラクト君は私達が必要って言ってくれてたのよ。」


「その時がくればの話しです。今はまだその時じゃありません。それに…マーシャさんでしたか?」


「え?う、うん。そうだけど…」


「マーシャさんも永遠にその力を使う必要はありません。後は私の錬金術でカバーできますので。」


「いやそんな簡単に言われても…君の錬金術と私の魔法じゃ効果量も違うんじゃないの?」


「……そうですね。単純に考えればその通りです。しかしお兄様が何の為にその石を手に入れて持ってきたのか……まだ話を聞かされてない私からしたらどう言う事なの?という形で問い質したい所なのですが……ひとまず状況だけを理解した形でいます。」


「そ、そうなんだ。」


この妹なんだろう。

色々と察しがよすぎて、お兄ちゃんとは違う何か妙な怖さがある。

私この子あまり得意じゃないかも。


「じゃあ俺達は呼ばれるまで上で待てばいいのか?」


「はい。お兄様には申し訳ないのですが…あなた達には緊急事態の為に予備の場所を用意しています。そこに行ってくださればいいですよ。」


「それってどこでしょうか?」


「私達の暮らしている場所です。そこにお部屋が用意されていますので今回はそこでお休みなさってください。宿屋ではそろそろ追い出される頃なんですよね?」


「!それってもしかしてラクト君のお部屋!」


「いいえ。客間です。」


「ぶー!あ!でも狭かったら私別にラクト君の部屋でも…」


「駄目に決まってるでしょう。後もう1人お仲間さんがいましたよね。その人も一緒に客間で泊まってもらって大丈夫なので何かあったらコチラからお知らせ致します。」


「う、うん。……あ、あれ?そういえば私達の事ってセピリアちゃんに話してたかしら。」


「たまたま宿屋であなた達を探していたお仲間さんを見つけたので、暫くしたらコチラにくるようにと言っています。全く何やってるんですか本当に…」


「うう…そのありがとうございます。」


「コチラも御礼を言わせてください。コチラ側から頼み事を申しつけておいて、あまつさえお世話になるなんて…」


「それはそうなのですが…コチラにどうにかしてくれと傲慢な態度で言ってきた時とは大違いですね。」


「くっ!それを言われてしまったら返す言葉もないわね。」


「よし!それじゃあクエスト完了報告ついでにロイゼを迎えにいこう。今回のクエストで色々とお金になりそうな物を手に入れたからな。」


「そうだとは思わないんですが、ひとまず鑑定しない事にはどうしようもありませんね。」


「大丈夫よ!私がついていくし何も問題ないわ。」


何でルミナが自身あり気にいうんだ。

どうしてルミナが自身あり気なのよ。


3人はそのままラクトの方へと視線を向けるが集中していて今は声をかけるの控えながらラクトによろしくとセピリアに伝えそのままアトリエを後にする。


「………ふぅ行きましたか。さ〜てここから兄妹の親密な時間となったわけですし…私からお兄ちゃんに色々と何をしても許されるというわけですね。」


「いやまだ私がいるんだけど…」


「ふぁ!まだいったんですか。…私と同じお兄ちゃん呼びとは甚だしいにも程があります。」


「勝手に素を出して、勝手に文句を言うのやめてもらっていいかな。」


ゆっくりと立ち上がるマーシャ。

そのままマーシャはラクトの方へと近づく。


「………集中はしているけれど、声は聞こえているんだよね?」


「…………」


「聞こえていると思うから改めて御礼を言わせてもらうね。……色々とありがとうお兄ちゃん。そしてコレからもよろしく。私色々と決めたから。今度またちゃんと話すね。」


そう言い残してマーシャも上の方へと上がってアトリエを後にする。


「なんなんですか!あの露骨なアピール。まるでお兄ちゃんに気がある感じ…解せません。でもコレで本当に私とお兄ちゃんの時間が…」


「あるわけないだろう。」


「うわ!お兄ちゃん!もう集中モードが解けたのですか!」


「ちょっとだけの集中だからな。そんな長時間集中するわけじゃない。」


なのにアイツら好きがって言って上へ上がっていきやがって…次会った時どんな顔をすればいいのやら。



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