中学生③ 友達
部活がない日、美春は一緒に帰りたがった。一緒に帰ろうと約束していても、周りに見られるのが恥ずかしくて何度もすっぽかした。その度に泣かせていた。今ならば酷いことをしていたと分かるが、当時は初めての彼女でどうして良いか分からなかった。悪いことをしている認識が全くなかった。
こうやってぼくが酷いことをして怒らせることが度々あったが、基本的には仲良く過ごしていた。記念日や誕生日を祝ったり、お祭りに行ったり花火を見に行ったり。このまま結婚するんだろうなって、何となく思ってた。
部活をやっていたお陰か、普通体型に戻った。部活とクラスの中で、一番足が速くなった。テニスの技術も部長に引けを取らないまでにはなった。
だが、最後の大会では悔しい負け方をした。市の大会は勝ち進んだが、次の大会では反則の連発で失点しまくった。余裕で勝つくらいの点差をつけていたのに、変なミスを連発して部長もぼくも緊張していた。部長は泣いていた。
顧問の先生が最後に言葉をくれた。酷い負け方で悔しかっただろうということと、労いの言葉。帰ってから泣いた。
文化祭では実行委員に入った。委員長はやりたくなかったが、じゃんけんで負けて実行委員長になった。伊藤と柳田も一緒だった。催し物を考えたり、遅くまで残って作業をしたり、大変だった。一層みんなと仲良くなれた気がした。
佐原は学校を抜け出したり喧嘩っ早かったりと、小学生のころから問題児だった。だが何故か、モサっとしたぼくと仲良くしたがった。学校ではいつも一緒にいた気がする。イライラしてガラスを蹴り割ったときは、ぼくと戯れていたことにしてくれと言って、罪悪感がありながらも先生に嘘の説明をした。
佐原が問題を起こすと、先生はいつもぼくに経緯を訊いてきた。ほんと勘弁してくれと思った。
合唱祭で壇上に立ってるのに何故かマスクをつけている佐原。多分また何か嫌なことがあって反抗しているんだろう。
「マスク取りなよ。ほら、早く。マスク取れ!!」
「お前がそこまで言うなら……。」
渋々マスクを外した。こいつは先生の言うことは聞かないが、ぼくの言うことは聞いた。正反対の性格なのに、ぼくも何故仲良くしていたんだろう。型破りな部分が面白かったのかな。
初めてやったゲームをやり直した。連作ものの1つの方。小1のときはストーリーもシステムも全く理解していなかったが、理解した上で進めることができた。そこでも魔法が好きでよく使っていた。エンディングで号泣した。