小学生③ 相棒との出会い
【注意】軽微な性的描写があります。
小学校高学年になった。だからと行って生活が大きく変わるわけではなかったが。
大型犬に抱き着きたくて、家の庭にある倉庫のようななところで、貯めたお年玉でラブラドールを飼い始めた。一緒に寝たりした。人懐っこくて、誰かが来ると顔を覗かせていた。
動物が好きで、学校で飼っていたウサギやニワトリを世話する委員会に入っていた。
おばあちゃん子だったので、祖母の真似事をし始めた。家庭科でボタンの付け方を習って、バスタオルをボタンだらけにした。簡単な料理をするようになった。
果物か好きだったので、ザクロとモモとアケビの木を植えた。実をつけるのが楽しみだった。
課外学習みたいなもので、科学博物館に行った。科学を使ったエンターテインメントで有名な人が居た。一緒に実験をした。
自分の理解を超えた現象を見るのが好きだった。綺麗な石や花火が好きな延長だったと思う。早速博物館での実験を真似した。アルミホイルを巻いたコップに静電気を溜めて放電するものだ。家にはまだブラウン管のテレビがあり、表面に静電気が溜まるのを経験的に知っていた。電気の臭いがしていた。それをアルミホイルに溜めて、バチバチさせて遊んでいた。
博物館での感想文にそのことを交えて書いたら、何らかの賞を受けて、文集に載った。思えばこの頃から科学が好きになったのだと思う。
それからネットで色々調べて、簡単にできそうな実験を繰り返した。過冷却水を作りたくて、試行錯誤していた。チルド室に数時間入れるとできることが分かった。色んな飲み物を過冷却状態にして、注いで凍らせて飲んでいた。
中学に上がった兄は相変わらず不登校だった。両親はそれでも甘やかし続け、祖父母と喧嘩していた。兄は醜く肥え、更に暴力的になっていった。反面教師にしていたが、それでもまだ一緒に遊んでいた。
この頃になってやっと自身のセクシャリティの位置づけを理解した。でも別に何とも思わず、悩むようなことはなかった。初めて1人でした。