高校生⑩ 憎悪
【注意】軽微な性的描写があります。
祐也の家で遊んでいたカップルじゃないやつから、祐也とカップルの内のぼくと同い年の方との肉体関係について聞かされた。本人に言うなと言われたが、そんなことをぼくに言うなんて、こいつもこいつで言わせる気だったのだろう。
当たり前のごとく問い詰めた。直ぐに認めた。そこまでしておいて、何故か関係の続行を望んだ。当たり前のように断った。捨て台詞に死ねと吐いた。頭の中で何度も殺した。
飼っていた犬と散歩に行って、外を走り回った。こいつはぼくより速い。
後はカップルの方にも被弾させた。歳上の方は年齢を誤魔化していたので、それも告げた。案の定そっちも別れた。もう二度と恋人と共通の知り合いを作らないと誓った。合従連衡にはうんざりだ。
止めていたはずの自傷行為を再開した。こうでもしないと生きて行けなかった。勿論大学なんてどうでも良くなったので、進路の決まらないまま高校を卒業した。
思い出しては泣く日々が数ヶ月続いた。時々連絡が来たが、無視していた。連絡手段を残しておいたあたり、完全に割り切れていなかった。
佐原にも愚痴った。花火で地元に祐也が来たときに会ったので面識があり、連絡先も交換していた。自分のことのように怒ってくれて、祐也に連絡して何か言ったらしい。
そう言えば小島から連絡が来た。単なる謝罪だった。もう何の感情も残っていなかったため、素直に受け入れるのと同時に、色々と吹聴したことなどについて謝罪した。ただの友達に戻った。あんなに好きでボロボロになっていたのに、時間が経てばこんなにも清々しく消えるんだな。
あーあ、これからどうしよう。ぼくも引きこもろうかな。
親の教育は失敗だ。母親は可哀想だからと言って子供を甘やかしていたが、実は叱ったりするのが面倒なだけだと気付いた。親になるための試験があって、それに合格しないと子供を作れない制度とか作ってほしい。




