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先輩の役目

「手並みの程を見せよ。」


"エマルフ (炎)"


ぼくの言葉にレッシュは気付く間もないスィリュオを焦がした。


「流石にこれは弱すぎるんじゃない?相手にならない。」


レッシュが不満を垂れる。スィリュオはずんぐりむっくりした大き目のネズミのような見た目で、魔獣ではあるが少し加速する魔法しか使わない。


「あの……レッシュ、君……、練習のときはこうすると良いです。」


お、ノニャンがレッシュを名前で呼んだ。もっと仲良くなってくれると良いな。


"アトグ (水玉)"


ノニャンが近くに居たもう1体のネズ公に水を落とす。この前のレッシュとは異なり、文字通りの濡れ鼠だ。


こちらに気付いたスィリュオは加速して逃げて行く。


「さっすがノニー、後輩相手に鬼畜外道なことするぅ!」


「練習です!ぼくたちも先輩から教わった方法じゃないですか!」


「それより早く追いかけないと見失っちゃうよ。レッシュ、1人でやってみて。」


「漫才しながら魔獣斃すのかよ……。」


「お、良いねそれ。グループ名何にしようか。」


レッシュがおねずちゃんを追いかけて行き、その後をぼくとノニャンで追う。


"ノワトルプクセ (爆発)"


"ノサール (氷柱) "


"ゼリネ エシェルフェ デトニオ (石鏃(せきぞく)) "


「はいちょっと止まって〜。路肩に寄せてくださ〜い。」


息を切らしたレッシュが素直に止まる。


「なんだよ。」


「逆に止められた理由が分からないの?」


「……。しょうがないだろ、速いんだから。」


「でもそんなにいっぱい魔法を打って全部当たらなかったら、レッシュ君が疲れるだけです。」


「そうだそうだ。もっと言ってやれ。」


「それは分かるんだけど、じゃあどうすれ……」


「自分で考えろ!ど阿呆(あほう)が!」


「そうです。追いかけながら考えるです。」


ちょこまかと走り回るスィリュオを追いかけている。こう見ると結構可愛いな。可哀想になってきた。


そんなことを思った束の間、隙を見てレッシュに飛びかりレッシュの腕に噛みついた。痛みに反射でネズミを振りほどく。


「追いかけてるだけなの?」


"セマルフェ デルクレック (輪炎(りんえん))"


魔杖を向けてネズミを取り囲む用に炎を出したが、難なく飛び越えられてしまった。


「じゃあ次はどうしたら避けられないかな?」


"セマルフェ デルクレック (輪炎)"


先程よりも高く幅広い炎を出した。今度はスィリュオも飛び出せないようだ。


炎を狭めていき、ネズミの丸焼きが出来上がった。


「よっしゃあ!」


「おつかれ。まだまだ序の口だからね。」


「素直に褒めてくれたって良いじゃんか。」


「凄いねー、レッシュ。大魔法使いかと思った。」


「悪意があるです。」


不貞腐れたレッシュを手招きして、(いぶか)しげに近付いてきた手を取る。


「ノニー、水で洗ってくれる?」


「分かったです。」


先程噛まれた傷口が洗われる。消毒液も魔法で作れれば良いのだが。


「なんだー。今回はちゃんと腕だけか。」


「変な期待しないでくださいです。」


"エノイジラウグ (治癒)"


「別にこれくらいの傷良かったのに。」


その言葉に治したばかりの腕に噛み付く。


「いてっ、何すんだよ!」


(あご)により強く力を入れる。


「分かった!ごめんって!」


「治さなくて良かったみたいだから元に戻してあげようと思ったのに。」


口を離しそう答えた。


「そんなつもりじゃなかった。治してくれてありがとう、シア。」


ぼくの頭に手を乗せて振り動かす。


「ナックの真似?治癒魔法は苦手だから、普段使ってるほか魔法よりいっぱい魔力使うんだからね。」


「悪かったって。」


頬を膨らませたぼくの頭を更に撫でくり回した。



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