懸命の戦闘練習②
夏バテ気味で体調崩してました。暑さに慣れてきたので、投稿頻度を戻したいと思います。
「ノニー、でかニパールが跳ぶときに魔力に指向性があるの分かる?」
「分かるです。」
「今まで見て、跳躍してから着地までは方向が変えられなさそうだよね。」
「そうです。大分避けられるようになったです。」
「跳ぶ先に泥水みたいの作ってくれないかな?目潰ししよう。ぼくが防御を剥ぐ。」
「分かったです。」
"エヌィトブラ (泥漿)"
でかニパールの跳躍に合わせてノニーが泥水を用意する。ぼくはその前に魔粒子を置いて、目の辺りの防御を破る。
目に泥を受けて視界をなくしたエグラルニパールは着地に失敗して転んだ。
「今だ、いけ!ノニー!17.32万ボルトだ!」
「……はい?」
"ノワテュコルトセレ(感電)"
筋肉が不本意に動いている。多分既に防御を維持できて居ないだろう。このまま感電死を狙うか?いや、出力を上げて魔力を消費するよりも剣でやるか。
"フォルテ"
「聖剣、エクスカリバー!!」
全く意味のない言葉を叫んで、でかうさぎちゃんの首に剣を振り下ろす。膂力が小さいので魔力で勢いをつけて。
「やったです!」
うわ、まだ血に慣れないな。
「2人とも終盤はそこそこ良かったわよ。慣れてない相手でも、じっくり動きを分析できたのが良いわ。」
「ところで最後に剣を振るときに言ってた呪文はなんですか?」
「あれは呪文じゃないよ。この世界に来る前の世界の強い剣の名前。」
腰に手を当て得意顔をする。
「……シア君はよく分からないです。」
「少し休憩したら次行くわよ。」
そこら辺の雑魚は一撃で仕留め、少し骨のありそうな魔獣とはこちらを認識させてから戦った。
「うわ!でたです!!」
この前苦戦したエルフュだ。
「辱を雪ぐぜ!いけっ!ノニー!」
「2人でやるです……。」
さて、どう料理してやろうか。赤ワイン煮込み?
「ポック!」
「あう!」
「ノニー、ポックに乗って!ポックはノニーを乗せて攻撃を避けて!」
「はいです!」「わう!」
敏捷くないノニャンはポックに乗ってもらう。ぼくは魔法で加速できるのだから、何とかできるだろう。
「じゃあ私は離れてるわね。」
「ひゃーっ!はっはっはっはっ!血が滾るぜぇ!!」
「だ、大丈夫ですか?」
「まだ何も攻撃されてないから大丈夫だよ。」
「あ、いや、そっちじゃなくて……。」
頭の心配をされてしまった。
"リタルダンド" "アレグロ"
取り敢えずは前と同じ方法で体当たりを避ける。空を飛んだらノニャンの方だけが狙われそうだな。練習も兼ねて地上で戦おう。先輩がいるという安心感がとても大きい。
でかうさぎとは異なり、エルフュは跳躍をするのではない。惰性が大きいのでぼくたちより小回りは利かないが、魔力を察知してある程度は攻撃を避ける。そして皮膚も固く防御も強い。
「ノニー、なんか良い策ある?」
「うーん、ニパールのときみたいにはいかないです……。」
どうにか短時間でも動きを止めたい。
"エトロフ ノワトセトール (強固な防御) "
「うっ……。」
敢えて攻撃を受けて反作用を返そうとしたが、そのまま吹っ飛ぶ。
「痛えじゃねえか牛畜生め!」
「大丈夫ですか!?」
「ったりめーよ。こんくらいでやられるノシアール様じゃないぜ。」
ノニャンは水を使った魔法が得意。さっきみたいに濡らして感電させたい。
「穴掘るからいっぱい水入れてくれない?落として感電させてみる。」
「良いですけど、落ちてくれますかね……。」
"エシュブム (陥穽)"
目の前に横並びに落とし穴を3つ用意する。
" アガ エド オルトスィヌィムス (給水)"
ノニャンが水を張る。
どうやって落とそう。エルフュも馬鹿じゃないのだから、わざわざ穴に落ちることはないだろう。ということで脳筋プレイをしよう。




