中学生④ 挫折
【注意】軽微な性的描写があります。
高校受験に本腰を入れる時期かやってきた。好きな科目は数学と理科。苦手だったのは英語。ぼくと美春は上の下程度の学力で、同じ高校を志望していた。美春は頑張って勉強していたが、ぼくは天性の怠惰な性格から全く家で勉強をしていなかった。
この頃はスキンシップが激しくなり、手前までするようなこともあった。でも何か怖いというか緊張というか、最後までする勇気はなかった。
家庭環境は相変わらずだ。通信制の高校に入学した兄は直ぐに退学し、俗に言うニートになった。気に食わないと家の物を壊したり暴力を奮ったりするのが気持ち悪くて、存在を完全に無視していた。醜く肥えていたので、体積だけは無視できなかったが。親に何とかしろと再三伝えたが、「いつか良くなるから」と繰り返すだけだった。住み込みの反面家庭教師が居たのでここまではならなかったが、ぼくもぼくで甘ったれた思想を持っていた。
学校は相変わらず楽しかった。掃除の時間にふざけすぎて、箒を折ったこともあった。
最後の頃は、佐原の伊藤へのイジリが激化し、6人だったグループは女子2人と男子4人に別れることか多くなった。伊藤がイジリに反応しなくなったので、佐原は反応してほしくて段々激化させていったからだ。暴力などはなかったがやりすぎだったと思う。あまり介入しないようにはしていたが、やりすぎてたときは軽く窘めていた。
最後は仲間割れみたいになって悲しかったが、基本的には楽しい生活だった。中学生が終わるのが嫌だった。
高校受験の合格発表の日、掲示板を見に行った。ぼくの番号はなかった。当たり前だ、周りが勉強してる中で遊び呆けていたら順位を維持できる訳がない。家に帰って1人で泣いた。因みに勉強を頑張っていた美春も落ちた。
2人は別々の高校に行くことになった。




