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人物像は移ろう
<基本形>
今日は授業参観日。『僕のお父さん』というタイトルで、一人の少年が少し得意げに作文を読み上げている。
「僕のお父さん。僕のお父さんは、皆が毎日通る道路や、島と島を繋ぐ大きな橋や、海底トンネルを造っている現場監督……」
<役割が変わる>
「……に指示を出しながら複数の大型プロジェクトを管理・統括する、現場上がりのプロジェクトマネージャー……」
<役職が変わる>
「……の任免権を持つ、代表取締役社長……」
<権力を持つ>
「……と懇意にしている所管官庁の事務次官……」
<更に権力を持つ>
「……に圧力をかけることのできる内閣総理大臣……」
<深く闇に潜む>
「……を誰にするのか、歴史の影からそれを思うがままに操ってきて、周囲の人々から『キングメーカー』と呼ばれています」
授業の後、担任教諭は少年に話しかけた。
「今度、個人的にお父さんとお話がしたいんだけど、どうかな?」




