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お茶会狂想曲  作者: 鹿島きいろ
13/30

13. 45日前_無理な追加は止めよう!_後編

「部長!参加者追加の対応策を、練ってまいりました!こちらが案をまとめてた物です!」


「いや、ジョアンナよ。

お前は昨日まで休みだっただろ...。」


「さすが、先輩!俺には無理っす!」


「まあ、そう言わず。まず、案1は、基本どおり追加参加者は、全て断る。案2が、二部制にする。案3番が、第四部も巻き込む。です!」


「ジョアンナ。

お前の熱意はわかったから。落ち着け。

そして、もう少し詳しい説明を頼む。」


「失礼しました。

案1に関しては、それぞれ“追加はなし”と言って断ってもらう案です。もし引き下がらないのであれば、殿下に出てきてもらい断っていただく。殿下の一言があれば、皆さん黙るとは思いますし、これは、部長と殿下の負担のみで、費用と私たちの手間は、一切かかりません。


ただ、この場合は、各大臣のメンツをつぶす事となりますので、今後の我々の根回しが面倒になり、あまり得策でもないような気もします。また、おそらく、この後、とはいえ一人ぐらいは!と言って無理やり押し込んでくるお仁も出てくる可能性は高いかと。


案2は、同じ日にもう一回同じお茶会を開く、もしくは、別日に改めてもう一度お茶会を開くという案です。これであれば、追加のご令嬢も日程的にも参加可能です。ただデメリットとしては、最終参加人数もよりますが、費用が2倍とならなくとも、それなりの費用が発生します。


案3は、第四と合同でお茶会を開くという物です。この場合は、皆様のメンツも保たれ、費用も第四と折半までいかなくても、ある程度の負担は減るかと。問題は、あと一か月でまとまり切れるのか。という時間的制約が発生し、我々文官の負担が一番かかるかと思います。」


「ジョアンナさん。休みに何やってるんすか...。」


「で、おまえさんは、どれが一押しなんだ。」


「一時期の“わが身可愛さ”で考えると案1。現実的なのは、案2。自分の身を削り、上に恩を売り、予算を考えるのであれば、案3です。」


「...なるほど。」


「ちなみに、部長には案1になった場合、上との調整を、案3になった場合は、第四との調整役を頑張ってもらう必要があるかと。」


「第四が絡んだ場合、もっと大がかりになって、蓋を開ければ、費用がすんごい事になるって事、考えられないっすか?」


「期間も差し迫っているし、多分大丈夫だとは思うけど、まあ、そこは部長の調整役としての腕の見せ所なわけよ!」


「最初に釘差しておけってことだろ?

まあ、出来なくはないが...。文官たるもの自分の身を挺して、って所だな。予算も考えると案3か。」


「うへぇ~。」


「という事で、私は、これからカトラリーや装飾品等アイテムの在庫確認。その他の調整を行ってきます。アーノルドは、第四になんとなくの感触の確認お願い。案3が実現可能な目途が立ったら、殿下に上申します。」


「了解。」


「へーい。」

 


◇◇



「え...そんなことになっていたの?」


「殿下、やはり男女合わせて30人のお茶会は、今の状況を考えると現実的でなはいかと。」とケネスさんも話に加わる。


「そこまで、私たち王子に群がる価値はないと、思うんだけどなぁ。」


「いえ、そのようなことは...。」


「そうだよ。それに私もドゥエインも、近い将来、臣下に下るんだし。

さて、それぞれのメリット、デメリットは聞いた。君たちは、3番の案でいきたいの?」


「はい。」


「本当に?」


「はい。」


「この案だと、君たちの負担、一番かかるよ。」


「ですが、これであれば、大臣達のメンツも保たれますし、経費も抑えられるかと。」


「...。うん、わかった。そこまで言うなら、私は反対しない。」


「ありがとうございます。」


「でも、ジョアンナ...無理はしないでね。」


「承知しました。ありがとうございます。それでは、私はこれで失礼いたします。」


「一緒にお茶でもと思ったけど、今日はやめておくよ。後で差し入れを何か送るから、みんなで食べて。」


「お心遣い感謝いたします。」


「うん。またいつでも聞きにきて。」


「はい。新たな予算書作成いたしましたら、またお伺いいたします。」



よし!参加人数が増えたが、何とかなりそうだ。

と喜びながら、自分の職場へと戻る。


そして、その後、覚悟はしていたが、

はやり、残業量と、肌荒れと目の下の隈は、増えていったのだった...。


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