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選ばれたのはケモナーでした  作者: 竹端景
第二章 事件だらけのケモナー
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かくれんぼ

 ひと騒動もありはしたのだが、さて…夏がすぎたら、何が来る。

 祭りがくる。

 そして、誕生日がくる。


 勘弁して欲しかった派手な誕生日。そして、屋敷で迎える最後の誕生日祝いになるだろう。大人になったら、誕生日とか、祝わないようだからな。

 何日も前から準備をしていたから、規模が大きいのはわかっていたが、当日もかなり慌ただしい。


 六歳の誕生日当日。だというのに、ケルンは暇をもて余している。


 盛大にするとか、父様や母様の友人や知人が来るとか、人の出入りが多いぐらいと思っていた。なんだこの手伝いの人。外にまであふれてんじゃん。どっからの来たんだ。

 むしろ我が家にこんなお金が…借金?…はないよな…格安なんだろうか?


 ケルンの個人的な知り合いといえば、マルメリーは事件もあったし、帰ったばかりだけど、贈り物を送ってくれるとのことだ。お礼に、結婚式の絵を描いてあげようと父様たちには伝えている。

 マルメリーやガリアンは、ケルンがエフデとは知らない。ただ、エフデと一番仲が良く、師弟関係だと父様が説明した。


 あと個人的というのか、ドワーフの王様から手紙が来ていた。贈り物を持って参上いたします。と書いてあったんだだけど、さすがに代理だよな?


 王様が来る誕生日って、盛大にもほどがあるだろ…!ないない!


 まぁ、王様が来るかもしれないということで、おかげで、知らない人達も増量で手伝いにやってきていて、安全の為に、屋敷から出てはいけないと、いわれてしまった。


 またか!


 退屈だ…エセニアも、準備で忙しそうにしているし…話し相手がいない。

 父様は仕事、母様は来客の準備をフィオナに相談して、忙しそう…カルドは、朝から父様についていってるけど、昼には街で買い物してから帰ってくる予定だ。けど、今はいない…ハンクは料理を一人でしているし…ランディは、知らない人達が怖がるといけないからと、小屋から出てこないから…来客が帰ってからの本当の誕生会まで、会えない…。


 つまりぼっち。

 つらい。


 誕生会を盛大にしないといけないのも理解はしている。一応、貴族だからな…でも、俺がいう前から、ケルンも思っている。


 家族だけの誕生日でいいのに。


「がまんねー」

 我慢だなぁ。


 はぁー。と、ため息が出た。


 よし!ケルンのテンションをあげれば、俺もテンションあがって、いい案が出る!


 というわけで。


「かくれんぼー。かくれんぼー。どこに隠れる、かくれんぼー」


 あまりにも暇なので、エセニアに黙って隠れんぼしている。こうやって、黙って隠れると、エセニアは鬼役がピタッとはまるのだ。


「エフデー、エセニアに怒られないかなぁ?」

 んー…屋敷の外にでていなんだから大丈夫だろ。ほら、フィオナがみてるぞー。

「あ、フィオナー!」


 ケルンが手をふるとフィオナがにこりと笑って、やってきた。


「どうされました?坊ちゃま?」

「ううん、なんでもないよー。今ね、かくれんぼしてるのー。エセニアが鬼ねー」

「あら?そうですか?あの子も忙しいので、ほどほどにして、お部屋でお待ちしていてくださいね…でないとキャスにいいつけますからね!」

「きゃー!わかったー!」


 フィオナのいうとおり、エセニアも忙しくしているけど、ちょくちょくケルンの部屋に顔を出しているし、いないとなればすぐに探しにくるだろ。

 キャスに報告されたら、図鑑が遠のいてしまうから、いい子でいような。


「どこに隠れようかなぁー」

 あれなんかいいんじゃないか?


 玄関に樽が置かれてた。横向きだし、ケルンなら入れそうだ。


 アピールも忘れない。一応、時々顔を出したり、自作の歌を歌っている。


「かくれんぼー。僕はここだよー。かくれんぼー!」


 みんな忙しそうにしてるし、知らない人達は、樽に興味がないようだ。


 空の樽があるから、入ってみたのだが、何が入ってたのだろうか…オレンジか…?またマーマレードを塗って焼いた鳥が食べれるのかもな。美味しいんだよなー。それとも、デザートかな?楽しみだな。


「かくれんぼー…かくれんぼー…オレンジのデザート…食べたいな…ふぁぁぁ」


 ちょっと眠たくなったな。まぁ、エセニアが見つけてくれるだろう。一応、何人かの人には、ケルンが入っていくのも、顔も、見られているからな。


 あ、蓋!

「うん…ふた…ちょっとあけるぅ」

 なんだかんだで、昨日楽しみで寝ていないしな。

 よし、寝る子は育つ!おやすみ!



 ん?変だな。真っ暗だ。おーいケルン。きちんと起きてくれ!

「ふぁぁぁ…」

 立ち上がっても…って、立ち上がれる!なんでだ!


「なんか…向きが違う?」

 樽を誰かが立てたな!ケルン!横にぶつかれ!」

「おー!」


 どんどんと樽を揺らすように体をぶつけると樽はひっくり返ったようだ。


「わっ…んもー!誰ですかーたるをたてたのー僕はかくれんぼーしてるよー。まだまだ続くの?かくれんぼー…エセニアー!早く、みつけ…て?」


 樽からはいでてくると、さっきまで、人がバタバタ動き回っていた広間ではなかった。


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