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初めてのダンジョン!!

日曜日っていうことで、いつもより少し長いです。

「いやぁ、実際に会うのはお久しぶりですねレイラさん。」

「ですね。しかし、アンドレアさんの知り合いだったんですね。」

「幼馴染ってやつですよ。ついこないだこれを始めたばっかりでしてね、初心者で最初にやるべきことはパスを通すことなんで待ち合わせのついでにここを。」

「そうでしたか。これからもここのポーションをご利用ください。」

「あっ、レイラさん!今日はありがとうございました!」

  ・

  ・

  ・

  ・

「とりあえず、序盤から最後まで必要なポーションの融通は通るようになったから……次は武器防具だな。」

「ん?スキル屋さん的なものには行かないの?」

「えっ?……あー、この世界にはスキル屋って言う概念がないんだよ。」

「そうなの?! えっ!じゃあスキル本みたいなやつでパッと覚えたりはできないってこと?」

「んー、それがそうでもなくてな。スキルブックっていうアイテムはあるんだ。ルフが言うようなやつのが。けれど、それが手に入るのは、いろんなとこにある宝箱やボスMOBからのドロップしか今のところは確認されてないんだよな。」

「ってことは……NPCによる販売はないけど、プレイヤー同士の販売…市場には売ってるっていうことだね。」


 これで、序盤の金策をなんとかできるかも。……スキルを買うなら、パッシブ系のものを一通り揃えといた方がいいかな?


「あー、それがそうでもないんだよ。」

 頭をかきながら、申し訳なさそうにそう言った。

「え?」

「実はな、大半のスキルブックには“販売不可”ってのがついててな……だからスキルを入手するのがとんでもなく難しいといわれてるんだけど。」


 んー……もしスキルが30個近く集まってて、互いに反発しあうような能力だった場合って、どうなるんだろう?


「とりあえず、この宿屋に入るから、ステータスを見せてくれ。」

「宿屋?一体なんのためにあるの?」

「お前……本当に事前に調べたのか?」

「もちろん。MOBの名前と特徴、スキルの効果、職業の特徴は全部頭に入ってるよ?」

「はぁ……ってことはそれ以外は調べてないんだな?」

「あ……うん。――ごめん。」


 正直、戦うであろう相手の特徴さえ知っていればなんとかなると思ってたんだ……うん。


「まず、宿屋っていうのは、誰にも聞かれたくない話があるときや待ち合わせ場所。ギルドや自身のホームを持ってない場合はログアウトする場所として使える。1日、料金は25カラトと安いしな。」

「ログアウト……宿屋やギルド、ホーム以外のところでログアウトするとどうなるの?」

「次ログインしたとき、内容がランダムなデバフが一時間付与される。」

「えっ!じゃあ私も……」

「強制ログアウトの場合はデバフがかからないんだ。……デバフを喰らいたくないからといって、無理やり精神を疲弊させて強制ログアウトする輩もいるけど………そういう人は2日はログインしてこなかったな。」


「はい、きっかり25カラトね。二階の一番左の部屋(12)だからね。」

  ・

  ・

  ・

  ・

「さぁ、ステータスを開示してもらおうかッ!」

「ふっふっふっ……いいだろう。見せてやろうではないか。」


▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽

PN:ルフス

JOB:商人

SJOB:武士

 Lv13 (12up)

HP 360/360 (260up)

MP 310/310 (260up)

STR 13 (3up)

DEF 16 (6up)

INT 14 (4up)

MND 15 (5up)

AGI 46 (16up)

DEX 47 (32up)

LUK 63 (30up)

残りSP量:60

<SKILL>

【商人の心得Lv2 (1up)】【刀術Lv6 (5up)】【短剣術Lv1】

【調査Lv2 (1up)】【視力上昇LvMAX(5)〈進化可能〉】

【直感Lv1】【集中Lv1】【受け流しLv1】

〈TITLE〉

[黒狼妃の単独覇者]

[格上への挑戦者]


 装備

 右手:初心の刀

 左手:なし

 頭:なし

 胴:麻の服(上)

 腕:なし

 腰:麻の服(下)

 足:麻の靴

アクセサリー重量:0/10

所持金:3564カラト

▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽


「こんな感じかな?」


 いつのまにか増えていたスキルと称号。【直感】は何か危険を察知したときに発動するもののようで、黒狼妃の戦いで、最後に動きを捉えられたのはこのスキルのお陰かもしれない。

 【集中】と【受け流し】はこの前やったことが、さらにきれいにできるようになることだと思う。技術をスキルで補っているって感じなのかな?


「ん~……本当に黒狼妃を倒したんだな……あー……でもステータスは弱いな。」

「やっぱり……」

「AGI・DEX特化で行きたいんだろうけど、このLvならすでに120・120を越えるのが普通だし……ん~……どうしたものかな。」


 120!?Lv13でもらえるSP量が60で、得意ステータスは13しかあがらない……


「えっ?おかしくない?」

「いや?……あっそうか。あのな、商人はLvが上がるごとに得意ステータス以外のやつが上昇するだろ?」

「正確には上昇した値以外の、だけどね」

「んで、全ての職業にステータス関連の補正が追加されたんだ。例えば≪盗賊≫なんかは得意ステータスがAGIしかないかわりに、2ずつ上がる、とかな。」

「へ~……武士は?」

「………得意ステータスの上昇が交互に行われ、ステータスに偏りが起きなくなる。」


 え?!…………すっごい微妙!


「実はな、商人はもちろん戦闘職じゃないから弱い。けど、武士もな?戦闘職のなかじゃ一番弱いんだ。非戦闘職の鍛冶師の方が強い。」


 もう、拓が泣きそうな声で話している。泣きたいのはこっちだ。段々と周りの空気が重く感じる。


「もう一つアカウント作るか?」

「それはいいかな。このアカウントは前のゲームでも使ってたやつだし。……黒狼妃の称号もあるからさ~。」


 やめるにやめれないとはこの事なのだろうか?

 基本的に私はアカウントを一つしか使わないっ!ていう方針でやって来た人だから、ここで長年の誇り?を失いたくないんだよね……


「はぁ~……ちなみに黒狼妃は隠しボスと言われるもので、敵MOBにNPCのAIを積んだものなんだ。どうやら、経験値もあるらしくて、戦えば戦うほど強くなっていくんだ。見つかっているのは第4の街に隣接するフィールドで出る[深淵を護り続けし者 Lv82]っていうやつだけなんだけど。」

「えっ?もしかして……そのフィールドって墓地?」

「なにを想像してんだバカ。確かに、錆び付いてボロボロの鎧破れかけているマント、兜被ってるから顔はわかんないけど………墓地に出る訳じゃあないな。」


 確か第4の街は、公式自ら「一番最奥の街の予定なので、これからは第3、第2のフィールドの方を広げていく予定です。」といっている。


「最奥の街かぁ……」

「まぁ、この街は対象Lv10だから、そろそろ第2の街に向かうのがいいかもしれんな。」

「フィールドボスと正ダンジョンの攻略だっけ?」

「そうだ…な。この街には隠しダンジョンはないっぽいから、正ダンジョンの攻略だけ手伝うよ。」


 正ダンジョンは公式にて発表されている、次の街に行く際に攻略しておかなければならないダンジョンのことで、隠しダンジョンは裏と呼ばれているみたい。

 各街に必要なダンジョン攻略数は違って、第1の街からどこかの街に行くときの必要数は一個でいい。だから、


「よし、このまま第3の街に行こう!」

「はぁ……言うと思った。今回限りだぞ?手伝うのは」

「わかってるって、始めてから一ヶ月間はお互い不干渉だもんね?」

「そうだー。……ほいっ、短剣だ。」


 うおっ!?『アンドレアからのギフトが届いています。受けとりますか? yes/no』

 もちろんyes一択だ。


「ありがとー!やっぱり拓のこと好きー!」

「現金なやつめ……その短剣は装備にDEX45必要だからな?まぁ、第2の街までなら普通に通用する品物だよ。」


 早速装備~♪やっと左手が埋まった~!


「ついでに俺が着るやつを着てくれ。」


 そういうと、最初に配られるアバターや全ての表記を見えなくすることができるコートをかぶった。


「はいはい。……よいしょっと。」

 入力一つでできるのも味気ないから、私は手動で着れるように設定してある。現実に近くするって大事なことだと思うんだよね。


「んじゃあ、ダンジョンに向かうぞー。」

「おー!」


「っと、その前に、進化可能なスキルは進化しとけよ?」

「おー?」

  ・

  ・

  ・

  ・

  ・

  ・

  ・

 私は今、ダンジョンの最下層(5層目)にいます。まだ30分と経ってません。というのも………


「拓、強すぎーっ!!」

「おまっ、バカっ!リアルの名前出すんじゃねえ?!」

「だって……私走ることしかしてないよ?」

「だー!わかった。ボス戦は補助に回ってやるから!」


 よし、これで少しは戦えるぜっ!


「そっかー、バトルジャンキーだったなお前。」

「え?なにか言った?」

「なーんも。さっさと扉開けて始めようさ。」

「了解っ!」


 ボスエリアの扉を開けるとそこには!!


『二体、侵入者、排除スル、』

   [マジックゴーレム Lv15]


「うっわ、お前本当に運悪いな。」

「ひどっ!これでもLUKは63もあるんだよ?」

「そっちじゃねえ!ってか、LUKなんて15ぐらいが普通だぞ?」

「うわぁー、初期値からあげないんだ~。」

「LUKなんてあってないようなもんだからな。」


「じゃあ、殺るから下がっててね?」

「はいよ。」


 ゴーレムの右腕が降り落ちる。

「いやぁ、大分遅いね?」

 刀を降り落ちる場所に構え、自分に当たらない程度、最低限の逸らしを行う。

 ―――ズドンッ!!―――

 真横にその腕が落ちる。腕を地面から戻そうとする待機時間(リキャスト)を利用して、腕を登る。


「本当に遅いなぁ……ゴーレムの核は基本、胸にあるけど、お前の場合はそれがフェイク。本物は体に隠れた小さい頭の中だろっ!」


 一気にマジックゴーレムの体を駆け上がり、頭が見えたところで、刀を肩にぶっ刺す。棒高跳びのように、刀のしなりを利用して大きく跳躍。


「見えたっ!これでっ!」


 頭頂のわずかに空いた隙間から漏れる核の光。

 そこめがけて空中からの落下の重さを加えた短剣で突き刺す。

―――キィン!!―――

 甲高い音…クリティカルヒットの音がなる。


 すぐに短剣を引抜き、何回か切ってから刀を抜きつつ降りる。


「おいおい………オーバーキルはいけないぞ?」

「え?」


 マジックゴーレムの体力バーは流れるように減っていき……そのまま、黒色に染まった。0だ。


「もしかして、クリティカルヒットで?」

「そうだ。まぁ、第2の街で通用する武器だからな~……」


 なんとも言えない空気の中、私たちの画面にダンジョン達成の華々しい文字がながれた。

このゲームのマップを

        未定

        Ⅰ

第2の街-----第1の街-----未定

        Ⅰ

       第3の街

        Ⅰ

       第4の街


だいたいこんなかんじです。街以外の場所には広いフィールドがあると思ってくれれば……

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