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黄と黒の悪魔


『あーっと?つまりあのときのワンころが出てきた近くなんだな?』

「はい、そうです!…ほん―――っとうに申し訳ありませんでしたぁ!!」

『はっはっはっ!別に気にすることでもないわな!――おぉ、ついでに転移石も何個か持っていけばいいか?』

「あっ……何から何まで…ありがとうございます。」

『まっ今回は事故のようなもんだ、運営が悪い!

そういやぁ、拠点ができたんだって?』

「そうなんですよ!まぁ拠点と言うよりは店なんですけどね。あっそうだ!ただで来てもらうのもあれなので、是非何か買っていきませんか?お安くしますんで!」

『そうか!なら楽しみにしておくかの。んじゃあしばらく待っとってくれ』

「わかりました!」




「はぁ~…どうにかなってよかったぁ~」


 いやほんと。ヘファイトスさんとフレンド登録してて良かったです、はい。

 ここの場所が伝わる人ってヘファイトスさんか拓ぐらいだしね、今のところは。そういえばまだ拓は帰ってなかったなぁ。もしかしたらラインは来ているかもしれないけどね。後で電話かけとこうかな。

 よし、待ってる間は………設定でも弄ってようかな。


 なんか今日は待ってばっかりだなぁ。


  ・

  ・

  ・

  ・


「よう、待たせたか?」

「いえいえ、全然待ってませんよ!それよりここに来てくれて助かりました……割とガチで」

「はっはっはっ!礼には及ばんよ。ところで一つ思ったのだが、運営から貰った転移石は何に使ったんだ?」

「えっ?…………えへへ……お知らせを見てなかったです……」

「―――はっはっは………まぁ、そんなときもあるさ!んじゃあ転移石はいらねぇか?」

「あっ、いえ。売ってくれるのであればいくつかほしいです」

「あい、わかった。こっちもそこの回復ポーションをいくつかほしいんだがいいか?」

「あ、いいですよー。ちなみに転移石の相場ってどれくらいなんですか?」

「店売りで1000カラトだな。」


 なるほど、回復ポーションが250カラトだから4つでちょうど支払えるとして……一個おまけするのでいいかな。


「じゃあ、回復ポーションを五個で交換でいいですか?」

「もちろんだ。てか、この店はほんとうになんでも売ってるんだな?素材まで売ってる店を見るのははじめてだはっはっは!」

「私の職業は商人ですし、いらない素材が一杯あるんですよねー。どうせ倉庫の肥やしになるくらいなら売っちゃえってかんじです(笑)」

「おおっ!レアドロップ品があるじゃねえか?!質もかなりいいしよ……なんでマーケットに出さねえんだ?」

「えー?…何となくですかね?」


 正直に言えば市場の存在を忘れてました!……てへ。

 でも、これからも市場にお世話になることはないとは思うけどねー。個人的にはあまり使いたくないですしおすし。


「よし、今度また金もってここに来るわ!ほしいものがありすぎて、色々と目移りしちまう。絶対にそこのレアドロップ品は確保しといてくれよな!」

「わかりました。まだ在庫なら一杯あるので是非買ってくださいね。あっ、今日は色々とありがとうございます!」



 ヘファイトスさんはこの店を出ると、転移石を使用してすぐにどこかへ飛んでいった。



 さっそく運営からのお知らせを聞いてみる。


「なるほどー、転移石を使用するときはMPが5消費されるんだね。んでクールタイムは10分と、連続使用はできないのかー………あ、一個転移石を貰えた………はぁー」


 憂さ晴らしにモンスター狩りでもしようかな。


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  ・

  ・

  ・


 はい。場所は第三の街から東に進んだところにある森に来ましたー。

 場所的には私の店から歩いて10分くらいの森なんだけどね。強いて言うなら

『ここはS1E1にあたる薄闇の森というエリアです。』

とのこと。

 試しにガイドを文章だけではなく音声で読み上げる機能を追加してみました!文をいちいち見なくていいってのは楽ですね!


「このエリアはなにがでるのかなぁ?………おっ、草花の最終ポイントがある!」

『入手。薬草レア度F、品質は良。毒果草レア度E、品質は可。薬草レア度F、品質は良。』


 うん、だいぶいいのが採れたね。たいがいレア度が低いものほど凡庸性に優れてるんだよなぁ。薬草の上異種とかが出てきたら変わるんだろうけどね。


「あっ!そうだ拠点の天然ダンジョンで栽培とかできないかなぁ。」


 そうなのです。何と我が拠点には天然のダンジョンがあるのです!しかも洞窟型のやつ!

 セーフポイントの範囲がせまいせいで全貌を見ることは大変なんだけど、どっかから水?が流れてるみたいで栽培にはもってこいの空間になってました!

 拠点に帰ったら試しに薬草とか植えてみようかな。

 

「うわっ!……なんか背筋がゾワゾワって………」


 すぐさましゃがんだ。頭をあげると鳥?のようなものが前方の大きな木に突き刺さっている。

 新しいキツツキのスタイルなのかな?


「なんて、ボケてる場合じゃなーいっ!!」


 頭をあげたあとすぐに体を横に捻る。


 ドッガアァン!!


 飛んできた何かを見る間もなく、瞬時に体勢を整えて跳躍。着地と同時に地面に伏せる。


 ドガァン!ドガン! ゴトッ…ドガァン!


 立ち上がりつつ刀を抜いて、構える。





「って、もう来ないんかーい!」

 なんだよ~、せっかく刀まで抜いて応戦する気満々だったのにー。

 ってか何が飛んできてたんだろうね?目で追えた範囲では、なんか鳥が羽を畳んで回転しながら貫こうとしていたような……まさにダーツの矢!


「木に突き刺さっている今がチャンスだね。ノーダメで簡単に倒せるなんて良心的なモンスターだよ~」


 止めをさすべく、大きな木の方へと体を向ける。

 そして…………すぐに体をもとの方向に向けて、走る。


 ブブブブブブッ――


「んぎゃあああああぁっ!!

だ、だれか、た……たすけてえええぇぇ!?

うわぁああん!!」



 大きな蜂の大軍が森を覆す勢いで迫っていた。




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