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イベント[第一章]:穢れ堕ちし生命の循環者④

しばらく投稿できず、申し訳ありません!


日曜ということで少し長めです。

次回は遂に初UBM討伐戦が終了です。

イベントも残り三話程で終わります。



≪うわあぁあぁ!やばいって!≫

≪む?何かあったのかの?≫

≪いや、これ死ぬって!死ねるって!…早く倒して~…≫


 急に体力の減りが早くなったと思ったら、地形効果に新たな効果が付属されていた。

 

 話は変わるんだけど、こういった地形効果は装備している足防具のダメージカット率や属性耐性によって地形ダメージが変動するんだよね。

 ……あのとき確かに防具は買ったよ?ちゃんと全身揃えたよ?……でもね、ちょっと………鎧系は高くて……服系の防具が安くてね?…。



 地形効果[強酸]はプレイヤーへの直接ダメージはさながら、その真価は防具の耐久値削りにある。

 服系の防具……それは主にプレイヤーのステータスを補助するためにあるものが多く、耐久値は已然低い。


 そして今、強酸の効果が顕れはじめてからあたふたしているうちに足防具の耐久値は残り半分となっていた。


(う~、ほんとにどうしよう……今のところ10発は撃ってくれているから、後50発程度で倒せるんだけど………もたないよねこれ)

 地形効果で忘れそうになっていたけど、この空間には敵MOBがたくさんいるのだ。


(……よし!力尽きること前提で時間を稼ぐ戦い方をしよう!…そのためには私の体力配分を考えないと…)



 アンデット系であるゾンビの類いは全体的に移動が遅いから、先に対処するべきはレイスの類い……でも物理が通らないんだよね~…。

 なんて、あれやこれやと考えているうちにロウアスペクターって言うMOBが攻撃し始めた。


 魔法による中距離からの攻撃のため、全速力で間合いを詰める。魔法はどうやら闇属性のものだから、冥府の外套が附与された短剣で打ち払った。

 ちなみに、武器で魔法を打ち払うなんてことは普通はできない。そんなことができてしまえばゲームバランスが崩れるからである。

 あ、でも受け流すことはできるらしい(このときのルフスは知らないが質量を持つ魔法スキルのみ、である)。少しダメージを受けるみたいだけど。



 そこで私は思いついたのだ!冥府の外套があの称号に属する属性に効果があるなら、武器に附与したとしてもそれは変わらないよね…と。


(よし!間合いに入った!)


 攻撃していたロウアスペクターを斬り伏せる……あれ?物理が通った?

 って、そんなこと気にしている場合じゃなーい!一体を斬り伏せている間にいつのまにか回りを囲まれてるし!

 なんの策略もなしにとりあえずレイス型のMOBを倒しまくる。どうやら、多くても5確で倒せるようでそこまで苦戦は強いられない。


 

 と思っていたら、更に体力の減りが増えた。遂に足防具が壊れたのだ。刀を秒間10ダメージ。残り体力的に70秒持つかどうか……あれ?これやばい!

 お、落ち着け……まずこのままでは、地形ダメージで死んでしまう。これを脱するには方法として二つ。

 私が死ぬ前に循環者を倒すか、私が受けるダメージを軽減または無効化する……そうだっ!そうだよ!……ふっふっふー、無効化すればいいだけの話じゃないか!


 さっそくその場で跳躍する…刀を体内に深く突き刺してから。その刀の持ち手の部分にうまいこと立ち、短剣を利き手に持ち替える。

 これでもバランス力には自信があるんだよっ。刀を深く突き刺したのはその場に固定するためと私の高さを中途半端……それこそ残りのMOBの攻撃が届く範囲にするためである。なぜなら……


「来たっ!」


 アンデット系……つまり、移動速度が遅くて倒すのを後回しにしていたゾンビたちが、私を攻撃するために近寄ってくる。

 このゲームでは敵のステータスINTが実際のAIの知能の高低に関わっているみたいで、こういうINTが低いMOBは実直にPLだけを狙ってくる。

 だから、この場合だと足元の刀を攻撃しようとせず、私のみを狙ってくるのだ。



 するとどうでしょう!ゾンビたちの首の高さに私の短剣を持つ手があるではありませんか!


「ふっふっふー!すでに私の策に掛かっておることを後悔するのだ~!」

  ・

  ・

  ・

  ・

  ・

  ・

 無双ゲームが如くゾンビたちをばったばったと、頭と身体に切り分ける作業を繰り返すこと十数分。私の体力はあれから減ってない。

 遂に廻りにアンデット系のMOBが見当たらなくなって(刀の上と足場は悪いが)一息つく。


≪ウルガさん?今、何発打ち撃ち込めました?≫

≪カカカ…そうじゃのう……………ふむ、どうやら43発のようじゃ≫

≪43?!……よくそんなにMPが持ちますね!?≫

≪カカカッ!………溜め込んだマナポーションがみるみるうちになくなっていっとるがのぉ…≫

≪うっ………ごめんなさい…≫

≪いい、いい。気にせんくていいわ…カカカ!≫

≪……では、この調子でよろしくお願いします≫

≪カカカッ!≫

 む~……これが終わったら何かお礼をしないと………ウルガさんには頭が上がらないよぉ…。



(そういえば………何か忘れているような…)

 そう思ったとき、刀の持ち手にものすごい衝撃がきた。


「うわぁっと!……痛てっ!」


 思わぬ衝撃に地面に落ちてしまう。そう、地形効果増々のところに。


 やばいっ!って思う反面、頭ではこの状況をひどく冷静に分析していた。あのときの事件と同じようにして。

 まず、刀を攻撃する考えに至るにはレイス型のMOB以外このエリアではいない。だが、レイス型はINTが高いとはいえ刀を攻撃するには魔法を使わないと行けない。物理の概念が存在しないからだ。もし、魔法を使ったのなら魔法の範囲内に入っているため私はダメージを受ける。けど、実際に落下ダメージしか受けてない。それに()()()()()だけをピンポイントに狙う必要はない。

 次に物理で狙った場合。これは別に刀が刺さっている根本でも良かったはず。それなのに持ち手付近を狙ったのは、万が一衝撃を逃されたときに備えて、私に近い場所にしたと考えられる。この時点ですでにINTが相当高いとわかるんだけど……なんで私を直接狙わなかったんだろう?

 とりあえず、この地面から足を離す方法を考えて、あの刀を手に戻さないと…。


 ポーションは作成するときにただのガラス瓶を必要とする。しかし、ポーションとして完成した後のポーション瓶は別物になると考えている。なぜなら、酸性の物が入っていても瓶そのものに問題はないからだ。使い終った後はただのガラス瓶に戻るんだけど……ちなみにこの考えにはレイラさんも行き着いていたようだった。

 そして、アイテムはその場にドロップ、捨てると1日で消える。逆を言えば一日たつまで消えない。


 これに至るまでに0.1秒と必要しなかった。そしてすぐさま行動に移す。


 インベントリにある()()()のポーションをあるだけ全部、地面にばらまく。


(即席だけど…とりあえずの足場はできたから!)


 攻撃を受けた方向を確認し、刀のある方に走り出す。ポーション瓶を跳躍するための足場としながら。

 ポーション瓶は以外と頑丈にできている。高いところから落としたり投げつけたりすれば壊れるが、私ぐらいの体重で重心の乗ってない蹴りぐらいでは壊れないのだ!

 AGIは跳躍力にも作用する。刀までは数歩で届いた。そして、右手にそれを左手に短剣を持ち、攻撃を加えた者に構える。


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