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イベント[第一章]:穢れ堕ちし生命の循環者

 おおっ!あの三パーティーがUBMの体力を半分まで削ってるよっ!これ行けるんじゃない?!


「カカカッ、このままわしらの出番がなければいいのぉ」

「うむ、それが一番だな」

「そうなんだけどさ……やっぱり物足りないよね」


 大きなダメージを与えているわけではないけど、確実にそして堅実に積み重ねていっている。

 うん、このまま数時間かければ必ず倒せるね……ただ、このボスに第2段階となければいいけど……あ、体力が1/4を切った。


「あれ?……もしかして、フラグ回収?」

「お?………何を想像してたかわかったような気がするの…カカカ……」

「口は災いの元とはこのことなのだな……いや、口には出していないか?」


 分かりにくい変化だけど、周りの草木が枯れ始めてその草木の魂?がUBMの周りを漂っていく。

 うわぁ…なんか一見神々しい姿なんだけど、微妙に身に纏った草木が腐ってるから……なんか…ねぇ?


 あ……徐々にパーティーの人たちが削られていってる。あぁー、なるほどね!腐った草木に覆われたことで、魔法防御と物理防御が上がったのか……さらに、物理攻撃力も上がってるみたいだね!

 もともと物理はほとんど効かないのがさらに効かなくなって……もともと水系のスライムだった?から炎魔法が通りにくかったのが、魔法防御力が上がったことで余計に効きずらくなったみたい。


 あれ?これ弱点ないよね?……だって光・聖属性は効かなかったでしょ?(たぶん、腐っても御神体だからかな?)そのせいでアンデット系の弱点を突くことはできないし…たぶんだけど、ウルガさんの炎系最大級の魔法で等倍の魔法ダメージを与えられる程度かなぁ。(三パーティーの使ってた炎系魔法のダメージ量から計算、算出した。……詳しい数値じゃあないけどね)


「あっ………これは…もう持たないんじゃ?」

「そうじゃのう……では、そろそろ行くか?」

「タイミングは任せる。」


 そういえば、UBMとかのボスと戦う場合って先客がいたら申請を送らないといけないんだよね……そうじゃないと確か攻撃が反映されないんじゃなかったかな?何のためかはあんましわかんないけど……たぶん何かしらの防止なのでしょう!うん、やっぱりよくわかんないや。


「でさ、申請はどうするの?まだ残っている人達に送ったらばれるよ…ね。」

「カカカッ、そうじゃの。では皆が力尽きるまで待つか?」

「えー………それだと彼らに報酬が入らないでしょ?」

「はぁ……その問題はわたしが既に解決してある。やつらは気がつかなかったようだがな。ほれ、参加パーティー数を見てみろ」


 おぉっ?……あっ、ほんとだ!参加パーティー人数が4になってる!

 けどどうやって?


「戦闘が発生したと受理されるのは発見してどちらかが攻撃してからになる。だから、戦闘が始まる前にレイスをわたしたちのPTに入れて、そいつをあのパーティーの一人に取り憑かせていた。そうすれば問題はなくなるだろう?」

「おお!さすが幽鬼狼!約してさすゆう?」

「カカカッ、最近の言葉はよくわからんのぉ」

「………よし、それじゃあ行こうか!……の前にそれぞれの役割を確認!」

「うむ、わたしはここで待機して出てきたアンデット系の対処をすればいいんだな」

「わしは魔法でヘイトがたまらない程度に攻撃じゃのう」

「私は隠密スタイルであのボスの周りをうろちょろ&チクチク攻撃だね………たぶん攻撃は意味ないと思うけど…ヘイト稼ぎのための回避型タンクだね!」

「さて、そろそろ行くぞ?奴等が持たんかもしれないのでな」

「よし!では……いっくぞー?」

「おー!」

「カカカッ、若者は元気じゃのうて……おー!」

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  ・

 状態異常で既に動けない完全特化のパーティーメンバーにやつが近づいていく。先端が草木によって鋭く尖った触手で貫こうと構えている。


(間に……合っ……たぁっ!)


 そんな触手に刀で一太刀を浴びせる。ダメージとしては全然だけど、このゲームのシステムである奇襲効果のお陰でタゲは取れた!

 ちなみに奇襲効果とは、まだ気付かれていない状態で攻撃を行うと、強制的にターゲットがこちらに向き、与えたダメージが2倍になるというものだ。

 前は私の隠密セットだけじゃあ気づかれたんだけど、後ろを向いてたってことと、倒れている一人にとどめを刺そうと気をとられてたからバレなかった。……まぁ、スライムに前とか後ろとかの概念があるかはわかんないんだけどね。

 1種の賭けだったけど、これがうまくいったのはうれしい。


(さてと洞観、洞観……っと!…………あれ?普通に強いよね?これ)


 数値化して“攻撃力”とか“防御力”とかは求められないんだけど、残量HPが50万…………万っ?!


(やばいよこれ?…STR、DEF、INT、MNDが四桁もあったし…)


 見れたのは一瞬ですぐにジャミングがかかるようになったんだけど、それでもこれくらいのことは読み取れた。


 これ作戦通りで勝てるかな?……まぁ、ここまで体力を減らしているんだし、勝たなきゃ損だよね。


 え~っと?……[穢れ堕ちし生命の循環者(スライム)]だったかな。

 レベル差も大きくあるし、タイプ的にも不利だけど……負ける気は無いからね!


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