イベント[第一章]:念願の商人プレイ
寝ぼけ眼で書いたので……少し文章がおかしいかもしれません。
ごめんなさい!
夜が明けた……けっして幽鬼狼が出した夜闇の霧の夜じゃないよ?…イベント二日目の朝を迎えたというわけなのだ。現時刻は午前4時30分。既にウルガさんは寝ている。
私?もちろん寝ていない。……というのも、たしかに丸一日過ごした感じがするんだけど、よく考えてみたら現実時間ではまだ一時間もゲームしてないんだよね。
そう思うとこれがなかなか、眠らなくてもいいように感じてきてさ~。
それとは別に、今のうちにやっておきたいこともあるのだ。
あのパーティーが通った道を辿ると(千里眼で見た)、幽鬼狼のところまでの行く道が、途中で一本の道になっている部分を見つけた。
いくつもあるルートがひとつにかたまっている……すごくない?!ここだけを見れば人通りは大分多いよね!
「ってなわけで、ここに簡易的な店を造りまーす。」
実はもう名前を決めているんだよね。あとは看板を作るだけなんだけど……ここで行うのはいわゆる路上販売というやつだ。だから、用意するのは敷物と商品と値札……それだけでいいのだ!(本当はもっといろんなものが必要かもしれないけどね?)
ついでに、[落とし物]というコーナーもつけておく。もし、あのパーティーが来たらこれを盾にしていろいろと情報を聞き盗れるかもだし。あ、もちろんお金は払ってもらうよ?……んふふっ、私…いかにも悪徳商人っぽいでしょ?
「とりあえず、商品を並べておいて……直感スキルを全開で、寝る!!」
やっぱり睡魔には勝てなかったようだよ………というのは冗談で、私の持つ加護スキルは精神に負担がかかるっぽいから、休めるところで休んどかないと効果が弱体化したり、継続時間が短くなったりするかもしれないから、万が一のことを考えると怖いんだよね。
あ、ちなみに今の私は隠しコートを着てなくて、なんの違和感もない、PNと職業とLvを開示したどこにでもいる一勇者軍所属のPLなのである。
いやぁ、冥暗狼さんさまさまだねっ!
「誰かがここを来たらたぶん直感が教えてくれるはずだから……それまではお休みなさい」
まぁ、私自身眠りが浅い人だから、誰かが私の前を通れば普通に気がつくとは思うんだけどね?
それに、幽鬼狼のとこに行く道には必ずここを通らないといけない……私は盾としてここにいるのだ!
通行料金はさすがにとらないよ?怪しまれそうだからね!………そうそう、私の商品の中にここら一帯を記した地図があるんだよ。
その地図は、本当に正確にここら辺の道全てを記録している。ただ、そのうちの数本の道には赤でばつ印を。残りのすべての道には青色でなぞっている……。
これをどう解釈するかは人それぞれだから、私はなにも言わないよ?
……しいていうなら…「青色でなぞった道はMOBがあまり湧かず、
安全に通ることができますよ。」
ってことくらいかなぁ…。ま、これも事実なので問題はないでしょう!……嘘はついてないんだし。
ふぅあぁぁ………ほんとにそろそろ寝るか~。睡眠欲を満たさないと健康に被害が!
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「――――んっ……あっ、直感が反応してる」
何かがこちらの方向に近づいてきているようだ。何となく検討をつけて千里眼で探ってみる。
って、いたいた。知らない5人パーティーだったけど……。距離はおおよそ500mってところだねー。
「んー、なかなかにLv(平均101Lv)が高い者達ばっかりだなぁ……けどさ…全員が片寄りすぎなんだよね~」
一人は右手に盾・左手に盾を持ち、一人は右手にクロスボウ・左手にクロスボウを持っているというように………どれかひとつ…なんていう縛りプレイでもしてるのかな?
ん、だんだんと距離が短くなっていくにつれて、私の店を眺める者も出てきた。立ち寄るか立ち寄らないか悩んでいるのだろう!……きっと!
おっ、私の方を見た!ここは笑顔笑顔っと!
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ついに、この5人パーティーが私の店に立ち寄った。
「いらっゃいませ!当店では、ポーションから武器まで、MOBの素材までも扱っております!」
「正直アイテムが尽きかけていたところなんだ。これでもこの山岳地帯の半分も進んじゃいないって聞く。この先もっとメンバーが疲弊するかもしれない……何か方法はないだろうか?」
おそらくこのパーティーのリーダーと思われる、大剣二本持ちのプレイヤーが質問を投げ掛けた。
さて、相手の条件はアイテムの補充とメンバーの疲弊の緩和だね!
「まず、消費アイテムの補充としてはこちらのレイラさんが作ってくれたポーションがあります。少し値段は高くなりますが……。安いのがよければ、こちらの私が作ったポーションがありますが……どちらがよろしいでしょうか?」
「あー……そうだな、じゃあ安い方で頼む。」
「ありがとうございますー。それで、お仲間さんの疲弊についてなんですが、なぜ疲れたのでしょうか?」
「なぜ?……おそらく一日中山を歩くことの予想以上のつらさと、無機物系・アンデット系のMOBしかでてこないから、長時間の戦いになることが原因だろうな」
やっぱり!そうだよねそうだよねっ!……だってそういう性質を利用するために、地図と安全な道をつくったんだもん!
ひどいって?……んふふー、守るためならどんな手段も問わないのだ!……まぁ、無視してくれることが一番うれしいからこう言うてをとってるわけなんだけど……。
「ならば、これを見てください。私が検証してきたルートを描いた地図です。青色と赤色で区別しているので人目でわかると思います」
ふっ……検証してきたルートはたしかに描いた……すべて検証したとはかいてないけどね~。(幽鬼狼にMOBを動かしてもらってるため、実質ここから先のすべての道は安全)
それに、赤と青が何を示しているかもいってないのにねー?
「おっ?………おおっ!!これは助かったぞ!…この地図を買うことはできるか?」
「ええ。もちろんできます。16000カラトなのですが……」
「いやいや!十分安いよ!ってか安すぎるくらいだ!」
あれ?そうなの?…………今度レイラさんに頼んでこのゲームのアイテムの相場を教えてもらわないと……
「そうですね……今回はイベント初のお客様ということでと区別に安くしました。また、私のところで商品を買いに来てくださいね?」
「そうなのか!そりゃありがたい!…いつかこの恩を返すとしよう…では、俺たちは先を急ぐのでな!」
値段きっかりのカラトをおいて、休むことなく、探索に出ていった。
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あれからお客さんは数パーティー程来ている。やはり、消費アイテムの補充目的が多く、ここに作ったのは正解だったと思う。
ちなみに、インベントリにレイラさんからもらった魔動力式キッチンが入ってるから、在庫が消える可能性はそんなにない。
そんなこんなで商人プレイをしてから約10時間……まだ、あのパーティーは現れていない。




