表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

39/62

イベント[第一章]:ごめんなさい!

※範囲についての記載を修正

「えっ?なにこれ?」

 魔法を使った瞬間、ここら一帯の空間が歪んだかと思うと、周りの草木や土が蒸発していくように消えていく。

「カカカ……こりゃあ、たまげたのぉ……」


 木々や草木が消えた場所を見ると、荒れた―――違う。壊れた地形が露出していた。


「もしかして、大魔導師さんの魔法が……」

「何してるんだ!すぐにその術を止めろ!」

 何が原因なのかを考え始めたとき、少年特有のちょっと高い声が響きわたった。緊張感をあおる声音だった。


「え?あっ!はい!!」


 ……あ、やばっ。咄嗟に言うことを聞いてしまったーー!!!やっちまった!!

 

「カカカ、ルフスは素直なやつよのぉ。……今回はそれが功をなしたようだがな」

「えっ?どういうこと?」

「カカカッ!お主が幽鬼狼であろう?」

「………印があるか……なるほど、お前さんらが連絡にあった護衛だな?………言いたいことはいろいろあるが、わたし()()はおまえさんらを歓迎しよう。実力はあるようだしな」


 まさかの幽鬼狼!?……でも、見た目は完全に人だよ?ちょっと透けてるけど。しかも…見た目と声が12歳くらいの少年!!……だからなのかな?…すっごく違和感を感じるんだよね……。


 あっ……言いたいことってもしかしなくてもさっきのことだよね?……謝った方がいいよね?………ごめんなさい。

 

「謝罪は別にいい。予測して対策できなかったわたしが悪いからな。そもそも来たことに()()()()()()()ことをわたしは悔いている」


 うーん、やっぱりそのしゃべり方と明らかにミスマッチなんだよなぁ。……まぁ、背伸びしてる風に見えるから少しかわいいんだけどね。


「生憎、ストックしている人の体に老人はいなかったからな。

―――さて、お前さんの魔術のせいでここの空間がもとに戻ってしまった……どうやってわたしを守る?」


 そうなんだよなぁ……私たちのせいでここの地形を壊してしまったし………ん?()()()()()()()


「ここを壊したのってもしかして大魔導師さんのせいじゃない?」

「ん?あぁ。あの爆発程度ではここの山は削れんぞ?まぁ、砂とか小石なら消せるだろうが……しかし、そこの黒いやつのせいでわたしの勢力の半分以上が消えたぞ?草木の霊を利用して隠れ蓑としておったが、それもなくなったからな」


 うわぁー!指差して睨んできてるよぉー!……こ、これって…怒ってる……よね?


「え、えっ、とー…………ほ、本当に申し訳ありませんでしたぁっ!」

「カカカッ!護衛の難易度が意図せずにしてあがったのぉ!これは楽しそうじゃて」

「はぁ。黒いのがすぐに術を止めてくれたはいいものの……あの状態に戻すまで短くても3日はかかるぞ?」


 え、えっ?えー!………ど、どうしようっ!!…な、何をすれば?!うっ……ほんとにどうしよう……。


「ルフスよ、わしらは何をするためにここへ来たんだったかのぉ?……最近物忘れが激しくてな、年はとりたくないものだ!カカカ」


 何をするため?それは幽鬼狼の護衛でしょ?…………そうか!


「だ、大丈夫ですっ!私たちは幽鬼狼さんの護衛としてここに来たので、命に代えても絶対に守り通します!」


 目的は幽鬼狼さんを護衛すること。ウルガさんの言う通り、ちょっと難易度が上がっただけなのだ。

 ……ん?…な、何で幽鬼狼さんとウルガさんはこっちを見て笑ってるのかな?


「カカカ、お主とはいい酒が飲めそうだのぉ」

「そうだな、やはり成人のストックも必要か」

「と、ところでさ……幽鬼狼って、狼なの?」

「いまや実体はない。狼と呼べるかも怪しいな。まぁ、弱点属性が聖属性と光属性だからアンデット系のMOBなんだろうが」

「カカカッ、そういえば足りないPLを補足するためのMOBとやらはそこのアンデット系のやつらかの?」

「あぁ。そいつらと、地中に潜っているレイスたちだな。…………8体のゾンビ系のMOBと13体のレイス系のMOBだ」

「えっ?少な…………ごめんなさい」

「いや、いい。ところで、何かわたしに要望とか意見はあるか?あれば言ってくれ」


 んー、たぶんこの場所にはトッププレイヤーがいっぱい集まると思うんだよね。んで、たぶんそういう人ほどカラトを持ってると思うから、なるべく自然な形でアイテムを売り捌きたいんだよねー。そうじゃないとちょっとインベントリが……ね。


―――……!……っ!――――


「えっ?……何か言った?」

「お?わしはなにもいっとらんぞ?」

「…………?……東北東、3km先……に何かがいる」

「東北東の3km先?」


 私の【千里眼】でみえるかな?使ってみよう。


「痛っ!……うぅ…見え………な……たぁ!」

「むっ!どうしたルフス!何が起こっている!」

「だ、大丈夫……です。……たぶん」

 はぁ……はぁ………よし、今度からは1km以上離れてたら【千里眼】は使わないでおこう。……たぶん距離が遠すぎると脳に負荷がかかっちゃうんだろうね。おかげで頭が割れるかと思ったよ!


「東北東のだいたい3kmに6人パーティーがいました。たぶん進行方向は私たちのいる場所ですね」

「カカカッ、運が悪いのぉ。MAPがだいぶでかくなったと言うのに、真っ先にこっちに来る者がいるとは!」

「PLすべてを使えば、当てずっぽうでも高い確率で行ける…か。まさか初日から攻めに来るとは思わなかったが……さて、どうする?」


 えっとー、ん~……そういえば、さっきの意見と要望ってどこまで叶えられるんだろう?


「そうだな、ここの環境を少しいじる程度といったところか」


 なるほどー。……ってことは姿がばれにくい夜の状況にすることもできるのかなぁ?

 そしたら、【融闇】も有効になるし……それで奇襲できるなら、もしかしたら撃退できるかも。ウルガさんのキャストタイムを少し稼げるかもしれないし。


「わかった。ではこの山を夜でおおえばいいんだな?………とはいってもそこまで大きなことはできない。―――直径1.7kmの円の範囲内なら可能だ」

「えっ!できるんだ!……じゃあお願いします!」

「カカカ……最近のものの話にはついていけんわい………」

「さて、大魔導師さん!これから護衛の任務です!フルメンバーの1パーティー東北東の3km先から来ています。見た感じ、杖持ちが2人で大盾持ちが一人。軽装の剣持ちが一人に大きな剣持ちが一人、弓と短杖持ちが一人です。……それを私たちで追い払いましょう」

「カカカッ!なかなか難しそうじゃな?作戦はあるかの?」

「はい。まず、第一に幽鬼狼を戦いに出しません。この戦いの目的は()()()()することですからね」

「なるほど。だから“追い払う”なのか」

「カカカ、もっと難しくなったのぉ。二人で敵を生還させるとはの」


―――じゃあ、作戦を今から言うね?






~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




 作戦実行からおよそ3分後、

 暗く荒れた墓地に二人の悲鳴が広がる。

面白かったよ!続きが気になるー、と思ってくれたら、評価等をしてくださると幸いです。


(^_^)vこれからも頑張ります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ