試行と考察
「ふぅ……やっと終わったー!」
一階は店にした。商品は……何でも屋?みたいな感じだね。
入り口から見えるは会計場所であるカウンター。180°囲うタイプのやつだ。
そのカウンターから右半分に武器・防具の類を、左半分に消耗品を置いている。
もう少し詳しく言うと、右半分には武器を立て掛けるラックを三個、その対面に三個の計六個置き、武器を種類別に立て掛けた。そのラックの隣には防具立てを4個立ててある………NPCの武器防具SHOPを参考にしてみました!……しかし、まだ品物が少ないからか、その隣がまだ武器ラック2個分も空いている。
左半分にはレイラさんが作ったポーションをメインにその他もろもろの消耗品(一時的な耐性強化アイテム)等を置いた。一応私の作ったポーションを置いてはいるけど……そこまで需要はないだろうなぁ。
そんな感じで、店の特徴としては私が直接契約を交わした人たちの作ったものしか売らない!(私が作ったものはok)というものである。……いつかはこの店専用の商品とかをつくってほしいなぁ…。
それでもまだ品揃えが少ないから、店の1/2くらいは空いている。もちろん、真ん中は通路として大きく空けているのに……だ。
「んー……どうしようかな?」
右半分の空いたところにはアクセサリーでも置くか?ちょうど、家具であるガラスのショーケース(思わず3個も買ってしまった)がある。………まさかこの世界にこんな近代的なものがあるとは思わなかった…。
「けどなぁ………アクセサリーは試しに作ったショボいのしかないから……んー、とりあえずショーケースだけおいておこうかな」
一個だけ、右半分に置いてみる………うん、インテリアとしてはいい感じかな?
「なんかバランス悪いなぁ………反対側にも置いてみるか」
左側にも一個置いてみる。
「中身……中…」
何をおけばいいか迷い、インベントリを開いてみる………うわぁ…いろんなモンスターのドロップ品で大変なことになってるよ…。
このインベントリの容量はそこそこ大きい。それこそ、だいたい1000kgくらいは。そのうちの850kgも埋まっていたのだ。
その9割がモンスターのドロップ品というね……?
「LUKってあげるとこんなことになるんだ……」
レアドロップが出やすくなるとか…そんな感じかと思っていたけど、そもそものドロップ率が上がってるなんて予測できるかっ!
「って、品質もほとんど“良”じゃん……LUK補正の掛かった攻撃とかあればいいのに…」
実際、ゴーレムの核なんて5つも手に入ってるし……これってレアドロップだったよね?
他にも“群犬の魔鋭牙”や“群長犬の心魔石”といったレアドロップが良品質でどっさりある。
「んー、こんなにあっても正直使わないんだよね………よし、ここのショーケースにはレアドロップ品を一種類ずつ置くか!」
買う人がいるかどうかわかんないけど、在庫は一杯あるしだいじょうぶっしょ!
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さて……やることがなくなった。18時まで3時間もあるし……ちょっとポーションの研究をしてみるか!
「まず、私が作れるポーションは体力回復型(固定値回復☆9と割合回復☆9)と魔力回復型(固定値回復☆8と割合回復☆7)、状態異常回復型(毒・麻痺☆9)。そして状態異常付与型(毒・麻痺☆4と睡眠☆2)の四種類が作れる。」
その他として、リジェネ型(秒間5回復)のポーションも作れるけど……需要が無いんだよね。
「んー、私としてはレイラさんから貰ったポーションを使っていろいろ試したいけど……数が30と少し心許ないかなぁ…」
ちょっと作ってみるか~。とりま洞観!
“回復ポーション” F
<品質:最良>
<効果:0%のHP回復>
材料
・焼けた薬草
・きれいな水
えっ~と?……確かに一番効果の薄い回復ポーションを作るなら水に薬草を入れて沸かすだけでいいけど…(昆布のダシ取りみたいな感じ)
「焼けた薬草?………たしか…薬草の葉脈に流れる養分に回復効果があるから(何回も実験して調べた)…焼いたってことは回復効果を潰した?」
………そうかっ!!焼いて回復効果を失っても、アイテムとしてはまだ“薬草”として認識される。なら、それでポーションを作ろうとすれば、分類上回復ポーションと同じレシピになるから回復ポーションができるんだけど、回復効果を持つ材料が一切無いから0%のものができる。
「なるほどね……その方法はちょっと思い付かなかったわ。ってか一回焼いたことあったけど……炭化した何かっていうアイテムになったような…」
たぶん、絶妙な焼き具合があるのだろう……とりあえず、今手持ちに薬草は120枚しかないから……80枚までに成功させないとなー。
「まずは五秒で炭化させるために必要な火の温度を調べるか…」
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うん、5秒きっかりでギリギリ炭化させない温度では、焼いた薬草になった。
「んー、もう少し長時間焼く必要あり……かな?」
引き続きしらみつぶしでいきましょー!
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「よしっ!できた!!……温度は中火の強めで10分間焼く。間に鉄製のもの(フライパン等)を通したときは強火の強めで7分間……とメモメモ」
確かに、熱で焦げ始めていたので焼けた薬草だね。
「後はこれをきれいな水に入れて………このパターンはシェイクすればいいのかな?」
振ったことによって濁った水をろ過して、透明なきれいな水にする。残った濁水やらなんやらはそのまま捨てるしかないかな。
「おっ、光った………アイテムとして無事認定されたー…やったー!」
おー、ちゃんと回復効果0%になってる。これでベースは私も作れるようになったし……これからは実験し放題だねっ!
「って、そろそろ18時か~、ログアウトだな」
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「よし、とりあえず洗濯物を回収だ」
ふっふっふっ……今回はあらかじめ近くにこれを用意しておいたから問題ないのだ!
「よっこいっせっ?!しまった手がすべっ……」
―――ガシャンッ!!―――
いてて……もう!これを起こすだけでも面倒なのに~




