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不利の理由

「不利?………なんで?」


 まだイベントについて公式からの詳細な説明はされていない。なのに、何故不利だと思ったのかがわからないのだ。


「そうだな……まず、このイベントで()()()()()()()()()()()()()ってなんだ?」


 んー?………たしか掲示板によれば、魔王軍と勇者軍に分かれて大規模なPL同士での攻防戦のはず。

 だからしなければならないのは、私たちの軍は十二狼の防衛………ん?……どうして強制なんだろ?このゲームは自由を代名詞としていたはずなのに…。


「強制……………魔王軍と勇者軍の()()。」

「そういうことだ。このイベントは参加することが既に強制されている。…そうだな、()()()()()()()()()()()()()()()()()と言えるな。」

「参加すること……。」

「ああ、今回のイベントのきもは『魔王軍と勇者軍のどちらかに必ず含まれる』ということだ。」


 そうだ……期限内にどちらかの軍につくか決めなかった場合は、これまでのゲームのプレイ方針から自働で振り分けられるんだった。

 たぶん、PKとかよくする人の場合は魔王軍……みたいな感じなんだろうなぁ。


「参加そのものを拒否する方法は無いということだね。」

「いや?そういうわけでもない。そのイベント当日だけログアウトしていればいい話だからな。」


 あっ、そっか。その手があるじゃん。…………ん~?


「その可能性があるのになんで勇者軍と魔王軍を必ず決めなければならないんだろうね?」

「そう。それだ。参加したくなければログアウトすればいい。だがこの世界を運営する側にとって、たくさんのPLが抜けることは望ましくないはずなんだ。」

「だよね。そんなんじゃあ、運営に当たって不利益にしかならないしね。」

「そうだな。だから、普通は参加自由にするはずだ。」


 このゲームはそれ専用のVRヘッドギアを使うことで独自の回線に通し、毎月一定量の料金を得ている。

 まぁ、詳しい話は知らないけどねー。ただ、一つ言えることは、その料金はとても安いということだ。


「えっ?………一体運営はなにがしたいの?」

「さあな…少なくとも両軍のどちらかに分けると言うことが重要なんだろうが―――きっとあのことも含めて魔王軍が不利なんだろうな。」

「は?」


 だめだ……さっぱりわかんない。


「あー、……まずはこの世界の基本についておさらいをしようか。」


 この世界の基本。それは最初のアバター生成の際にで言われる注意事項のようなもの。たしか全部で六つあったはずで。

1.HPがつきた時Lvに応じたペナルティが発生する

2.J.SJは転職が可能で、Lv50から可能。一度身に付けたスキルはその職業でも使用可能であれば引き継がれる

3.スキルは職業Lvによって得るものと自身の行動によって得られるものがある

4.街中でPK・NPKは可能だが、指名手配を受けることがある

5.ログアウトする際は宿・ホームと付く場所で行わなければ次ログイン時マイナス効果が付与される。

6.PLは自由

  ・

  ・

  ・

「だよね?」

「ああ、合ってる。」

「えっへん!」

「………………今回注目するのは1番と4番だ。…掲示板にもある通り、十二狼を守る魔王軍と討伐する勇者軍とのPL同士の戦いになるだろうな。んで、PLは力尽きたら街のセーブポイントで復活する。―――じゃあさ、魔王軍所属の者はどこで復活するんだろうな?」

「んー、普通に街じゃないの?」

「そうだな。そこで4番だ。敵が近くに湧いてくるんだ。報酬もかかってる。さぁ、他のPLはどんな行動をとるだろうな?」

「!………潰しに…かかる……。」

「たぶんな。まだ確証はないが……」


 ………!ここはどの街よりも格段と施設が整っている。なら、開始場所もここからって言う人も多いはず。


「なら、早くここから離れた方がよくない?」

「どこに?」


 そっか………フィールドには出られないんだった。確かにこういうことを考えると、魔王軍は不利かもしれない。何せ、未知の要素だし。


「………あっ!確か自分のホームにも飛べるんだよね?」

「ん?そうだけど……そのホームのある街にとんだ方がよくないか?」


 たしかにそうなんだけど、一ヶ所だけセーフポイントがあったんだよね。で、この世界でホームをたてられる条件はひとつ。安全なポイントで、ある程度の広さの土地であること。

 

 ダンジョンのボス部屋とかもボスさえ倒せば、次のボスが湧くまではセーフポイントとなるんだよね。

 なら、そのボスが、世の中に一匹しかいない存在なら?


「街じゃなければ?」

「!………見つかったのか…。」

「まあね。とっても落ち着ける場所だよ?」


少し前置きが過ぎましたが、次は………!

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