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アンドレアの予測

 結果としては、


  “初心の刀”

耐久力:∞

重量:1.0

物理攻撃力:160~210

魔力補整:+100

属性:無属性[冥]

クリティカルダメージ:100%

<能力>

【黒狼妃の加護】

【冥暗狼の加護】


 こんな感じになった。


「無属性……があるのは知ってるけど、この[冥]って表記はなんなんだろう?」


 詳しい表記を見ようとしても、空白しか現れない。逆を言えば空白だけが現れるので、バグか何かなのか?!とビビりながら―――放置しておくことにした。

 というのも、今回も冥暗狼がそばにいるかのような感覚がしたからで、それなら問題ないでしょう!と特に理由なんてないのが実情です(笑)


 すこし具体的な説明をするならば、このゲームにおいての“感覚”とは、おそらくこの先起こるであろう未来を演算によって絞りだし、警告として発するもの……と考えているからだね。

 例えば、スキル【直感】。これが発動するのは事が起こる直前であり、絶対に起こりうる内容だ。その“事の先”は変わるかもしれないけど、その事じたい……過去でもなく未来でもない“今”は変えられない。


 んで、そういう仕様(と考えている)だからこそ、この感覚は絶対に正しい………と思うことにする!


「……んー……冥暗狼の力で刀の見た目が初期に戻った。」


 予想通り、今回の作成では隠蔽………つまりアバター装備の隠しコートの効果が強い版…が刀に付いた。

 詳しく言うと、ウィンドウに新しい設定画面が追加された形になっていて、この隠蔽効果をある程度いじることができる…………けど、この設定画面でいじれるのはアバターの見えかたのみらしい。

 刀もその影響を受けて、どこからどう見ても初期のころの姿になっている。べつに範囲を刀のみにして隠蔽を解けばもとの姿(黒狼妃の魔石が付いた姿)に戻るからいいんだけど。


「せっかくだから、マーカーの色を青色にしてみるかあ…。あっ!ついでに隠しコート無しでも私を認識できないようにしとこっと。」


 認識できないといっても姿が見えないわけではなくて、なんかもやもやあっとしてる感じになるだけっぽい。

 あ、それでも隠しコートと同じ効果を発揮してくれるから、さっきから問題はない。ちなみに、名前と職業すらも表記させてないよ~。


 ………え?なぜ宿の外にいるかって?……拓が図書館で情報収集をしようと言ったからだ。追記で図書館で待つとも……。


「はぁ………見てろよ拓ー、絶対驚かしてやるぞ~?」


 

 このときすでに…ルフスという存在は知られなくても、初期武器を携え黒いモヤに覆われた姿……すなわち正体不明という存在が掲示板にて広まっていた。

  ・

  ・

  ・

  ・

 図書館についたはいいけど、アンドレア()以外誰もいなかった。


(あれ?まだ21時位だよね?………なんで誰もいないんだろう。―――まぁいっか!驚かす分には問題ない、っていうか好都合だし。)


 初心の刀に付いた効果【冥暗狼の加護】にはいくつかのスキルが付属していた。

 説明としてはこうだ。

『この武器を装備している限り、任意で【絶気】【融闇】を使用することができる。スキル発動中はそれぞれ1秒間に1MP消費する。スキルLvはMAXとして扱う。』


 うん、強いね。MPさえ満タンなら両方の発動でも今の私のステータスで425秒は持つ。


(“絶気”は文字どおり気配の一切を絶つスキルで、“融闇”も文字どおり闇と融合するスキル。………たしか、どっちも冥暗狼が使っていた技だったと思う。)


 そして、“絶気・融闇”を使って、アンドレアの死角を縫って接近する。

 見ている限り、1つの本………絵本?を険しい表情で読んでいる。



 この世界の文字には3つの種類がある。

一つは自分達が最初の設定で定めた言語。

一つは私が苦労して読み解いた魔法文字。

一つは歴史系の本に多い、この世界の独自の言語。

 今、アンドレアが読んでいる絵本は三つ目。この世界独自の言語だ。


(あんなにも真剣な表情は久しぶりに見た……ちょっと、のぞいてもいいかな?)


 少しずつ、でも確実にアンドレアのもとへ歩み寄る…………決してストーカーとかじゃあないからね?


「ふぅ、ルフス!いつまで隠れているつもりだ!」

「えっ?!!…………ルフスハココニイナイヨー」

「そうか……」


 おろ?私はまだ絶気も融闇も切ってないはず……あっれ~?なんで拓は私のいる方向に歩いてこれるんだろう?本棚の()に同化しているから、拓に私の姿は見えてないはず……なんだけどなぁー。


「はぁ……パーティーメンバーの居場所はMAPに表示されるだろ?」

「あっ………それも表示しないようにしとけば良かったかぁー。」

「まてまてまてまてっ!……お前はいつからゲームシステムを改造できるようになったんだ?!」

「んー?改造?………これは装備の能力なんだけど…。」

「装備!!…………今度詳しく話を聞かせてくれ。」

「いいよー。で?情報収集って具体的に何をするの?」

「あ~………もしかしたら今回のイベント…魔王軍がだいぶ不利になると思う。」


 不利?………まだイベントすら始まってないのに拓は一体何を考えてるんだろう?

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