イベント掲示板!
今回も拓の視点です
―――よし、こんなもんかな?
「桐紅ー、晩飯だぞー。」
「………ん…わかった。」
眠たそうに目を擦っている……って、そうだ。
「ちょっと待ってろ。起きたんなら運びに行くから。」
「ごめん。」
謝る必要なんてねえんだけどなぁ……俺も時々忘れるし、運ぶの。今のもその時々に当たるんだけど…
「今日は無難に和食にした。ちと物足りないかもしれんが、あんまし動いてないから問題ねえだろ?」
「拓の作る料理は何でも美味しいから問題ないと思うよ?」
「そうか。」
なにも味について聞いたわけではないんだが?!まぁ、こいつ自身が和食大好きっ子だし大丈夫か。……昔から食物アレルギーとか好き嫌いとかなかったから、作り手としては楽だな。和食は味噌汁と副菜さえ手を加えれば良いから簡単だし。
ちなみに今日の献立は白飯と絹ごしとわかめの味噌汁。小松菜と油揚げのにびたしと秋刀魚をただ焼いただけのやつだ。
え?一品少ないって?………明日にでも買い出しに行ってくるさ。
「なに考え事しているの?早く食べようよ。」
「はぁ……わかったよ。早く食べないと冷めちまうしな。」
以外と急かしてくる桐紅も、飯を食うときはけっこう静かだ。行儀が良い……性格に似合わずな。
「「いただきます」」
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「ふぅー…自分で言うのもあれだが、俺の作る飯はうめえな。」
「確かにそうだけど……自分で言うのは…ねぇ?」
ふん。事実なんだから良いじゃないか。……それでも料理の腕は桐紅の方がうまいんだがね。
そう、桐紅はなんでもできた。料理に裁縫、物作りなんてお手の物。おまけに体育の成績は必ず5でスポーツをやらせたらほんとに何でもできた(剣道・弓道・アイススケートはやったことがない)。勉強も、一位ではないが上位には入っていた。
―――だからなのかもしれない…。
「そうだ。このメンテナンス終了から二日後にはイベントだろ?…なら今のうちに情報でも集めとかないか?」
「ってことは、掲示板?」
「まあな。だってお前全然見ないだろ?掲示板とか。」
「え~?そんなことはないよ。だってこの前見たし。」
マジかよ……やっと俺の教えが届いたか…。
「てか、LVOのwikiって作られてないじゃん?だから調べたいことがあったら掲示板見るしかないんだよね。」
「…………そういうことかよ。」
「とりあえず、イベントに関する掲示板で見れば良いんだね?」
「それなんだが、これから掲示板を見るときはゲーム内でも書けるやつのみで良い。」
「そんなのがあるの?!」
「あるぞ。名前にLVOの職業が自動的に入る仕組みのやつな。なぜかは知らないけど、その掲示板は最大で三つまで同時に作れるっぽいな。」
「えっ………少なくない?」
「仕方ないんじゃね?ゲーム内とこっちをリアルタイムで共有させるんだからさ。」
現状は雑談用掲示板・新しいスキルについての掲示板・イベントについての掲示板…の三つが作られてるんだったかな。
「じゃあ、イベントについてかかれてる掲示板があるんだね?」
「そういうこ「あったよ!」と……だ………よし見るぞ。」
【祝!! 大型イベント到来?!】おっきなイベントがきたーーー!!
ついに来た公式大型イベントについて語るスレだ!
スレはマナーを守って正しく使うんだせぇ?
次スレは>>980が宣言してからだっ
↑
上記のルールを守って来たりし日に備えるぞぉっ!
「どこから見る?」
「そうだな……今日から一日戻した辺りからで良いかな…たぶん。昨日の日付でソートかければ良いんじゃないか?」
「おーけー牧場」
368:名無しの聖騎士 ID:weKILVvH
おっ、日付変わったな
369:名無しの操縦士 ID:eWXaUeQt
だな。そろそろこのイベントの真面目な情報がほしいものだ
370:名無しの海賊剣士 ID:NSUD9rba
ちと要らない情報が多すぎたしな。海賊の職業があるのに海がねえのは少々きついぜ?
371:名無しの剣士 ID:CEVu2aFr
そんな空気を俺が直々にぶちのめす!
372:名無しの聖騎士 ID:weKILVvH
いや、だからそういうのが要らないんだって
373:名無しの操縦士 ID:eWXaUeQt
おう剣士さんよ?有用な情報は持ってんのか?
374:名無しの剣士 ID:CEVu2aFr
ごめんなさい(;´・ω・`)
375:名無しの神官 ID:ci7ebQgU
あっ、あのときの騎士見習いさんがいつのまにか聖騎士になってる!
376:名無しの魔術師 ID:GaZiPBZ9
えっ!聖騎士なんてジョブあったんだ!どういう条件でなれたの?!
「ねえ……この辺見る必要ある?」
「ないな……“最速の情報屋”ってのが出てくるまで飛ばそうか」
「はーい。」
444:最速の情報屋 ID:ODjqmhl9
今回のイベントの内容(わかっている範囲内※推測含む)
・勇者軍と魔王軍の戦い(大々的なPL戦と思われる(足りないPL数はNPCで補完される)
・互いに目的があり、勇者軍は魔王軍の配下(と思われる)十二狼の討伐。魔王軍はその防衛を行う
・報酬は不明だが、イベント内の活躍をランキングにしたものがある模様(最多kill数とか?)
・イベント中のデスペナは一時間のステータス減のみ判明(今のところはずいぶん易しい)
445:名無しの聖騎士 ID:weKILVvH
なるほど……ってことは結局はPK戦?
446:名無しの呪術師 ID:tx2K1fgv
さらに女神が追加されるっぽいから、何かしらのバフはかかってそうね。……そもそも魔王がいることに驚きなんだけど
447:名無しの剣闘士 ID:0ysaIGPt
今のところ未探索の場所って言ったら……深淵のやつのとこか
448:勇者リオ ID:6jIyJLio
あれはほんとに無理!
「大体の情報は掴めたな」
「どうする?最新のところだけ見て終わる?」
「だな。」
769:最速の情報屋 ID:ODjqmhl9
【速報】イベントの狼を二匹特定
[動画:03秒]
その動画は3秒と短い時間でその内容は、夜闇の色と言えるほど暗い狼と紅黒い狼とが向かい合っているシーンだった。
「えっ!」
そして桐紅は何故かとても驚いていた。