秋の歌
「アイソポス? 誰だい、それは」
真っ黒な鎧で
顔まで固めて
隊列を組んだら
パイレーツも顔負け
フェロモン、嗅ぎ分け
大手門、駆け抜け
ご誓文、交わさなくたって
絶対服従の一門
錦の御旗を押し立てて
人様の家へ進軍
真っ白な塊、頭に掲げ
「いい汗かいた」って、仮面が笑う
女王様を太らせて
男たちを育んで
真っ黒な鎧を量産するため
思考も思想も怠惰のうち、なんだろうな
原っぱで見かけるお前らは
落葉の奏でる弦の響き
この夢現の音色には
気づかない
気づけない
わかっているのさ、俺は
お前らとは違う種類の
可哀想な虫けらだって
でもお前らは、お前らの悲喜劇には
気づかない
気づけない
るるる、るるるぅ
るらる、ららるぅ
月の光を嗜みながら
俺は、一足先にいくぜ
あばよ
いや、ベルレーヌのいうバイオリンっていうのは、
落葉が
というよりも、
風が奏でている……ってことなんだろうけどさ。