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4話・戦闘の基本

チュートリアルの選択に戻り、看板を再度見る。


≪習いたい事を下から選び押してください≫

1 アバターの基本動作

2 戦闘の基本

3 一対一での戦闘

4 軽戦士との戦闘

5 重戦士との戦闘

6 魔法使いとの戦闘

7 多対多での戦闘

8 生産について

9 このゲームの目的について

10チュートリアルを終える


「しかし戦いに関するものが半分以上とは、人間が戦争好きというのは間違いないな」

「生物の本能よね、強い者が偉いと考えるのは」

 とりあえず次のチュートリアルである戦闘の基本に進むと、剣と盾を持った人形がたたずんでいる部屋へと場所が変わった。 

『これより、戦闘についてのチュートリアルを始めます』

 どこからともなくそう声が聞こえてきた。

「こっちはちゃんと指導してくれるようだな」

「最初は本人の自主性に任せて自由にやらせ、その後専門的なことを教えるというのは良い教育方法らしいな」

「上から目線だな運営」

「あの、良い方法を選ぶのは良いことだと思います」

 その後はヘルプの内容と変わりはなかった、全く違ったら問題だが。

 武器や魔法を相手に当てればヒットポイントが減る、ヒットポイントがなくなって蘇生魔法や蘇生薬を使ってもらえなかったら死亡してセーブポイントに戻る。

 ヒットポイントの減り方は相手に攻撃を当てる位置によって変わる、手足よりも胴体、胴体よりも首筋の方が大きくヒットポイントを減らすことができる。

 大きくヒットポイントを減らせれる場所をクリティカルポイントと言い、そこに攻撃を当てることをクリティカルという。

 戦い方は大まかに分けると三つ、筋力を重視して金属鎧をまとって戦う重戦士、敏捷を重視して相手の攻撃を避けながら戦う軽戦士、魔法を重視して距離を取って戦う魔法使い。

 重戦士の鎧は軽戦士ではまともに破ることができない、軽戦士は距離を取って戦う魔法使いに肉薄できる、そして魔法使いにとって重戦士の鎧は無意味。

 つまり重戦士>軽戦士>魔法使い>重戦士の三すくみになっているわけだ。

『あなたのスキル構成は敏捷がメインの軽戦士に属します。《蜘蛛の躰》の糸で相手の動きを妨げ、《暗殺術》でクリティカルを積極的に狙いに行く戦い方をすべきでしょう』

 そのためにこのスキル構成にしたんだから正しいことを言われているのではあるが……

「そんなことは解りきっている、と反発したくなるのは俺だけだろうか?」

「初心者への教育なんてそんなものよ」

『それではこの人形を相手に戦ってみましょう』

 こちらの会話はお構いなしにチュートリアルが進む、人形が歩き出して剣を振るってきた。

「明らかに動きが遅いな」

「最初の戦闘で強敵を出すことはしないだろう」

「倒そうと思うなら最初うちに強敵を当てるのが戦略的には正しいがな」

「ゲームだから、最初のうちからやる気をなくさせるのは間違いよ」

「ゲームとしての正しい戦略と、現実的な対応としての戦略は両立できないわけか」

 会話しながら剣を避けて人形の首をナイフで掻っ切る。

 人形は膝から崩れて落ちて光の粒になって消えた。

『おめでとうございます、あなたの勝利です。相手の初撃を避けて一撃で首のクリティカルポイントを正確に切りつける。文句のない勝ち方です』

「品評付きか」

「まあ、あった方がいいわよね」

「しかし上から目線の印象がぬぐえないな」

 言っている間に風景が歪み元の看板しかない部屋へと戻る。

「さていよいよ本命だな」

「頑張ってください、お兄ちゃん」

 仲間たちが次のチュートリアルの結果を楽しそうに待っている。

 まあ、それも解らんでもない。

 βテスト時最強と呼ばれた敵キャラが《チュートリアルの軽戦士、重戦士、魔法使い》だったらしいからな。



某掲示板 【チュートリアルのあいつら強すぎ】より抜粋

 

18.名無しの冒険者さん

マジで強い、どうすりゃ勝てるんだよ


19.名無しの冒険者さん

あいつら絶対に後半の敵のデータ使ってるよね


20.名無しの冒険者さん

何が強いってAIの出来がいい。こちらの装備を見て戦い方を決めてくる。半端な防御なら隙間を縫ってくる。どんな攻撃も堅実に対処される。本当に経験を積んだ戦士と戦ってる気分になる


中略


271.名無しの冒険者さん

同じことをやるようにすると有利な相手には7割は勝てるようになった、多分そうさせたいんだろうな運営


272.名無しの冒険者さん

イービルセイントさんが不利な魔法使い相手に4割勝てるらしいぞ、ソースは本人の動画


273.名無しの冒険者さん

マジでか、スゲーw俺不利な相手に勝った記憶ないぞw



という会話が掲示板でされているぐらいだ。

その最強のチュートリアルに挑むのだ、見てる分には楽しいだろうよ。



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