サファイア
私は別に自分の人生に苦しみも悲しみも喜びも感じていなかった、楽しいこともなかった。友達もいないし勉強もできない、親もいない。そんな私は協会に一人で神父さんに世話されながら生きていた。神父さんはいつも笑っていたけれど、私には分かっていた。私は邪魔な存在でしかなかっただけど。でも私を捨てたとなれば協会の評判も落ちる。だから私を捨てなかったに違いない。でも、こんな私にも居場所は有った。それは図書館だ。いつも門限までそこにずーっといた。ファンタジーの本を読んだり、政治のことは興味ないが人間の腹黒さなどを本で読んだり。でもけっして楽しくはなかった。ただ、本の世界の主人公になったつもりになるとそんなことも忘れられた。
第一章 サファイア
そんなある日のこと、いつものように私は本を読んでいた。本を戻そうとした時、本の間から何かわからないけど紙の切れ端のようなものが落ちた。拾ってみるとそれはノートを適当に破って落書きをしたようなものだったけど、地図が正確に書いてあった。そしてその上には「人生を楽しみに感じていないみなさん、今夜九時にここへぜひ寄ってみてください。私がぜひとも楽しい人生にしてあげましょう。でも、全ての人が見つけられるというわけではありません。私に会うに相応しい人だけ見つけることができます」私は一瞬にして分かった。いくら勉強してなくったって、これは運命だ…と分かった。門限は十時だ。ギリギリ行けるので今夜私は行ってみることにした。そして私は気づいていなかったが、紙の右端に小さく「サファイア」と書いてあった。それは私の名前だった。
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