外へ
土曜日の朝
最初に目を覚ましたのは愛花だった。
自分の携帯を取り出し
時間を確認する。
AM 5:35
まだもう少し眠れるかな
そう思い今一度目をつぶった
島の人たちにバレてはいないだろうか
遥のもとへ行くと言ったら
止められるだろうから
友達の家へ泊まると嘘をついてしまった。
親戚たちは遥をあまり好いていないらしい。
ずっとここに遥といたい、でも•••••
愛花は目を開いて
横をちらっと見た
眠っている遥の顔が見えた。
わがまま言ってられないね
帰らないといけないね
でも、もう少しだけ眠らせて
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プルルル••••プルルル
部屋の備え付け電話の音で3人は
目を覚ました
「はい••••。もしもし。」
新巻が寝ぼけながら電話をとると
食堂からだった
「あんたたち、休みだからって
いつまで寝てるの?
もうすぐ朝ご飯の時間終わるわよ。」
新巻が時計を確認すると10時をまわっていた
「こんな時間たってたんだ•••。」
新巻がちらっと愛花を見る。
「あー今日は外で食べるよ!
モーニングコールありがとね♡」
「なにをバカなこと言ってんだか•••
わかったわよ、ちゃんと顔洗いなさいよ」
そういうと電話はきれた。
「あ、あの新巻さん•••すみません。
どうかお気になさらずハルと食堂に
行ってきて下さい。」
愛花が申し訳なさそうに言った。
「ああ、いいのいいの。
さ!寮を出よう!せっかく島から
はるばる来てくれたんだから
ずっと寮にいちゃもったいないって!」
新巻が遥と愛花を寝床からでるように
促す。
愛花が遥を見る
「ま、まあ、少しくらいなら。」
遥が言った。
「やったあ!!」
愛花がベットから飛び起きた。
「早く行こう!」
愛花がにこっと笑って
2人の腕をつかんだ。
遥と新巻は顔を見合わせて
笑いあった。
「さあ、まずはここから愛花ちゃんが
無事脱出する方法を考えようか。」