ばれんたいんでー
なんだ…?
学校の自分の席。
僕は自分のカバンの中に異物を見つけた。
綺麗に包装され、リボンが巻いてある。
軽く振ると、カタカタ音がする。
何だろう?
固そうな音だな。
僕の行動を見て、固まっている奴等が。
総じて殺意に満ちた目をしている。
血が出そうなくらい拳を握っている。
何だ?
僕、なんかしたかな?
わからん。
怖いから無視しておこう。
自宅、自分の部屋。
僕はカバンから異物を出した。
そして、ふと気づいた。
あ!
今日は!!
バレンタインデー!!!
それに気づいた瞬間から、にやけが止まらない。
そうか。
だから奴等はあんなに殺意のこもった目をしてたのか。
そうか。
僕は勝利者なのか。
いそいそと包装を開ける。
ハート型の大きなチョコ。
○○君へ
僕の名前
・・・は□□だ。
僕はそっと包装を元に戻して、布団に入った。
・・・泣いてなんかないよ?