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お題しりぃず

夕暮れロマンティカ

掲載日:2013/11/18

「おむかえ、こないねぇ」


砂山を作るのに夢中になっていた僕に、女の子が声をかけてきた。

さっきまで僕一人だった筈なのに、どこから来たんだろ?

女の子とお話したことが無かった僕は、女の子に返す言葉が分からなくて首を振った。


「おむかえ、いないの?」


そうなんだ、お父さんはお仕事で夜までいないから。

僕はそんなことも言えずに首を縦に振るだけだった。


「わたしもなのよ、まっくらになるまでいっしょにあそぼ?」


お家に帰っても真っ暗で寂しい、いつもこの赤い夕焼けが終わらなかったらいいのにって思ってる。

でも暗くなる前に帰らないと、たまに早く帰ってくるお父さんに怒られるんだ。

でも…お誘いを受けたら仕方ないよね、お父さんだって友達とは仲良くしなさいって言ってた。


「う、うん。なにしてあそぶ?」


女の子の顔がぱぁっと明るくなって、僕もちょっとうれしい気持ちになる。

うーんと、うーんと、と考えながらも女の子はにこにこしてる。


「まずはおにごっこ!じかんはいっぱいあるから、つぎはいっしょにかんがえましょう?」


まずは君が鬼、と言って女の子は走り出す。

砂だらけの手をズボンで拭いて、僕も走り出した。


「こっちこっち!おにさんこちら、てのなるほうへ!」


女の子はとっても足が速くて、僕が力いっぱい走っても全然追いつけない。

ちょっとだけずるしちゃおっかな、そう思って僕はわざと転んでみた。


「わ、わ、だいじょーぶ?」


女の子が駆け寄ってきたから僕はすぐに飛び起きて捕まえた。


「えへへ、こんどはきみがおに!」


僕がそう言って駆けだすと、女の子はほっぺたを膨らましてズルいズルいって。

なんだか胸がチクチクして立ち止まってしまった、そしたら今度は女の子が飛びついてきたんだ。


「これでおあいこだよ!」


女の子は笑顔を浮かべていた。

それがとっても素敵だったから僕はもっと見たくなって、今日は別に怒られてもいいやって思った。

だから女の子が帰ってしまうまでずっと、ずっと遊ぶんだ。




1つの影がぱたぱたと揺れる。

ずっとずっと、僕達は遊び続けた。

寂しくないって、とっても凄いことなんだ。

いっぱいあそんでも全然暗くならない、まだまだずっと遊んでいられる。


女の子はずっとあそんでいましょう、ってにっこりほほ笑んだ。


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