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風呂上がりの美少女が、俺のシャツしか着てない

 宿屋に戻ると——


「まず、風呂に入れ」


 シエラは、汚れていた。


 髪もボサボサ、服もボロボロ。


 まともな扱いを受けていなかったのだろう。


「……はい」


 シエラが、服に手をかけた。


「ちょ、ちょっと待て! 俺がいるところで脱ぐな!」


「? ご主人様の前で着替えるのは、奴隷として当然のことですが」


「俺の前では必要ない! 一人で入れ!」


「……分かりました」


 シエラが、不思議そうな顔をした。


 ——初めて、表情が動いた。


---


 風呂から上がったシエラは——


「……綺麗だ」


 思わず、声が出た。


 漆黒の髪は、濡れて背中に張り付いている。

 透けるように白い肌は、湯上りでほんのりと桃色に染まっている。

 青い瞳は、宝石のように透き通っている。


 そして——


 体のラインが、はっきり見える。


 細い腰。くびれたウエスト。

 小さいが形の良い胸。

 すらりと伸びた、細くて長い足。

 そして——丸みを帯びた、小さなお尻。


 少女特有の、華奢だけど艶っぽい体つき。


 肌は、陶器のように滑らかで——


 思わず触りたくなるような質感。


 首筋から肩にかけてのラインが、なんともいえず綺麗で——


 鎖骨が、くっきりと浮き出ている。


 細い腕。華奢な手首。


 そして——


 太ももから足首にかけての、すらりとした曲線。


 少女らしい、すべすべの肌。


 ——やばい。


「ご主人様?」


「な、なんでもない!」


 俺は、慌てて目をそらした。


「服は、明日買いに行こう。今日は、俺の服を貸す」


「……はい」


 俺のシャツを着たシエラ。


 大きすぎて、太ももまで丸見えだ。


 細い首筋。半透明の生地越しに見える肌。

 ボタンの隙間から、鎖骨が覗き見える。


 シャツの裾から覗く、白い太もも。


 すべすべした肌。


 細くて、柔らかそうな足。


 俺のシャツを着ていると、なんだか——


 彼女みたいに見える。


 ——いや、何を考えてるんだ。


 ——目のやり場に困る。


 いや待て。


 俺、今、シエラの体を見てドキドキしてないか?


 十五歳の女の子だぞ?


 中学生だぞ?


 年下だぞ?


 しかも奴隷だぞ?


 これ、犯罪じゃないか?


 ——いや、この世界にはそんな法律ないはず。


 ——でも、前世の価値観的に……。


 ——十五歳はアウトだ。完全にアウトだ。


 ——待て、何がセーフだ。


 ——俺は何を考えているんだ。


「ご主人様? 顔が赤いです」


「なんでもない!」


 自己嫌悪で死にそうだ。


「で、寝る場所なんだけど——」


「はい。一緒に寝ます」


「は?」


「奴隷は、ご主人様と一緒に寝るものです」


「いや、俺のベッドは一つしかないし——」


「では、一緒に寝ます」


「だから——」


「ご主人様。私は、あなたの奴隷です」


 シエラが、真剣な目で俺を見た。


「奴隷として、ご主人様に尽くすのが私の義務です」


「いや、でも——」


「それとも——私では、不満ですか?」


 シエラの目が、少し揺れた。


 ——不安そうだ。


「……不満じゃない」


「では、一緒に寝ましょう」


 押し切られた。


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