参考資料1 中央城塞通信「禁忌の森の封印破られる」(一部抜粋)
この物語は実際に起きた出来事に基づいて僕が綴っているというのは前述した通りなのだが、僕の主観のみではなく当時の市井の空気感や他者の視点といった客観的な要素も盛り込みたいと考え、異世界転生管理局が回収、保管をしていた当時の資料を入手することに成功したので、それらを適宜、参考資料として掲載していきたいと思う。
―――――――――――――――――――――――――――――
中央城塞通信
第1124号 - 城塞都市エルディアスにて刊行
---
禁忌の森の封印破られる:巨人「モグ・ヴィザール」解放の衝撃
——エドガー・ペンウィック
城塞都市エルディアスの東方に広がる「禁忌の森」の最奥にある古代の祠に封じられていたとされる巨人「モグ・ヴィザール」の封印が、何者かの手によって解かれたことが確認された。この報せは、市内にとどまらず周辺地域に大きな衝撃を与えている。
「モグ・ヴィザール」はかつて、数多の災厄をもたらした異形の存在として、古文書にもその記録が残る。無数の目を持つこの巨人は、見つめた者に恐怖を与え、圧倒的な巨体で辺りを破壊する力を持つとされ、その威力を恐れた古代の王たちが神官と共に封印したと伝えられている。
本紙が行政当局およびレグナリア王国防衛省に取材したところ、今次の封印破りは「重大かつ極めて危険な事態」であるとの公式見解が示され、市民に対し一層の警戒を呼びかけている。特に禁忌の森および周辺の立ち入りを厳禁とし、不測の事態に備えるよう強く要請する。
当局は、封印を破った者の特定と、巨人の再封印のための方策を早急に検討しているとのことだが、現時点では未だ進展が報告されていない。また、「禁忌の森」周辺にて不審な動きや異変を目撃した市民は、速やかに当局への通報を求められている。
この未曾有の危機に対し、市民一人ひとりが冷静な判断と行動を心がけることが求められる。エルディアスの平和を守るため、何よりも協力が不可欠である。




