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5.

左手に振動を感じ目を覚ます…そっか…タブレットBOXの目覚まし機能を6時にセットしてたんだっけ…この世界も1日は24時間、365日。ただ1週間が6日で月5週の12ヶ月。年が明けての5日間は新年祭が行われる。

シホは…まだ寝ているみたいだな。

シホを起こしてから顔を洗って朝食を貰ってこよ。

まるまって寝ているシホの肩に手を置き揺り起こす。


「シホ、朝だよ。身支度して朝食貰いに行こう。」


「……んっ…ユキト…あと…ごふん……」


「……ありゃこれは二度寝のパターンだな…とりあえず朝食貰いに行くか…」


まぁまだ時間に余裕はあるし、もう少し寝かせておいてあげよう。

俺は階段脇にあった水場で顔を洗い、一階に降り朝食を頼みにいく。


「坊や!そういや、名前を聞いて無かったねぇ…私はホリィだよ。朝食おまちどう!」


「あ…すみませんホリィさん、よろしくお願いします。俺はユキトです。一緒にいた子はシホ。あと…街外に出るんですがお弁当的な物ってありますか?」


「ユキトにシホか。こちらこそよろしくだよ。ランクが上がるまで長い付き合いになりそうだしね。お昼のお弁当かい?簡単なサンドイッチぐらいなら準備出来るよ。別料金だけどね。」


「それなら2人分お願いします。出かける時に受け取りに来ますから。」


「了解。2人分で銅貨六枚だからね。」


朝食を受け取り部屋へと戻る。シホは…あ、二度寝せずになんとか起きあがってるな。まだ寝ぼけ眼の状態だけど…


「シホ、おはよう。朝食持ってきたけど…先に顔洗ってくるかい?」


「うーん…ユキトおはよ…顔…洗ってくる」


タオルを持ちフラフラしながら部屋を出て行くシホ、まぁ顔を洗えばしっかり目も覚めるだろ。


「ユキト、お待たせ〜。朝食ありがとうね。」


朝食を食べ、時間を見ると7時半を少し回ったところ、身支度を整えてから食器をホリィさんに返却しお弁当のサンドイッチを受け取り宿舎を出る。


協会に入り受付のほうを見るとリーナさんはすでに出勤しているみたいだ。


「リーナさん、おはようございます!依頼の受付に来ました。」


「おはよう、ユキトくんにシホちゃん。ユキトくんは薬草採取でシホちゃんは治療院の手伝いで良かったかしら?」


「あ、すみません、シホも俺と一緒に薬草採取に行く事になったんです。」


「あら…そうなの?…困ったわね…私もさっき聞いたんだけど治療院に神官であるシホちゃんの存在を他の受付が伝えてしまったらしいのよ。本来なら依頼を受けてから伝えるんだけど…その受付の子、おしゃべりが過ぎてたびたびトラブル起こすのよねぇ…まだ治療院は開いてないから、治療院には私から伝えておくわ。ごめんなさいシホちゃん。」


「いえ、大丈夫です。私も昨日依頼を受けるかはっきり伝えてなかったので…」


受付が個人情報漏洩って…受付のトラブルに巻き込まれないだろうな…


「ユキトくん、薬草採取はとりあえずこの薬草、ヨモギの採取よ。袋は協会貸し出しになるから、常設だけど毎回私のとこに袋を受け取りにきてね。」


頷き、袋を受け取る。でもヨモギとは…見せて貰った資料によると大きさは数倍あるがまんまヨモギだ…手のひらサイズのヨモギの葉っぱって…

リーナさんに行ってきますを伝えて東門へ。出る時は協会証を見せる必要もないらしく、すんなりと門外へ。


街道を進むと自分達が転移して来た森の入り口が見えてくる。薬草はもう少し街道を進んだところが採取場所だ。だけど今のうちに棒術と魔力操作の確認をしておかないとな…


「シホ、ちょっと街道から外れて棒術と魔力操作を魔物に遭遇する前に確認しておきたい。」


「うん、いいよ。私も守りの祈りがどんなのか試しておきたいから。」


街道を外れ、棍棒を構える。構えた瞬間、どう動けばいいのかがわかる。これがスキルか…便利すぎるな。

そして魔力操作で全身に魔力を行き渡らせ…手のひらからトレントの棍棒に魔力を移すようイメージする。

魔力が棍棒に吸い込まれていく。けど消費ではなく循環?右手から入って左手に戻ってくる感じだ。

頭の中に浮かび上がるイメージを元に棍棒を繰り出す。

思っていた以上のスピードで身体が動く。魔力を循環させると身体強化にもなるみたいだ。

徐々に循環させる魔力量を増やしていく。そのうち上限がきたのか魔力量が増やせなくなった。

購買部のお兄さんの話が本当なら今の棍棒は鋼に近い硬度になっているはず…ん?棍棒が硬くなる?なら鋼とまでいかなくとも身体もか?

実際攻撃されないとわからないが可能性は高いな…魔力操作、攻守ともに使い勝手が良すぎだな。


「ユキト〜確認終わった?なら、私の守りの祈りをユキトにかけてみていい?」


「あぁ、終わったよ。祈りもかけて貰えるか?」


シホは何やらブツブツと唱え俺に杖を向けた。

俺の身体を薄く発光する膜が包み込む。


「ん、イメージ通りかな?ユキトの祈りは…身体にフィットして動きやすくて緩衝材っぽい感じにしてみたの!私は動く事少ないからドーム型で全て弾く感じ!」


良く見るとシホをすっぽり覆うドーム状の幕が確認できる。


「ユキト、そのままこのドームに攻撃してみて。性質は違うけど同じぐらいのダメージまでは耐えられるから。」


「わかった。まずは普通に、そして魔力を徐々に込めて攻撃してみるよ。」


結果、魔力を最大まで循環した攻撃でもシホの守りは壊せなかった…棍棒がぶつかるたびにビクッとして涙目になっていたが…シホ、すまん。


確認もできた。俺の魔力操作もだがシホの守りの祈りが強力すぎる。

俺達は街道までもどりさらに先へと進む。


初依頼だ。頑張って行こう。


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