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42.

数ある小説の中から閲覧していただき、ありがとうございます。


本日、2投稿目です。

王城、ユキトとハーシュリ団長の模擬戦が終わったあと。王の執務室ではフラジール国王アレクライト・フラジールがアルトール辺境伯と向かいあって座っている。傍らには宰相の姿も。


「アルトールよ。あのユキトと言う者、本当に村から出てきたばかりの10才なのか?」


「はい、陛下。出身は東方の移動民の村。すでに村は移動してると思われ確認することも不可能です。たぶん当人にも村を探し出すことは至難となりましょう。年についても協会の鑑定の石版にて確認。アルトの街に入る際の功罪の水晶でも問題は無かったです。ちなみに………これがユキトの鑑定の石版による最近の結果です。」


そう言ってアルトール辺境伯は陛下へと、テーブルの上に1枚の紙片を滑らす。


ユキト ランクF

男性 10才

状態 健康

職種 守護者

スキル 棒術 体術 魔力操作

アーツ 《魔力操作》 魔纒 魔循環

    《魔力操作》×《棒術》纒爆 纒刃 纒突 纒盾

加護


陛下は紙片を見たあと、宰相に渡す。


「アルトールよ。ユキトの今後は?」


「12才までアルトで探索者活動。王立学院を受験予定。その後専門課程まで見据えていると聞いております。」


「むぅ…他のチームメンバー、特にシホも同じように?」


「はい。シホ、リンネ、ノーレムが同様に王立学院を受験予定。リュカはその時点でも8才な為、シホの従者として学院に通う予定です。」


「リンネ、ノーレムはすでに成人して、すでに学院を卒業しているのでは?」


「はい。地方学院を卒業しております。しかし、それは本人達の希望を外れていたようで再入学を希望しております。まだ、年は16。2年後も規定の20才にはなっておりませんし、その2名も学院卒業後には専門課程を熱望しております。」


アルトール辺境伯はそう言って追加4枚の紙片を並べる。


シホ ランクF

女性 10才

状態 健康

職種 神官 師匠

スキル 癒術 祈り

アーツ 《癒術》小癒 中癒 小解毒 快癒

    《祈り》守り 浄化 反魔

加護

弟子 リュカ 女性 6才



リュカ 見習い

女性 6才

状態 健康

職種 巫女

スキル 祈り

アーツ 《祈り》浄化

加護

師匠 シホ 女性 10才



リンネ ランクC

女性 16才

状態 健康

職種 剣士

スキル 剣術 軽業

アーツ 《剣術》連撃 一閃

加護



ノーレム ランクC

女性 16才

状態 健康

職種 魔法使い

スキル 風魔法 魔力操作

アーツ 《風魔法》風弾 風刃 風円陣

加護


「む、リュカ、リンネ、ノーレムは…言っては悪いが、ランク的に相応だな。…ただシホ、そしてユキト。この2人の職種は初めて見るし、スキルとアーツの数がランクから見たら異常だな。ランクC上位かランクBのステータスを見ている気分だ。早熟ではなく着実に成長もしているのだよな?」


「はい。ユキトはまだ魔力が少ないです。しかし協会からの資料では順調に魔力も増えているとの事。あとは対人の技量もありません。あのスピードに対応できる実力者には通用しないでしょう。そう考えると技量をユキトが身につけたら如何程になるかと。あと職種の名称は、私も初めて見ました。おそらく2つの職種が合わさり発現したのではないかと推測しております…ユキトの棍棒ですが守り重視の武器、これは守戦士。そして魔力操作は魔法使い、それも魔纒といった身体強化に特化した攻撃主体の魔法使いです。シホは見た通り癒術師と巫女、それもアーツの数から両方ともに高位術者です。」


「むぅ…ユキトを第3王女の伴侶に…いや、すでにシホがいるから無理だな。ネックは平民…卒業後に爵位を…」


「陛下、それはたぶん悪手です。ユキトは一夫一妻が当たり前だとの考えを周りにも洩らしております。もちろんシホも。あくまで自由な移動民の出です。爵位にも靡かないでしょう。下手に縛りつけたり囲ったりすると国外に出奔するやも知れません。」


「なると…功績に対する勲章と金銭が無難か。重用し、庇護を与えれば懐いてくれるだろうか?」


「はい。それが最善かと。再来年の王立学院の入学に際して陛下の推薦を…特例としてユキトとシホに与えてみては?第3王女も同い年、陛下から伝えておけばユキト、シホとの友人関係も築けるかと。それくらいなら重すぎない恩として感じる事でしょう。あとリンネとノーレムはランクCですので私が推薦致しますし。」


「うむ、それはいい案だ。今回の模擬戦の褒美としても重くないしな。宰相、ユキトに渡す金一封の準備とアルトールに預けておく推薦状の準備を。あと再来年になるが私の推薦で2人入学することを学院長に伝えておけ。」


「はっ。かしこまりました。」


「では、陛下。私も他の貴族の動きを調べますので、これにて失礼致します。」


「アルトールよ。良き情報だった。推薦状は後日そなたの王都の屋敷に届けさせる。」






俺は魔力欠乏でぶっ倒れたらしい。模擬戦が終わって気の抜けた瞬間に脱力…手足に力が入らない状態。遂には気絶。そのまま、キリュウさんに背負われて宿まで帰ったらしい。


翌日、昼頃に目を覚ますとシホ、リュカ、リンネ、ノーレムと全員がジッと俺を囲んで見つめていた。怖っ!


「良かったユキト!動ける?魔力欠乏で気絶するなんて模擬戦とはいえ無茶しすぎだよっ!」


「そうだよ、ユキト。ボク達、心配したんだからね?」


リュカとノーレムもしきりに頷いている。


「ユキト、お腹は?動けるなら食堂行こっ!キリュウさん達にも運んでくれたお礼と目が覚めたの報告しておかなきゃ。」


「あぁ…キリュウさんが運んでくれたんだな。ちょっと身体が軋んで怠いけど…ん、大丈夫、動けそうだ。」


軋む身体をほぐしつつ、着替えをすませ食堂へと降りる。


「おぉ、ユキト思ったより早く目覚めたな。動けるようで何よりだ。」


「キリュウさん、昨日は運んでいただいたみたいで…ありがとうございました。」


「ん?嬢ちゃん達、伝えてないのか?…ユキト、お前丸2日倒れてたんだぞ?」


「え"っ?……丸2日…ですか?」


シホ、リュカ、リンネ、ノーレムを見るも全員が目を逸らした。


「はぁ…ユキトが起きたのが嬉しくて伝え忘れたんだろうよ。責める事ではないし、看病してくれたんだ、感謝しとけ。」


「は、はい。」


「で、だ。ユキト達のランクアップ試験は目覚め次第、協会本部で決めるそうだ。そしてユキトには陛下から模擬戦の武勇に対して金一封がでるそうだ。…あとは学院の推薦状とか言ってたかな?」


「…推薦状?」


「再来年、お前達は王立学院受けるんだろ?その推薦状を陛下が今回の褒美にくれるらしいぞ?特例とか言ってたが…ユキトとシホに。」


「んっ?私もですか?私何もしてないですよ?」


「ん〜、たぶん詫びも含まれてるんじゃないか?陛下の前で改めて婚姻を誓っただろ?近くに誰がいた?」


「え、と…陛下と王族と宰相と…。あっ審議官!」


「そう、審議官だ。審議官は基本、裁判でしか審議を行わない。それがあの場で陛下の命とはいえ審議を行った。情報を周りに知らしめる為に疑ってかかった形になった訳だな。罪人に近い形で審議にかけて済まなかったっていう、陛下からの詫びだよ。」


「なるほどぉ…貴族社会は複雑で面倒ですね。私にはわからない世界です。」


「俺達もそうさ。後から考えたら…たぶんそうだろうなってわかるが、その場じゃ対応しきれん。」


「ランクアップ試験はまず本部に報告…褒美に金一封に推薦状……ブツブツ…そうだ、キリュウさん。護衛の騎士や諜報部は?」


「騎士は、シホの神への誓いで貴族連中に釘を刺せたから引き上げたぞ。諜報部は…気配がないからわからんな。後、俺達もユキトが目覚めたから依頼完了だ。目覚めた事を協会に報告して、アルトール辺境伯の護衛に付いてアルトに帰る。」


「あぁ、完了なんですね。ありがとうございました。」


「ランクアップ試験、頑張れよ。あと陛下が釘を刺したとは言え…油断はするな。」


「はい。」


食事を済ませてチームの5人で協会本部を目指す。

索敵をかけると屋根の上を追従する黄色い点が2つ。数は減ったが諜報部は王都にいる間は付きそうだな。


本部に着いて目覚めた事を伝えるとランクアップ試験は3日後に決まった。

リンネさんとノーレムさんは明日から日帰りダンジョンとの事。


あと、褒美の金一封は夕方に陛下からの使者から受け取り、推薦状はアルトール辺境伯に預けてある事を伝えられた。

ちなみに金一封は金貨3枚。模擬戦だけだったのにいいんですかね?こんなに貰って。あぁこれにも詫びが含まれているんですね…





お読みいただきありがとうございました。


読んでみて、面白かったと思ってくれて評価してくださると嬉しいです。

御前決闘の結末は賛否両論あると思いますが…これが自分の書きたかった結末です。


不定期になるとは思いますができる限り書き続けていきますので、よろしくお願いします。

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