【コント】いわく付き物件新人研修
ツッコミ「これから、いわく付き物件新人研修を始めます。私、今回指導員を務めます【ツッコミ】、享年20歳となります。よろしくお願いします。まずは、自己紹介をどうぞ」
ボケ「はい!【ボケ】、享年23歳です!よろしくお願いします」
ツッコミ「はい、【ボケ】さんですね。研修後【ボケ】さんには、この物件に取り付く幽霊として活躍してもらいます。所謂、いわく付きの『いわく』の部分ですね。初日から戸惑うことがないように私が精一杯指導するので、頑張ってください」
ボケ「はい、がんばります!」
ツッコミ「やたらと元気がいいですね」
ボケ「生前はファミレスや居酒屋でアルバイトをしていたので、声の張りだけは誰にも負けません!」
ツッコミ「幽霊とは思えない元気さですがまぁいいでしょう。では、早速研修を始めましょうか。まず、この物件に人間の皆さんが住むことになりましたら、まずは最初の印象が大事です。人間がこの家に入ってきたらまず何をしたらいいと【ボケ】さんは思いますか?」
ボケ「いらっしゃいませー!と声をかけますかね?」
ツッコミ「完全に歓迎しちゃっていますね」
ボケ「あっ。すいません。つい、生前のクセで」
ツッコミ「そんなに明るい幽霊だといわく付きって言われませんからね。最初の頃は人間が入ってきたら後ろに張り付いて、自分をなんとなくアピールしてみましょう」
ボケ「なんだか、お化けみたいですね」
ツッコミ「……まぁ、アナタは今そのお化けなんですけどね。で、そこから、」
ボケ「大声でいらっしゃいませー!と」
ツッコミ「それは多分霊感強いだと耳潰れますね。一先ず、挨拶をすることは置いてもらって、次のフェーズですね。だんだんと居住者へアピールを強めにしていきましょう」
ボケ「例えば?」
ツッコミ「やりやすい方法といえばポルターガイストですね。何もしていないのにモノが倒れたり、飛んでいったりするようなものですね」
ボケ「おー!ホラーっぽいっすね」
ツッコミ「【ボケ】さんはどうするのか、ここにあるものでやってみてください」
ボケ「わ、わかりました」
(ボケ、湯飲みと急須を持ってきて、机に置く)
ボケ「よいしょ、よいしょ」
ツッコミ「【ボケ】さん?完全にお茶でもてなそうとしていません?」
ボケ「よく分かりましたね!【ツッコミ】さんは幽霊なのに特殊能力をお持ちで?」
ツッコミ「いや、誰もがわかることですよ、これは。いわく付き物件なんですから、怖がらせないよダメですから」
ボケ「あっ、すいません。ついクセで」
ツッコミ「とりあえず、研修はこれで以上になるので最終チェックで一通り【ボケ】さんやっていただけますか?人間が入ってきたという設定で」
ボケ「え、いいんですか!やった」
ツッコミ「では、どうぞ」
(ボケ、玄関の方へと向かい、コホン等の声のチェックを一通りする)
ボケ「いらっしゃいませー!一名様ごあんなーい!コチラの席へどうぞ!(玄関から中央へと歩いてくる)お冷とおしぼりでーす(コップとタオルを持ってくる)。ご注文は?たこわさですね。たこわさ入りまーす!ありがとうございまーす!」
ツッコミ「もうだめだー!(かなり、頭を抱えながら)」
(終わり)