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希望  作者: 水色透明ゼリー
2/6

勉強合間

続きです。

賢は仕事をしていない。アルバイトさえしていなかった。アパート代も生活費も親の仕送りである。

「来年は受かるから。あと1年勉強するよ。」

こんな感じで親を説得し食いつないでいたのだ。親は過去の栄光を知っているのもあり全面的にバックアップをしてくれていた。

が、当の本人は「やっべーなこの試験、受かる人間って本当にいるのか?ムズすぎるぞ?ほんとは誰も受かってないんじゃねぇのか?」と雲の上の試験に思え、焦るばかりでなかなかやる気が出ない日が続いた。


司法書士試験は1年に1度、毎年7月の第一日曜日に行われる。梅雨明け間近のジメジメとした季節に実施されるのであるが、逆に言えば、試験を終え間もなくはすると本格的な夏の時期が到来する。賢は毎年毎年夏は何もしなかった。以前夏の間もずっと勉強していた時期もあったのだが、ここんとこは勉強していなかった。成績が全く伸びずやる気が起きなかったのもある。

ちなみに夏の間幾つかバイトを申し込んだ時もあったが全て不採用だった。世間に不満を抱いている顔つきの者など、接客業が最も敬遠したいタイプだったのだろぅ。


何もしなかったとは言え、何にもしなかったわけではない。知り合いの土建会社で肉体労働のバイトをさせてもらい、その日の晩飯代を稼ぐ時もあった。

土建会社でのバイトは勉強しかしていないひょろひょろの脆弱な身にはきつかったが、昼飯をご馳走になれるのは助かった。

他の社員の中には自分と同じく地方から上京している者がいたのだが、その男は昼飯でカツ丼を食べることが多かった。土木会社の社長曰く「彼は大都会東京に負けてられないとの思いからあえてカツ丼を食べているのであろぅ」とのことであった。基本その男は丼ものを中心に食べていた。負けてられなかったのであろぅ。

ついでに言うと、土建会社でのバイトは夏は熱中症になり、冬は東京の強風にさらされながらの作業となるのでかなりきつかったが、東京の様々な現場に行けるので気分転換になり、数時間勤務で一万円の日当が出ることもあったのでラッキーだった。今はやりたいとは思わないのが本音ではある。今思えばペーパー試験など、働くことに比べれば楽なことであったように思う。


近いうち、第3話にうつります。

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