Black out
「ミシッ。」
頭を洗ってる最中に、鏡の奥の方で、何かが軋む音がした。
「ミシッ。ミシミシッ......。」
(小学生の頃に建てた家だから、そろそろガタがきてもおかしくないだろう。)
「ミシッ。ガタガタガタガタッ。ドゴーーーーーーーーーーーン。」
「..........⁉︎」
あまりの爆音に、ビクッと飛び上がった。
(なんだっ、地震か? はやく外に出なきゃ!!)
しかし、シャンプーをしているため、目が開けられず、咄嗟に外に避難することは叶わなかった。
(やばい!! 早くシャンプーを流さなきゃ。)
急いでシャワーを取り、自らの頭に近付けた。
「シャーーーーーーーッ。シャーーッ。シャーッ。
シャッ。」
その爆音から、10秒も経たないうちに、シャワーが止まってしまった。
(うわーっ。止まっちまったよ。なんだよ。クソッ。)
幸いこの7秒間でシャンプーの大部分が流れ落ちていた。
ようやく、目を開けられる。
そして、眼を開けた。
( なんだっ???????????)
1秒
目を開けた先には深い深い暗闇であった。
いや、あるはずのものがないっていう表現が正しいのだろうか。
なんだか宙に浮く感覚で、先程までそこにあったシャンプー、洗顔クリーム、髭剃り、鏡 全てがそこにはない。
2秒
軽くピリピリと頭痛を感じる。まるで車酔いのようだ。吐き気がする。
3秒
背中に悪寒が走る。体調不良というよりも、絶叫アトラクションで急斜面を降ってるようなもっと鋭いものだ。意識が遠のいていく。
すると、突然何の前触れもなく、向こうの方から眩い光が訪れ、その暗闇は明けた。
(あーー、あたまいてぇー。どうしたんだよ。)
先程の暗闇は幻覚だったかのように、その目には元通りの光景が戻っていた。
(汗かきすぎたから、脱水症状が出たのか。労災だよ。労災。。。)
シャワーを手に取り、僅かに残ったシャンプーを流そうとすると、シャワーのひねりは開いたままであった。
(シャワーが出てない。おい。なんかおかしいぞ。)
何か不吉な事を感じ取った友哉は、急いで洗面所を後にした。
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