第4話 妖精の探し物
弱っていた妖精を森の奥に放置するのも目覚めが悪いので
自宅に持ち帰って介抱した。
彼女は妖精フェリと名乗った。
一晩寝た後、元気になったのか
家の貴重な食料をバクバク平らげるフェリ
一体その小さな体のどこにそんなに入るやら・・・
「あなた、ホントに!ありがとね、お礼に返せるものは何もないけれど」
たくさん食べて紅茶をすするフェリ
「感謝とか別にいらないし、他意はないから、食ったら帰っていいぞ」
ユシアの態度はそっけない。
なんとなく嫌な予感がするからだ。
「・・・」
「・・・」
「実は私!魔獣に追われているの!」
(く・・・こいつ、巻き込もうとしてきやがる)
「ねぇあなた、女の子がそう言ったら、『どうして追われているの?』って聞き返すのが普通でしょ」
「・・・」
「私が可愛いから・・・っていうのは当然あるけど、実はそうじゃないの!」
「・・・へぇ、意外だなー(棒読み」
「驚かないでね・・・実は私!『勇者』を探しているの!」
ガタッ
椅子からずり落ちそうになるのを必死にこらえる。
ふふ、驚いたでしょ!
ドヤ顔する妖精
平静を装おうとするユシア、嫌な汗が止まらない。
「そそ、それなら、知ってるかな・・・この村の村長の息子に勇者の証が出たんだよ」
ユシアはフェリの案内する事にした。