底辺リーダーによる組織改革メソッド-swift-
◆5分でまとめるメソッド(swift)
組織とは-
前へ進む者、時折目にする言葉だ
しかし、敢えてここでは触れません
但馬をはじめとする渡部、藤嶋の三人はAnot社から依頼を受けてプロジェクトチームを発足し始動する
部長席にて―
佐田「明日から君が新入社員の指導係だ!」
但馬「(えーー)まだ一年目ですよ」
佐田「君なら面倒見が良いからと課長からの推薦だ、頼んだぞ」
但馬「他にも教え方上手い方いますよ」
佐田「綺麗な若いこらしい」
但馬「(若い女の子か)わかりました。やってみます!」
佐田「おぉ、やる気やん、あとは任せたぞ」
翌日―(会議室にて)
藤嶋「昨日から新たにこのプロジェクトチーム発足に至って、新卒採用から一名参加が決まりました。自己紹介を」
渡部君「渡部一成と申します。ご指導のほどよろしくお願いします」
但馬「(あれ?男なんだが)渡部君、よろしく」
渡部君「昨日、ドキドキして眠れなかったです」
但馬「大丈夫なんかあったら俺を頼ってくれ」
渡部君「はい…」
不安そうに見つめる渡部君をそっと「午前中の会議終わったら、会議室に居てくれ」但馬
昼休憩―
渡部君「せんぱい」
但馬「おぅ、待たせたなぁ」
渡部君「もう昼ですね」
但馬「お腹空いたなぁ、飯食いに行くぞー」
渡部君「そうですね」
昼食―(カウンター席にて)
但馬と二人でお店へ渡部君、カツ丼を頬張る
渡部君「このカツ丼、美味しいです」
但馬「ええやろ、お気に入りの店なんだよ」
渡部君「なかなか、こんな所一人で来れないです」
但馬「どうだ、緊張ほぐれたか?」
渡部君「そうですね」
但馬「あの場面は緊張の中堂々としていたし、頼もしいで」
渡部君「ありがとうございます」
但馬「(綺麗な顔立ちだな)まぁでも、一番若手でつい遠慮がちになると思う」
渡部君「ですね」
但馬「それでも自分の意思で答えることが大切なんだ!」
渡部君「但馬先輩、ステキです。僕には…自信がないんです」
心配な顔を見た但馬「大丈夫さ、オレがいるからよ。失敗を恐れず、思った意見をどんどん出していこう」
渡部君「ありがとうございます」
店を出た―
但馬「ふぅ、さぁ戻るかぁ」
たかし「よぅ、但馬」
但馬「たかしじゃねーか、こんな所で何しとん?」
たかし「そこのベンチで缶コーヒー飲んどった」
但馬「そうなんか、今度さぁ、一緒に行こか後輩紹介するぞ」
たかし「但馬が後輩とつるんでるとか丸くなったな」
但馬「うっさいわ」
たかし「おもろいな」
但馬「じゃまたな」
たかし「おう」
オフィスにて―
藤嶋「但馬、聞いたぞ。ビシバシ指導するって」
但馬「やだなー優しく伝えますよ」
藤嶋「優しき鬼教官かな、ストイックな所が裏目で辞める奴がいるくらいだからなぁ」
但馬「仕方ないですよ。俺、不器用なので」
藤嶋「そのストイックさ、若手の手本になると思うよ」
但馬「褒めないで下さい」
小走りに渡部君の所へと向かう但馬に
藤嶋はクスッと笑った。
藤嶋「可愛い奴め」
午後会議―
但馬「渡部君、さっきの昼食で眠くなってない?」
渡部君「いえいえ、そんなことないですよ」
但馬「ええ案、他にない?」
渡部君「そうですね、BigNorと業務提携を結び、Anotの弱みを補うのはどうでしょう?」
藤嶋「コーヒーとタルトをセットにするって訳か、面白い案だなぁ、よぉーし、渡部君の案で企画を進めよう」
但馬「俺も賛成です。男性も買いやすくなるメリットがある」
―フロアにて
渡部君「あんなにあっさり通るなんて、どんな意図なんだろう」
奇遇にも、渡部君の前にエレベーターから現れた佐田部長
佐田部長「渡部君、調子はどうだい?」
渡部君「(佐田さんなんでこんな所で)ぼちぼちです」
佐田部長「そうか、チームに慣れるまで大変だろうけど、無理せずに取り組んでほしい」
渡部君「ありがとうございます」
佐田部長「あと、たかし君に挨拶しておきなさい。きっと君の力になってくれると思う」
渡部君「分かりました」
佐田部長はそう言い残し、その場を去っていった―
藤嶋「渡部君、このチームで最年少なのに積極的だったな」
但馬「そうですね。ちゃんと提案を出した所が良かったと思います」
藤嶋「渡部君が入社して初めて見た時は気弱な方だったけど意見できてたと思う」
但馬「将来はチームを引っ張っていて欲しいです」
藤嶋「但馬よりかはしっかりしてるしな」
但馬「それは余計ですよ」
藤嶋「あっ、わりぃ。まあ但馬の方が頼りになるかも」
但馬「からかわないで下さいよ」
藤嶋「すまん、ついな。じゃあ、渡部君のフォロー頼んだ」
但馬「分かりました。お疲れ様です」
藤嶋「お疲れ」
但馬「ふぁー(ぼちぼち帰ろ)」
後輩が但馬の元へやって来た
渡部君「先輩。一つ聞いていいですか」
但馬「どうかしたか?」
渡部君「会議の最後で案が決まったことが実感ないです」
但馬「(予想してなかった事だろう)またひとつ殻を破ったな」
渡部君「へへぇ、そうですかね。但馬先輩のアイデアに負けないように必死に応えようと思いました」
但馬「それは君自身が出した答えだと思う。よくやったな」
渡部君「ありがとうございます」
但馬「(うん!、笑顔満点やな)じゃあそろそろ帰るぞ。お疲れ」
渡部君「はい、お疲れ様です」
―退社時(駐車場付近)
辺りは雨雲に覆われていた
渡部君「あっ、雨だ、傘忘れてきた」
たかし「じゃ、またな」
渡部君「傘貸してもらえないですか?」
たかし「すまんな、持ってないわ」
渡部君「そうですか」
…自家用車
渡部君「せんぱい、マイカー通勤なんですね」
たかし「せやで、乗る?」
渡部君「いいですか」
たかし「顔に出てるやん」
渡部君「すいません、駅の途中までよろしいですかね?」
振り向き様にたかしは「かまへんで、行こか」
…
―二人は退社した
プロジェクトチーム発足から一年が経ち、渡部は神道邪心と出会う。渡部の指導を受けた神道は、仕事としての心構えから基礎知識を真摯に受け止めた。OJT終了後、渡部は積極的な行動により、神道と共に海外へ配属となった。月日は流れ、早十年、一部上場まで成長を遂げて、のちに二人は代々に受け継がれ、憧れを抱く者も現れるようになった…
表面化では平凡な日常も、視点が変化するとエピソードも異なって見える。何が起こるか分からない世の中も、視点を変えることで歩む凸凹道はオモロいことがこんなにも出逢えるんだと
失敗を積み重ねた者よ、
組織を把握し、底辺リーダーの道へ
健闘を祈る