一分後ー
一分後ー
「君はそれをどうして買ったんだね」
「・・・正直、将来のために、良い一眼レフを買おうかと思ったんですが
それでは少し予算がオーバーしていましたので」
「・・・・ではそれをどこで」
「鼠のチュウチュウで・・これでも中古で四万したんです、それでもすごい破格なんです」
「・・・確かあそこは、中古屋専門店だったよね」
「ええ」
「・・・・この写真を撮る前に、カメラの中身見た」
「・・え・・・っあ」
「・・・・つまりは・・それを撮ったのは、これの前の持ち主何じゃないかな」
「・・そんなことだったなんて」
「・・でも」
「どうしたんだい」
急に不思議そうな顔で僕を見た少年が言う
「何でうちの玄関が写っているのでしょう」
完
二段構えの二分突入
僕は真相を確かめるべく
彼の家
すなわち自分の妹が嫁いだ先に電話した
そこで、こう言った
「さて、君は息子のために
わざと彼だけに売るようにと
中古や専門店「鼠のチュウチュウ」にあの太郎君が四万で買ったという
普通なら二十万円位する一眼レフを託した
その際に、君はいつもの茶目っ気で、どうせならと売る前に
自分で白とは全く違うものを着て写真を撮り、それから売る
それを、君の息子の太郎君が
幽霊だと勘違いした
・・違いますか」
「・・・あのどちら様ですか・・・」
「えーーと、田中ヶ丘さん宅では」
「内は磁路塀ですが」
「すいませんでした」
かくして数日後
僕はその話を、彼の両親
即ち僕の妹の嫁いだ先に行き
彼らと話した末に明らかになる
かくして事件は明らかになったが
・・・しかし、妹の服装の趣味もさることながら・・・その年で悪戯って
大体、本当に親馬鹿である・・二十万って・・・
そのときまだ探偵は知らない
後に太郎君が一枚数百万という
恐ろしい値段がする写真家になっているという事をまだ
しかし、とにもかくにも物語は決着を見せるのであった