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一分探偵ーカメラー

ある日、僕の所に甥っ子の太郎ちゃんがやって来た

彼は今年八歳になるが

その年の割になかなかしっかりしており

将来カメラマンになって世界中を回ると言って

今日そのためにカメラを買ったので

僕を教材とするために撮影しに来るというのだが

どうもその声が浮かれていないのが気になる

別に浮かれてくるような所ではないが

しかしそれにしてはどうも気分が沈んでいるように思ったのだ

「ピンポーン」

玄関のチャイムが鳴り

僕は急いで玄関の方に向かうと

案の定、太郎君が大事そうに首からデジタルカメラをかけてそこに立っていた

「いやあ、いらっしゃい」

僕はそう太郎君に言う

「うん、こんにちは」太郎君はそう言って僕を見て挨拶をする

礼儀正しい少年だ

しかしその顔には何処か憂いが見える

「・・・どうしたんだい」

そう言おうとしたが、玄関で立ち話をしているのもいけないと

僕は彼をリビングに招き入れた

そこにある窓が見えるソファーに彼を座らせると僕はジュースを作りに

お勝手に行く

もしも奥さんでもいればこの手間が省けるが

今となってはそこまでではない

僕がカルピスを濃い目に作り、お盆に乗せて彼の前に置くと

僕もいよいよ彼の前のソファーに座る

すると驚くことに彼は意気込んだように僕にこう言った

「叔父さん、実は依頼したいことがあって」

依頼、それはすなわち僕の職業である探偵のことを指して言っているのだろう、しかしこんな小さな、それこそ小学校に上がってまもなく二年目になろうという子が、一体どのようなお願いがあるのだろう

僕は彼を見てこう言った

「どんな依頼何だい」

すると彼はぽっけっとから何か封筒を取り出して

僕に渡した

僕はそれを受け取ると、見て良いかな、と聞いて

頷いたのでそれを開けると、そこには広告か何かの裏に

「出世した暁には、あなた様の写真を無料で撮ります 田中ヶ丘 太郎」

「・・・楽しみだな」僕はそう言う

しかし、それ以前にその内容が気になる


「実は」

彼は僕が話しても良いよと言うように見ていたので

それで話し始めた

「実はカメラを先週ようやく、お小遣いとかお年玉を貯めて買ったんです」

そう言って、胸にぶら下げてある自分のデジカメを見て言う

「でも、喜んで僕は、その日のうちに、自宅に帰ると電池を入れて写真を撮ろうとしたんです」

「ほお」それでと、うながす

「始めは取りあえず人物が良いと思って、前もって決めていた母に写真撮影に望んだんですが」

「・・・・うん」

どうやらいじめや、もしかしたら恋愛話を持ち込んできたのかと気張っていたが、違うらしい

「そしたら写ってなかったんです」

「・・・位置が悪くて写らなかったのかい」

僕のそんな疑問に彼は首を振った

「違うんです・・確かに撮れていたんですが・・・それが実は服が」

果たしてそれはどれだけの男供の夢に見るカメラだろう

しかし太郎君がその手の話をするとは思えない

「・・・代わりに」

「代わりに真っ赤な服を着た母さんが写っていたんです」

果たしてこの後僕はその証拠の写真を見せてもらった

確かにそこには赤い服を着た妹が写っている

しかし太郎君の証言によると

写真を撮ったときは白いワンピースだったとい

その年でワンピースってと思うが、しかしどうも

太郎君が嘘を言っているようには見えない

・・・どう言うことだろう

なおその後写真を撮影したところ

いくらとっても写真に女の人は写らず

自分が写ったという

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